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美山有機農業推進協議会 村田正夫
不順な天気にも収穫増!

「美山自然農法の会」が栽培管理をサポートしている、地元鶴ヶ岡小学校の鶴小農園でも稲刈りが行われた
「美山自然農法の会」が栽培管理をサポートしている、地元鶴ヶ岡小学校の鶴小農園でも稲刈りが行われた
「今年は、4袋多かった」「天気を心配したけど、5袋も多かった」と、昨年に比べ増収の報告が続々と舞い込みます。今のところ、昨年より悪かった人はありません。長雨と低温、日照不足を心配しましたが、慣行農法が軒並み2割減の中、「美山・自然農法産コシヒカリ」は実によく健闘しています。自然農法の底力が、条件の悪い時ほどハッキリするのだと実感します。

「おおきに、よう頑張ってくれたなぁ」と、稲刈りが終わって稲ワラがジュウタンのように敷き詰められた田んぼに深々と頭を下げました。5月18日に田植えをして、9月16日の稲刈りまで約4か月。前半は良かったけれど、後半は日程に追われ、必用な時に手をかけてやれなかったなぁ…と陳謝陳謝です。つぐないに、秋の作業はしっかり予定通りやらなくてはと気を引き締めている毎日です。

「農家交流会」を真夏の美山で

圃場見学コースとなった村田さんの田んぼ
圃場見学コースとなった村田さんの田んぼ
今年は、大きな大会や重要な会議が美山町を会場に開催されました。その1つ、「自然農法 関西・中国農家技術交流会」は、(財)自然農法国際研究開発センター関西地区普及所が主催しました。7月31日と8月1日の2日間、美山町は夏休みのど真ん中で会場の確保に四苦八苦しました。

研修内容は、
美山町内で自然農法の水稲栽培を実施している農家の圃場見学
「美山自然農法の会」の水稲栽培の取り組み報告
省力、低コスト、環境に配慮をめざした自然農法水稲栽培の事例発表
美山町まちおこしの紹介、懇親会
などで、参加者は遠く高知県や鳥取県からもあり、40人を超えました。熱気溢れる交流会となりました。

不順な天気続きにあって、この2日間は、真夏の太陽が照りつける厳しい暑さとなりました。出穂の初期にあたりカメムシ対策で畦草も長く、参加者の皆さんには迷惑をかけましたが、2台のマイクロバスで2コースに分かれての圃場見学は、なかなか好評でした。ムラなく揃ったイキイキした田んぼ、キレイな用水、ほぼ完璧な雑草対策、ひたむきな中にも楽しく取り組む農業者の姿、それらにあわせて、日本の農村の原風景を垣間見ていただきました。

2日目の技術交流会では、美山の事例だけではなく自然農法センターからの発表もあった
2日目の技術交流会では、美山の事例だけではなく自然農法センターからの発表もあった
「美山有機農業推進協議会」の市原会長の説明にも力がこもり、「美山認証野菜生産者の会」の文字さんも培った技を惜しみもなく披露しました。特に、畦付けと代掻きの技術には参加者の関心が集まりました。市役所の清水課長補佐と中島さんは、職員か農業者か分からないほど熱心で、足が地についた美山町の紹介をしてくれました。夜の懇親会は、いつものごとく大いに盛り上がりました。真面目で熱心な人は、こんなにも話好きなのかと感心します。まさに技術交流会、農家交流会となりました。

有機農業界の著名人も参集

9月2〜3日の2日間には、「NPO法人有機農業技術会議」(以下、技術会議)の第2回参入促進検討会議の会場として美山町を選んでいただき、全国から著名な先生方が来られました。この団体は、農水省が進める有機農業総合支援対策の「参入促進事業」団体として選ばれたところです。

最初にこの話を聞いた時は、正直信じられないほどで、どう返事をして良いのか戸惑いました。おそらく今後、このように多くの有機農業界の著名人が一堂に会される機会はないだろうと、身震いがするほどでした。「技術会議」は、有機農業の技術確立を進める全国ネットワークとしての活動で定評があり、有機農業推進法がその普及に弾みをつけようとしている今、今回の会議は重要な意味があると言えます。

有機農業界の有識者から様々なアドバイスを受けた
有機農業界の有識者から様々なアドバイスを受けた
受け入れた私たちは、恐る恐るオリエンテーションから圃場見学と進めましたが、機関銃のように飛んでくる質問と、鋭い観察力にたじたじでした。やはりレベルが違います。分からない用語も飛び交います。しかし、思い切って私から質問をぶつけました。技術確立の重要性と美山町へのアドバイスを求めました。西村和雄総括責任者は、優しく応えていただき、「コンニャクやショウガの栽培をしてみてはどうだろうか」と具体的なアドバイスもいただきました。

西村先生は、すぐ隣町にお住まいですので、近々に美山町に来ていただく約束ができました。さらに、自然農法の実践者である木島利男先生には、「コンパニオンプランツ」について10月末に講習会の講師に来ていただくことになりました。

これらのイベントの他にも、今後視察の受け入れや消費者交流会などが続きます。活動やイベントに追われながらも、京都府のトップランナーをめざし、日本一のモデルタウンをめざす「戦略」は忘れてはいけないと、わが身に言い聞かすこのごろです。

掲載日:2009年9月30日

村田正夫 プロフィール

むらた・まさお
1951年生まれ。1992年家庭菜園に自然農法を取り入れ、2002年からは約50アールで稲作実施。2004年には仲間とともに美山自然農法の会を設立。自然農法の会は、2006年成立した「有機農業推進法」のもと、農水省が打ち出した地域有機農業推進事業(モデルタウン)に採択された「美山町有機農業推進協議会」の構成団体でもある。2008年には同協議会の技術指導副担当に就任。現在、地域での有機農業推進に尽力。南丹市市議会議員を務めながら、市内で小売業を営んでいる。

 

第12回
有機農業が持つ大きな可能性

 

第11回
米づくりの流儀

 

第10回
新規就農者が地域にカツを

 

第9回
有機農業実施者が続々来町

 

第8回
未来担う子どもたちとの関わり

 

第7回
生産者支える都市交流

 

第6回
ようこそ!美山町へ

 

第5回
行政機関のバックアップ

 

第4回
独自の認証制度で野菜づくり

 

第3回
速報!モデルタウンは毎年申請

 

第2回
米づくりにかける情熱

 

第1回
かやぶきの里・京都美山町


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