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(社)やはた福祉会 大宝保育園 山内清視
神社にお参りすること

大宝八幡宮の大祭で代々伝わる十二座神楽の1つ「五行の舞い」を舞う園児たち。年長女児全員が交代で舞う。10年前、ウィーンで開催された世界音楽祭にも参加し、人気を集めた
大宝八幡宮の大祭で代々伝わる十二座神楽の1つ「五行の舞い」を舞う園児たち。年長女児全員が交代で舞う。10年前、ウィーンで開催された世界音楽祭にも参加し、人気を集めた
大宝保育園は神社の境内にあります。開設以来、園児たちの“参拝”は日課になっていて、卒園式はもちろん、毎月1日の月次祭(つきなみさい)には、年長児が昇殿して玉串をお供えしています。宗教的な神事はともかくとして、日本古来の伝統的な儀式や行事に触れることで、子どもたちには感謝することを学んでほしいという園の方針です。

参拝というと、「高校や大学に受かりますように」とか、「テストで良い点がとれますように」など、いつも何かしらの願いをかけてお参りすることが多いと思いますが、大切なのは、「ありがとう」という感謝する気持ちでお参りすることだと思います。子どもたちにも、お参りでは「生きていることに感謝」、「ご飯が食べられることに感謝」、「今日も元気で過ごせたことに感謝」などなどを話して、「こういうことに“ありがとう”を言おうね」と伝えています。

毎年6月、大相撲・高砂部屋が3泊4日の合宿を境内で行う。最終日には年長男児が土俵に上がり、稽古をつけてもらう。写真は朝赤龍に挑む園児
毎年6月、大相撲・高砂部屋が3泊4日の合宿を境内で行う。最終日には年長男児が土俵に上がり、稽古をつけてもらう。写真は朝赤龍に挑む園児
近年、保育園選びは保護者のリサーチも厳しく、入園前説明会には両親そろって来られ、熱心に園内を見学されます。その上で、神事に触れることができる環境に好意を持ってくださり、神社参拝を日課にしていることに保護者全員が納得してくださっています。私としても子どもたちに強制するのではなく、保育園での生活を通して自然に神様の存在に触れられれば良いと思っています。ですから、子どもたちと接する際、特に3〜5歳児のところでは、昔話などをしながら、「いつでも、どこからでも神様がみておられるのですよ」と神様に見守られていることを伝えています。様々なことに感謝する心を育てたいと思うと同時に、“神様”という目に見えない、けれどもいつでもどこからでも見守っていてくださる存在に“畏敬の念”が持てるようになればいいと思っています。このことだけでもないのでしょうが、子どもたちは早い段階でルールを守ることを自覚し、行動も落ち着いてくるようです。ちなみに当園の食事前の挨拶は、「お父さん、お母さんありがとう。神様いただきます!」です。

みんな違って、みんないい。認めて、尊重し合う

一般的に保育園では、「集団生活が可能な子」という受け入れ基準があります。人間の社会はいろいろな人がいるのが当たり前なのに、この基準に達していなくて入園を断られてしまう子どもがいます。特にハンディがあるとかないとかではなくて、障がいがなくても手のかかる人も結構いるのですが、人は1人ひとり違って当たり前で、言うなればそれは個性です。幼いころからお互いの違いを認めて、尊重しあう心を育てていくのは大事なことで、保育園の役割は大きいと日ごろから肝に銘じています。

以前は障がい児を1人か2人受け入れるのが限界でしたが、もっと多くの子どもたちを受け入れるためにはどうすればよいかを保育士も含めて園全体で真剣に検討し、受け入れるための体制づくりに取り組みました。保育士だけでなく、大学の専門家や常勤の療育指導員が関わって、保育園ではありますが、可能な限りの療育を保育に取り入れました。今では、重い障がいのある子どもや他の保育園で入所を拒まれた子どもたちを多く受け入れられるようになりました。

障がい児保育では柔軟性が必要。個別対応もその一例
障がい児保育では柔軟性が必要。個別対応もその一例
なぜ、それほどまでに障がい児保育に力を入れようとしてきたのか…。それは、平成元年に3歳男児が境内の池に転落してしまったことに端を発しています。発見が遅れたため、脳に重い障がいを負ってしまいました。6年間の裁判の末、和解成立したものの、母親との関係は修復できず、とても辛い記憶です。その翌年から、障がい児の入園申し込みが急増し、これは大宝保育園に与えられた課題・勉強であり、神様が与えてくれた機会と真摯に受け止め、障がい児保育をライフワークにしようと心に決めたのです。

それから今年で14年目。様々な障がいのある子どもたちに出会い、寿命が縮むような事態も何度か経験してきましたが、すべて貴重な体験になっています。個別の対応が必要な子どもには個別の対応をすることが、本当の意味での平等と言えます。こういう考えから、個別・小集団活動・逆統合活動などと形を変えて対応していますが、全職員が関わるところに大宝保育園独特の柔軟性があります。手がかかって大変な子どもを相手にしても、不満を言うどころか、どのように対応することがその子にとって最善かということを常に真剣に考えてくれるスタッフに恵まれたことに、心から感謝しています。

前回では、身体づくりについて触れましたが、身体だけ鍛えても、心も共に育っていかないと本当の意味での健康とは言えません。保育園では0歳〜就学前、さらに隣接して学童クラブがありますが、異なった年齢の子どもたちとの関わりに加え、障がい児と共に過ごすことは思いやりをはじめとする“心”が育つことを確信しています。そして、神様の前で“ありがとう”と感謝できる素直な心が、魂の成長に繋がるものと信じています。表題の「みんな違って みんないい」は、私の大好きな金子みすゞさんの詩ですが、障がい児保育をめざした際に真っ先に浮かんだ心情と重なる素敵な心温まるエールです。

〔大宝保育園のEM活用法〕
子どもはおもちゃをよく口にします。おもちゃは時々洗って日光消毒をしますが、いつもは舐めても害のないEM活性液をスプレーしています。
オムツは肌に触れる部分にEM活性液をスプレーして、少し乾かしてから使用します。オムツかぶれの予防です。保護者が用意したオムツには紙と布がありますが、同じようにスプレーします。使用済みのオムツにもニオイ対策でスプレーしています。
雑巾などの洗濯にも雑菌を押さえる効果のあるEM活性液を加えます。
自然環境に恵まれた緑いっぱいの園庭は、虫もいっぱいです。夏場は蚊も多いので、EM活性液にアロマエッセンスや庭のハーブ(ペパーミントが効果的)浸出液を添加した、手づくり虫除けスプレーが活躍します。肌に優しく、虫に刺されても直ぐにスプレーするとひどくなりません。
砂場は犬や猫が糞尿をしてしまうところです。使わないときはシートをかけていますが、日常的にEM活性液を噴霧しています。すると糞尿のニオイが消えたせいか、犬や猫のマーキング習性の対象外(?)になったようで、最近ではほとんど被害がありません。

掲載日:2009年5月20日

山内清視 プロフィール

やまうち・きよみ
1956年茨城県・大宝八幡宮宮司の長女として生まれる。1979年境内に社会福祉法人やはた福祉会大宝保育園(山内光洋園長)開設。主任保育士として現在に至る。1996年から保育の日課を午後昼寝から午前昼寝に変えるなど、子どもたちの身体機能を高めるカリキュラムを積極的に取り入れる。特に障がい児保育に力を入れ、朝の運動プログラムで機能訓練・促進を図る。趣味はジョギングで、1995年ホノルルマラソン完走をきっかけに早朝ジョギング実施(年間走行距離2000キロ)。他にピアノ・エレクトーン・篠笛。地域のボランティア活動を長年実施。EMについては八千代町で美容室経営・生井香代子さんから伝えられ、数年前から園全体に活用している。生井さんとともに、比嘉教授や比嘉節子さんによる講演会・講習会を開催し、保護者をはじめ地域への普及に努めている。

 

第11回
鎮守の森で"心を育てる"保育をめざして

第10回
保育園に関わるすべての人に

第9回
園長から職員に向けてのメッセージ

第8回
子育てのパートナーになりましょう

第7回
デイリープログラムを見直す

第6回
食育活動「いのちをいただくということ」

第5回
心身共に健やかに成長する2

第3回
自立できる子どもへ2

第2回
自立できる子どもへ

第1回
鎮守の森の中にある保育園


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