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(社)やはた福祉会 大宝保育園 山内清視
素足に草履で元気いっぱい

大宝保育園では、室内は素足、戸外は草履を履く生活をしています。また、「身体の発達を保障する」という考えから、体幹を育てるためにハイハイ運動を取り入れています。ハイハイ運動といっても延々とするのではなく、おおよそ30分の時間内に「四つばい」、「手押し車」、ワニのようにはう「ワニばい」、前頭葉を活性化すると言われている「高ばい」の4種類を基本に15〜20種類の運動がセットになっています。運動を楽しみながら、子どもたちは最後まで頑張ろうとする気持ちを育てていくようです。体幹がしっかりすると姿勢が良くなり、正座する生活でそれを維持することが可能になります。

赤ちゃんのハイハイは体づくりの根幹
赤ちゃんのハイハイは体づくりの根幹
これらの全身運動を毎日継続することで、子どもたちの土踏まずの完成率が5歳児で90%前後と以前よりずっと高まりました。本来、土踏まずは就学前で7〜8割が完成するはずですが、最近の子どもたちは小学1年生で5〜6割程度という報告もあります。

草履を履いてかけっこ。転んだりケガをする子が少なくなった
草履を履いてかけっこ。転んだりケガをする子が少なくなった
運動することは、体幹を育てるのみならず、低体温を予防します。最近は運動不足や生活リズムの乱れから子どもでも低体温が多く見られます。しかし、毎日30分の運動によって解決できるのです。運動後に体温を測ってみると、ほとんどの子どもが36.8度〜37.2度になります。37.2度が最も脳が働く体温と言われていますが、運動後に行う指先運動ではとても集中できるようになっています。同時に低体温予防は、免疫力アップにも繋がっています。

足にフィットした草履は、健やかな体を育む
足にフィットした草履は、健やかな体を育む
運動プログラムではこの他に柔軟性を養うメニューも入れています。このことによってケガが激減しました。ハイハイ運動を取り入れてからは、医療費が激減しました。加えて、巧緻性を養うプログラムによって、身体が不自由から自由になり、細かい動きができるようになって、自信が持てるようになっています。例えば、できなかった「側転」ができるようになると表情がイキイキしてきます。

このことは他のことにも及んでいくのです。ハイハイ運動を開始して半年後には鉄棒の逆上がりができるようになった子が激増しました。身体の発達は、中心から末端に育っていきます。ハイハイ運動を毎日行うことで、逆上がり、三点倒立、側転、竹馬など、割合早くできるようになることを実感しています。

昼食前のお昼寝で取り戻した生活リズム

一般的にお昼寝というと午後にとりますが、当園では平成8年度より午前寝を採用しています。これだと60分の睡眠でも寝起きがすっきりで、着替えてちょうど12時から昼食ができるようになっています。寝てから食べるので、乳児の眠り食べも見られなくなりました。

午後にお昼寝をしていた8年度以前には、大宝保育園にも夜更かしや朝寝坊の子どもがたくさんいました。8時ごろに起きてボーっとして登園、11時半ごろに給食を食べて、やっと目が覚めてきたころにまた昼寝して、起きたらボーっとおやつを食べて、また脳が動かなくなって、夕方になったら、今度はランランとしてきて夜遅くまで元気になってしまう。そういう生活の子どもが多くいました。昼間イキイキと過ごせなかったら、どんなにいい保育をしても効果がありません。

年1度、大宝八幡宮に高砂部屋が合宿に来る時は午後午睡をしますが、どうしても60分では足りないようで、1時間半〜2時間寝てしまうのです。このように、午後に2時間寝てしまうと、「夜、早寝してください」と、保護者に呼びかけても無理な話なのです。保護者ばかりに要求するのではなく、園でも対策をとらなければなりません。

そして、午前午睡を始めたのですが、当初は、夕方早く眠くなってしまって、ご飯も食べられないし、お風呂にも入れない…と苦情が相次ぎました。習慣になっている1日のあり方を変えることは簡単なことではなく、保護者の苦情と職員の反感に押しつぶされそうになりながらも、「夕飯よりも睡眠の方が大事、お風呂に入らなくても平気!」と、午前寝を強行してきました。

数か月過ぎたころ、効果が見えてきたのです。朝からあくびの子、ボーっとしている子がいなくなりました。早寝早起き、ハイハイ運動で元気になり、逆上がりができる子が圧倒的に増えたのです。子どもが変わることによってスタッフ始め保護者の意識も変わりました。

午前中のお昼寝は、子どもたちに生活の張りを呼び戻した
午前中のお昼寝は、子どもたちに生活の張りを呼び戻した
午前寝に変えたばかりの時は「これでいいのかな?」という不安がありましたが、子どもの変化とともに自信に変わり、今では確信になっています。加えて、年間を通して室内は裸足、外は素足に草履の生活で、運動も毎日行なっていますから、低体温児は皆無、丈夫で風邪を引いたとしても回復も早いです。小学校に行っても運動面等で活躍しているという嬉しい報告をよく耳にします。

社会は夜型になっていますが、「不易と流行」という言葉の通り、早寝早起きは三文の徳とも言います。単に「子どもはそうするもの」というルールに止まらず、子どもの発達にとってとても重要なこととして捉えたいです。

〔大宝保育園のEM活用法〕
毎朝、ハイハイ運動を始める8時45分〜9時の間、床をキレイにするのと足腰を鍛える目的から、全園児で雑巾がけをしています。スタッフが「米のとぎ汁EM発酵液」(以下EM発酵液)を床に吹きつけ「魔法の水」等と言いながら、みんなで楽しんでやっています。EM発酵液は肌にも優しいようで、雑巾しぼりによる手荒れはなく、またホコリもあまり舞い上がらなくなりました。
「動」である全身の粗大運動、ハイハイ運動30分と、「静」である手指の微細運動30分を毎日セットで実践しています。「動」と「静」の間に必ずコップ1杯の水を飲みますが、この水は逆浸透膜水をEMタンクに入れたもので、塩素臭のない、口当たりが柔らかく子どもたちは美味しいと言って飲んでいます。
午睡中、冬季は特に乾燥するので加湿器が欠かせませんが、加湿器にEM発酵液を添加しています。静電気の発生が押さえられ、アトピー性の肌にも優しいようです。
午睡用の布団やベッドにもEM発酵液を噴霧しています。布団に染みこんだニオイが軽減され、天日干しのようにふんわりした感触になります。
午睡後は昼食ですが、台拭き用のバケツや、手洗い用の洗面器にもEM発酵液を入れています。雑菌の繁殖を押さえてくれるようです。

掲載日:2009年4月15日

山内清視 プロフィール

やまうち・きよみ
1956年茨城県・大宝八幡宮宮司の長女として生まれる。1979年境内に社会福祉法人やはた福祉会大宝保育園(山内光洋園長)開設。主任保育士として現在に至る。1996年から保育の日課を午後昼寝から午前昼寝に変えるなど、子どもたちの身体機能を高めるカリキュラムを積極的に取り入れる。特に障がい児保育に力を入れ、朝の運動プログラムで機能訓練・促進を図る。趣味はジョギングで、1995年ホノルルマラソン完走をきっかけに早朝ジョギング実施(年間走行距離2000キロ)。他にピアノ・エレクトーン・篠笛。地域のボランティア活動を長年実施。EMについては八千代町で美容室経営・生井香代子さんから伝えられ、数年前から園全体に活用している。生井さんとともに、比嘉教授や比嘉節子さんによる講演会・講習会を開催し、保護者をはじめ地域への普及に努めている。

 

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