「有機農業推進法」成立を機に、農水省からは有機農業総合支援対策が打ち出され、都道府県及び市町村おいては、有機農業推進計画が策定されつつある。現在、有機JAS認定農家の中で約2割がEM技術を活用していると言われており、今後自然農法、EM実践者の果たす役割が大きくなると思われる。
そのような社会状況の中、今までの自然農法、EM技術の集大成を披露する大会と位置付けられた今大会の農業分科会は、4つの農業分野(水稲、畑作、茶、畜産)の事例発表と、「EMを上手にいかすコツ」と題して、EM販売店の代表者をパネラーとしたパネルディスカッションが行われた。
パネルディスカッションでは、長年EMの販売、普及に携わっている4人が自らの取り組みを披露し合った。園井さんは、農家のお世話や約170世帯と14軒の農家の産消提携を実現させる他、食品加工所と中間処理業者、農家、消費者との地域循環のコーディネートを行っている。安保さんは、好気性菌と嫌気性菌が共存しているEMは、農業資材として最適だと評価した上で、EM活性液を活用し続けると、土の腐植やミネラルが消耗されていくので、光合成細菌の活用や良質な腐植、ミネラルも供給する必要があると解説した。その他多種多様な有機肥料の紹介もした。
清杉さんは、水稲での病気や障害の対応には、EM活性液100~200倍に加えて、EM2,3を300~500倍を3日連続で散布し、しばらくインターバルをとり、様子を見ながら同じことを繰り返していくと効果が出ると言及。EM7とEM活性液1000倍を活用して10aで10.35俵収穫が可能になったことも発表した(慣行農法では9.30俵)。
幕田さんは、従来の農業にはない概念である、SCM(サプライ・チェーン・マネージメント)という情報通信技術などを活用し、供給、生産、流通、店舗などを統合するための生産物流システムを構築。EM処理した良質な堆肥を製造し農家に使用してもらい、高品質な農産物の安定供給を実現している。
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