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ふるさとを創生し始めた東京湾沿岸


釣り上げられたサッパ(亀島川水門)と
投網にかかった スズキ(右下・日本橋川)



日本橋川ではEM培養プラントが稼働中


公益財団法人えどがわ環境財団が管理する
親水公園にEM活性液を投入


9年前に日本橋の浄化を目的に始まった週10トンのEM活性液の投入は、めざましい効果を発揮し、結果的に東京を蘇らせてしまいました。
詳しくはDNDの「蘇れ!食と健康と地球環境」の第92〜97回に述べた通りです。8月16日NHKの7:30前後に江戸川区の海水浴場のにぎわいが放映されましたが、インタビューに応じた主婦が「住民が身近な場所のキレイになった海で泳ぐことができ、潮干狩りを楽しめるということは、そこがふるさとになる」という旨の話をしたのです。

同様なことは、昨年NHKで放送された「小さな旅」で京浜運河(モノレール沿線沿い)がキレイになり、魚も獲れるようになり、屋形船のテンプラに使われていることや、団地の子供たちがキレイになった親水公園での生物観察で大喜びしたこと等々の状況から、この地域も子供達にとって「ふるさと」になり得るという保護者の期待も紹介されました。

確かにその通りです。「ウサギ追いしかの山、コブナ釣りしかの川」「山は青きふるさと、水は清きふるさと」の自然にたわむれた人は、そこが生涯の思い出の地となり、ふるさととなるのです。

戦後の経済成長と環境悪化、河川や湖沼、海の汚染がひどくなり、人口の密集地の川や海は「きたなくて危険な場所」になってしまいました。その結果、日本人のふる里の喪失が始まり、原点的な郷土意識が消えてしまったのです。

EMによる河川浄化が始まって25年余、全国各地で「ふるさと」を取り戻しつつあり、真のふるさと創生に直結しています。今、東京湾はほとんどの地域で水泳可のレベルに達しており、どこの干潟も潮干狩りが楽しめるようになっています。

東京湾に投入されたEM活性液は日本橋川から4000トン余、舘山から1000トン余、東京湾に流入する河川に投入されたEMも1000トンくらいあります。この投入は今後も続けられますので、東京オリンピックの頃には、世界トップクラスのキレイで豊かな海になることが約束されたようなものです。
私は日本橋川のEM投入に当たって、この成果が東京湾を豊かな海と一大海浜レジャー地帯に変身させると述べましたが、当時は誰一人として信じる者はおりませんでした。


さらなる限界突破の予兆

7月11〜12日に沖縄に襲来した巨大台風については前回にも述べましたが、その後の対策としてEMグラビトロン整流素子を強化し、バナナ畑を4〜5mの升目状に結界線を強化しました。
同時に、海水に生ごみを入れ海水で作ったEM活性液を2%添加し、約15〜20日間発酵させて作った液肥を透明容器に入れて7〜10日太陽に当てて光合成細菌が増えるような措置にしました。(第95回参照)
その液肥を雨の後に1株当たり10Lぐらい施用してみました。写真@は従来の方法で行った限界突破のバナナです。1本の茎の頂部が2分裂し各々に実が着いている状況です。バナナの常識からすれば、1本の茎に2本の果房が着くことは栽培品種では絶対にあり得ないことですが、私の実験農園では30〜50%も出現します。


写真@

それだけでも奇跡ということになりますが、この原点となる整流レベルをさらに上げ、液肥の施用量が従来1本当たり10Lのところを20Lにしたのが写真Aです。この株は、頭部は2分裂しておらず、当初は巨大な果房になるような予兆でした。台風後、樹勢回復を図るため、思い切って10Lの液肥を施用したら、花房のレベルで2分裂し、2果房になってしまいました。その後、さらに10Lの液肥を追加したら、結実が終わったはずの退化した下段の右の花の房が発達し、2段果になり始めています。


写真A

観賞用品種にはすべての果房が着果する「センナリ(千成)種」や2段果になる例もありますが、栽培品種では極めて例外的な現象であり、超限界突破的な現象です。従来の常識をはるかに越えるエネルギーの取り込みがなされない限り、決してあり得ない現象ですが再現性が容易なことから、今後の展開が楽しみです。

(2015年8月24日)

PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)、「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)、「シントロピーの法則」(地球環境共生ネットワーク)など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」(文芸アカデミー)を上梓。2022年(令和4年)春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章した。





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