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北中城村植物ごみ資源化ヤードにおけるEM活用

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表記の北中城村植物ごみ資源化ヤードにおける本格的なEM活用が2020年7月1日から始まりました。30日前後で機能し始めましたので、8月4日に公式な開所式を予定していましたが、新型コロナウイルスの影響で中止となってしまいました。

公園や道路や公共施設や各家庭から排出される植物ごみは膨大なもので、各自治体は資源化ヤードを作って堆肥化等に取り組んでいますが、旧来の堆肥化システムとなっているため、焼却するよりは良いというレベルで発展的事例はありませんでした。

以前から、植物ごみ資源化にEMの積極的な活用を提案してきましたが、望ましいモデルを作る必要を痛感していました。EM研究機構は、数年前から地元の北中城村にEM活用の提案を行ってきましたが、この度、北中城村植物ごみ資源化ヤード指定管理者にEM研究機構が選定され、既述のように7月1日から稼働しています(写真1)。

まず、山のように積まれていた植物ごみにEM活性液を10〜20倍液にして十分に浸み込むように散布します(写真2)。その後、木材と分解した有機物を分別し(写真3、4)、分解した有機物に更にEMを繰り返し散布し、数日後に分別機にかけ(写真5)、袋詰めして嫌気状態で発酵熟成を促進します。大きな木材は、薪割り機と木材粉砕機でヤード内のチップ工場で処理してもらい(写真6)、10〜15p以下のものはヤード内でチップにします(写真7)。

写真3
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写真6
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写真7
写真8
写真8

EMで処理されたチップ(写真8)は、畜産の敷料(オガ養鶏やオガ養豚、牛舎の敷料)として活用し、EM畜産を推進すれば、最終的に高度な有機肥料(畜糞ボカシ)になります。

場内の整備が済んだ現在では、植物ごみは搬入とともにEMが散布され、チョッパーにかけ、袋詰めになるまでの間に数回にわたってEM処理が行われています。

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  写真9
その堆肥をボカシ肥料のレベルにするためには、繰り返しEM処理をし、熟成したものを戻し堆肥的に混和し(写真9)、袋詰めして10〜20日くらい熟成したものを出荷しますが、熟成期間は長い方が効果的です。同時に、ヤードのまわりにEMグラビトロン炭で結界を作り、エネルギースポット化を強化します。

この方法は、台風後に大量に持ち込まれる植物ごみを、EMの密度を高めるように処理し、直に袋詰めにして野積み状態で熟成することが可能ですので、ヤードのスペースが不足することはありません。


今後の計画

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  写真10
北中城村では、15年以上も前から役場がEM活性液を作り、公民館を通しEMによる生ごみリサイクルや自給菜園、環境浄化活動に幅広く使われています。

今後はその機能を資源化ヤードに移し、大量のEM活性液をいついかなる場合にも対応できるように準備、提供できるようにし(写真10)、近い将来において村全体を有機の村にするとともに、様々な災害対策や衛生対策にも即に対応できるように北中城村に提案して行くつもりです。現在EM研究機構から令和2年7月豪雨による洪水で大きな被害を受けた熊本県の多良木町へ、職員2名を復興支援ボランティアとして長期派遣を行っています。自然災害が多発している現今において、この北中城村のようにEM活性液が大量に活用できるモデルを設置すべきです。


第150回151回の後半で、沖縄で起こっているEMグラビトン整流効果について述べましたが、今回の沖縄における植物のトピックスは、ミズイモ(田イモ)に花が咲いたというニュースです。


サンシャインファームで栽培しているタイモの花と実

多年生の植物は、環境ストレスによって花が咲くか、栄養的に充実し余力がある場合に花を付ける性質があります。記事の通り、田イモに花が咲いたと言う話は聞いたことがありません。

また、レンブはめったに種子が発育しませんが、今年の後半は充実した種子が半分くらい発育しています(写真11)。また、サンタンカも例年の1.5〜2倍の花が咲き誇っており(写真12、13)、滅多に着果しない芭蕉(バショウ)もバナナに間違われるくらいに実っています(写真14)。

写真11
写真11 種子が発育したレンブ

写真12
写真12 我が家のサンタンカ

写真13
写真13 街角の矮性サンタンカ

写真14
写真14 バショウ(芭蕉)

※ このコラムは非常事態における比嘉教授の学者としての立場から、EM技術の可能性について述べたものです。

(2020年8月26日)




PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)、「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)、「シントロピーの法則」(地球環境共生ネットワーク)など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」(文芸アカデミー)を上梓。2022年(令和4年)春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章した。

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