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炭の多様性の応用

一般に炭は、多孔性で保湿性、吸着性、還元(抗酸化)、触媒等々の多様な性質を持っています。また、焼成温度によって強酸性から強アルカリ性ともなり、絶縁体から半導体にもなり、電導体にもなります。この炭の持つ物理化学的性質は、量子的(何にでも変わる)に機能しますので、その応用は無限大です。

とは言っても、その効果を安定的に持続するのは容易ではありません。すなわち、炭を使った 1 回目の実験は奇跡的な現象とも言える効果があり、時間と共に劣化し、いつの間にか元に戻った状態になってしまいます。

すなわち、汚染を吸着することによる機能低下ということになります。一般的に、長期に連続的に活用する場合は、洗浄や乾燥をくり返し、汚染を除去し、再利用しますが、新しい炭に比較すると、コスト的にも問題を抱えてしまいます。

その代表格が下水のポンプ場の脱臭に使われている活性炭ですが、その活性炭にEMの原液を数パーセント吸着させるだけで半永久的に機能させることも可能であり、すでに実用化しています。吸着された汚染物質を、EMが基質(エサ)として活用し、クリーンにしてくれるからです。この技術は炭を上手に長く活用する基本であり、無煙炭化器に、海水培養のEM活性液を 5〜6 倍に薄め、消火的に活用する方法も一般化し始めています。

EMグラビトン農法の究極は、EMの持つ重力波整流機能で、潜在的なエネルギーをより積極的に取り入れ、高次の生物生産や蘇生的な環境創成に活用することであり、無窮の技術に到達するというものです。すなわち、不耕起、無化学肥料、無農薬、多収高品質で永続的で、空気や水の浄化力、地下水の浄化機能を持つ農業です。

そのためには、炭の機能性を高めると同時に、誰でも簡単に実行できる方法を探求し続けてきました。その原点は、広大な福島の放射能汚染対策に立脚しています。

すでに実用化している炭と塩を併用した地中結界や、空間の結界に関する EMグラビトン整流シールの応用は、炭にその力を転写することを基本としています。すなわち、整流力を転写された炭に海水培養 EM活性液を吸着させると、前号で述べた塩の持つ量子的性質と炭の持つ量子的な特性を最大限に活用できるという考えに立脚しています。

一般的に炭を焼くとなると、かなり大がかりな作業となりますが、無煙炭化器を活用すると、すべての自然発生の有機物を極めて簡単に最上の農業資源とすることが可能となります。

無煙炭化器を活用し肥料的な資材を作るという前提なら、法的にも全く問題なく、EMと塩との併用技術の応用は無限大です。EMグラビトン整流シールを使うと、炭はもとより、発生するすべての灰も高波動化され、半導体から超電導的な性質に変わります。落葉やモミガラ、剪定クズ、オガクズ、農産廃棄物のすべてのものをよく乾燥させた後に焼却し、より多くの整流焼却灰を作ります(写真1)。

それを半分から等量の塩を加え、よく撹拌して、塩の炭ボカシを作ります(写真 1、2)。

◆塩の炭ボカシの作り方

  1. 炭を焼きます。(写真1では径100cmサイズの炭化器を使用しています。)
  2. EM海水活性液で消火。(この時の炭の量は大よそで、50L位=約13kg位でした。)
  3. 炭:塩=1:0.5〜1の比率で添加する。(写真2、3)
  4. 良く撹拌する。
  5. 完成。(写真4)
    ※熟成期間は必要ありません。肥料袋や容器などに入れ、農機具小屋で雨にあたらないように、また、湿度が高いところでは塩が湿気を吸水しやすいので、風通しの良い場所に保管してください。

写真1 整流焼却灰。EM海水活性液で消火した後
写真1 整流焼却灰。EM海水活性液で消火した後

写真2 焼却灰に塩を添加する
写真2 焼却灰に塩を添加する

写真3 炭:塩=1:1で比率
写真3 炭:塩=1:0.5〜1の比率で

写真4 良く撹拌する
写真4 良く撹拌する

この方法ですと、散布も容易で塩が手に残ることはなく、均等に施用できます。また、除草効果にも優れていますが、化学肥料が及ばない高いレベルの総合的な肥料効果もあります(写真 5、6、7)。
この花壇に施している炭ボカシの量は、1uあたり200gくらい(一握り程度)です。施用については、植物の状態を見ながら、2週〜1ヶ月に1度程度で良いと思います。

写真5
写真5

写真6
写真6

写真7
写真7

この技術の応用は、都市ゴミの焼却灰や石炭火力発電所の石炭灰等々を最良の農業資源に変えることもでき、未来の農業革命の基本とも言えます。










※ 本来、農業にとって塩は危険なものです。
塩の効果は、有機物がしっかり入っていて、微生物がきちんと住みついている圃場で発揮されます。
EMボカシや生ゴミ堆肥も合わせて施すと、塩の炭ボカシの効果がさらに上がります。

(2019年4月15日)

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PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)、「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)、「シントロピーの法則」(地球環境共生ネットワーク)など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」(文芸アカデミー)を上梓。2022年(令和4年)春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章した。

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