農の本質を現実化するEM技術の再確認
第129回でも述べたように、農とは広い意味では農林水産、すなわち、一次産業全般のことです。農の本質は、太陽エネルギーを中心に、環境中に存在するエネルギーを物質化する過程に生じる様々な理を通して人間の願望を正しくかなえてくれる力ともいえますが、そのすべては自然力の応用次第であり、重力子(グラビトン)農法の要諦でもあります。
まず、その願望の第一は『農業で経済的に楽々と豊かになりたい』であり、第二に『農業を通し生産者の健康と、その生産物を活用する消費者の健康が守られ、様々なメリットを与えたい』となり、さらには『生態系を豊かにし、生物多様性を積極的に守り、人類の食糧問題やエネルギー問題はもとより、地球の温暖化や環境問題の本質的(循環的)解決を図りたい』ということに帰結します。
これが現実化すると、農業はこの世で最も尊い仕事であり、尊敬され、選ばれし職業ということになり、『農は国の基なるぞ』ということになります。が、しかし、現実の農は、最も反自然的です。巨大な森林を消滅させ、大型機械でエネルギーを多用し、膨大な表土を流出させ、化学肥料で土壌を荒廃化して地球規模での砂漠化を拡大しています。さらには、合法的に多量の毒薬を散布して環境の破壊や汚染を加速しており、その結果として、生態系や生物多様性を悲劇的な状況に追い込むという不可避の自己矛盾を抱えています。
そのような窮地を打開するため、様々な遺伝子組み換えの研究が進められていますが、その行き着く先は、更なる自己矛盾の拡大となり、農地の荒廃と遺伝子汚染を加速することになります。この一連の流れは、人口増大による食糧問題と悪しき資本主義の原理が合体した構造的なものとなっており、今や人類を滅亡させる元凶となり始めています。
人口増大、経済活動の活発化、化学物質や電磁波まみれの現今のライフスタイルは、地球温暖化と同時に、海洋の酸性化と水圏の生態系や生物多様性の破壊と直結しており、人類の未来は、極めて悲観的となっています。いずれも構造的なものですので、自己矛盾を生まない新しい仕組みで解決せねばなりません。すなわち、自然の理に従った『善循環』的な仕組みを持つ技術革新以外に選択肢はありえないということになります。
具体的に言えば、汚染を放出しない技術の活用や、汚染源を高度な浄化源にし、機能性の高い良質な資源として循環的に活用する技術を徹底して実行することですが、農業分野に対するこのような原点は見つかっていません。
それに対し、理工分野における自然エネルギーの活用や燃料電池、パワー半導体、発光ダイオード等々の他に、触媒化学や紛体工学、超電導等の技術革新は、かなりのレベルで進行しつつあり、資源エネルギーの危機的な状況に対応できる見通しにまで達しています。ふがいない話ですが、農業における『構造的悪循環』は有史以来変わることなく、人口の増加に伴って加速的となり、何らかの技術革新も行われておらず、致命的なおいてけぼりとなり始めています。
その研究の打開策は、第129回の第2回生産者交流会の目的と今後の方向性で示されたEM重力子(グラビトン)農業に徹すること以外に方法はありません。
自然力の根幹の再認識
自然力の根幹は、改めて述べるまでもなくマイクロバイオーム(微生物叢(相))です。歴史的に見ると、農業への鉄の活用は革命的な技術革新であり、現今の様々な農業機械や施設や化学肥料や農薬や遺伝子組み換え等は、一見すると技術革新的と思われますが、厳しい見方をすると、単に『人力、畜力』が『機械、施設』に、『堆肥等』が『化学肥料』に、『病害虫対策』が『農薬』に置き換わっただけといえます。すでに述べたように、遺伝子組み換えにいたっては、農業の自己矛盾を加速度的に拡大する最悪の選択肢となっています。
有史以来、農業は畑を耕し、肥料をやり、雑草を取り、病害虫を防除するというパターンを固定化し、自然力に属する分野をないがしろにしてきたため、迷路に入ってしまい、自己矛盾と悪循環を増幅し続けているのです。
それに対し、田畑の自然力を強化すると、窒素固定菌やリン溶解菌等々の合成能力の高い有用微生物を中心としたマイクロバイオームが形成され、土は膨軟になり、表土は流出せず、ミミズ等が増え、耕起は不要となります。その上、病害虫はまったく発生せず、連作も可能となり、雑草対策も容易となることは明らかですが、体系としての組立てが十分でないため足踏み状態となっています。
この件については、著書『微生物の農業利用と環境保全』(農文協1991、現在電子化)で詳しく述べましたが、その中の有用な微生物群とはEMのことです。
それから30余年、メタゲノム分析法の進化によって、人間の健康はもとより自然の健全度は、すべてマイクロバイオームの水準によって決まることが明確となり、その重要性が強調されるようになってきました。
結論的なことを言えば、善玉菌の種類が多くその密度が高いとすべてが健全になるということですが、現在のところ、安全性が確認され、すべての場においてマイクロバイオームを安価で望ましい状況に誘導し維持できる実用技術は、EM以外には存在しないと言っても過言ではない実績を持っています。
EMは、光合成細菌を中心に乳酸菌や酵母等々の善玉菌の複合体で、糖蜜や米ヌカ等々を基質とし、密閉容器(ペットボトル、プラスチック容器等)に入れ、時々ガス抜きすれば、子供でも簡単に1000〜10000倍くらいのEM活性液を作ることが出来るため、極めて低コストになっています。(EM活性液のパンフレットはこちら、米のとぎ汁活性液のパンフレットはこちら)
その上、海水レベルで培養したEM活性液は変質しにくくなるため、1000分の1程度の原液を添加し菌相の中心を保持すれば、継代培養も可能であり、EM本体に関わるコストは限りなくゼロに近づく状況に達しています。
EMの効果の再認識
その基本を踏まえ、塩や炭や結界技術を活用することによって、さらに飛躍的な限界突破が可能となります。EM重力子(グラビトン)農法の未来像となっています。
今やEM技術は一次産業のみならず、各種の汚染対策や福島における放射能汚染対策はもとより、土木建築、湖沼や河川、海の浄化、電磁波対策、省エネ技術(整流の応用)、医学分野、各種材料の機能性向上等々に活用されるようになってきました。
常識的に考えれば、『いかに良いものでも長い間使い続けると、必ず問題が発生する』という懸念はつきものです。しかし、EMが実用化され約38年、いかなる大量散布や長期使用においても、このような不都合な真実は発生しておらず、善循環的な持続可能な状況が続いています。すなわち、エントロピーが増大しないどころか、エントロピー減少、すなわち『シントロピー(蘇生力)のレベルが強化される』という現実を認識すべきです。
人間の健康被害や地球環境の破壊が、すべて汚染源の水準(エントロピーの増大)によって引き起こされていることを考えれば、医食農同源をより高め、より確かなものにするためには、EM技術の活用に徹する以外に選択肢はありません。
次回にさらに詳しく述べる予定ですが、EM重力子(グラビトン)農法で得られる農産物は、従来の常識をはるかに超えるものです。参考までに、愛媛県松山市の野本さんから送られてきた波動測定結果を紹介します。
この数値の評価は、21が満点で、従来は、その数値を超える農産物はEMを活用した場合にはじめて達成されるもので、一般的な有機農業では19〜20を超えることは不可能と考えられています。
表1と表2の結果は、従来の常識では絶対にあり得ないことですが、EM研究機構のサンシャインファームや、私の実験園(青空宮殿)の生産物の免疫値は無限大的となっています。まさに正真正銘の医食農同源となっています。
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