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ユニバーサルビレッジ国際会議

去る10月6〜8日に、下記の共催団体による第3回ユニバーサルビレッジ国際会議が名古屋大学で開催されました。会議の共催団体は、ITSS(※1)、マサチューセッツ工科大学、名古屋大学、北京航空航天大学の4機関です。2013年、私は第1回の会議にマレーシアのジョホールに完成したEMエコシティ(第71回第86回参照)について発表させてもらいました。EMエコシティは1230戸、耐用年数800年以上、節電効果30〜40%以上、生ゴミを高機能な有機肥料化し、化学肥料や農薬を全く使用しない多収高品質の自然農法を実現。下水はすべてEM処理し、河川の浄化とともに海を浄化し、生態系を豊かにし、生物多様性の保護に積極的に貢献しているスマートシティであり、エコロジカルシティであり、ユニバーサルビレッジでもあります。〔※1 Intelligent Transportation Systems Society、高度道路交通システム学会〕

不思議な縁で、この発表を機会に、本会議の提唱者でマサチューセッツ工科大学教授である、同ITS研究センター所長の正木博士と情報交換を行うようになり、EMのことを深く理解してもらうようになりました。

ユニバーサルビレッジ提唱者 正木一郎博士 ―略歴―
早稲田大学卒業後、川崎重工でFAロボット用画像センサーの研究に従事。
1981〜1993年、デトロイトのGeneral Motors社の研究所で自動車とテレビを融合させたインテリジェント・クルーズ・コントロールの研究を進めるかたわら、IEEEにインテリジェント・ヴィークルの国際会議を設置。
1994年マサチューセッツ工科大学に招聘(しょうへい)。現在、MIT同ITS研究センター所長。IEEE Intelligent Transportation Systems Council副会長などを勤めた。米国のみならず日本の官公庁、民間企業の顧問、コンサルタント等多数。

正木博士は、この会議の根本課題である全地球生態系の破綻を抜本的に解決するには、微生物の活用は不可欠であり、私に協力の依頼があったのです。

私はEMの情報と今後の展開についてお話したところ、EMの本質(抗酸化、非イオン、有害なエネルギーを有用なエネルギーに転換)を十分に理解していただきました。その結果、正木博士が取り組んでおられる「全地球生態系の法則」を共著でお手伝いすることになり、私の分担は完了し、次年度に出版の予定です。日本語版が出るか否か、分かりませんが、本書は環境問題に取り組んでいる世界のリーダーに読んでもらうことを目的としています。

このようないきさつから、今回の会議では、微生物技術と環境保全というセッションでEM関連、放射能汚染対策を含め10題の発表が行われました。注目すべきは、本国際会議の冒頭の正木博士からのあいさつです。ここではポイントのみに触れますが、詳しくはDND(DND大学発ベンチャー支援情報)をご覧下さい。


<以下 引用>

〜〜前置き要旨〜〜
Universal Villageのコンセプトを論じることが重要です。
〜〜中略〜〜
これらの世界中で問題となっている環境汚染を、すべての人々が納得する方法、つまり、生態系の法則に照らして解決するということになると、生態学者でさえ、『どうすれば、この地球をうまく管理できるのか見当もつかない。』というのが実状であるということが分かりました。

このような膠着状況を解決するために、2013年に私は様々な分野の研究者が一致団結してこれらの問題について話し合うことを目的としたUniversal Village国際会議を創設しました。

そして、この時期に私は全地球生態系の法則の研究に取りかかりました。その結果、生態系が微生物の役割に大きく依存しているという事実に照らして、全地球生態系を守るためには、三つの分野における問題解決が緊急に必要であるという結論に達しました。

それらの三つの分野とは、

KEY RESEARCH GOALS FOR UNIVERSAL VILLAGE
1.Protect diversity of microorganisms in the soil by developing material to replace pesticides and chemical fertilizers
――土壌における微生物の多様性を守るために、農薬、化学肥料に替わる素材の開発。
2.Protect diversity of microorganisms in the ocean by developing new materials to replace oil and petroleum products
――海洋における微生物の多様性を守るために、石油やマイクロプラスチック(石油製品)に替わる新しいエネルギーと新しい材料の研究開発。
3.Protect diversity of microorganisms underground and in seabed where radioactive waste materials have been dumped by nuclear power plants by developing new energy sources to replace nuclear power plants
――原子力発電の放射性廃棄物の投棄場所となっていた地下や海底、また、海底のさらに数キロ下にいる微生物の多様性を守るために、原子力発電に替わる新しいエネルギーの研究開発。

秩序と美しさを特質とする宇宙の一部である地球に住む人類が、微生物の多様性を守るために、生態系の秩序を守ることこそ人間の役割であるはずです。

これまで人類が地球に対して行なってきたことは、海を世界の下水道と見なし、熱帯雨林を焼き払い、サンゴ礁内で海中核実験を行い、美しいアルプスを放射性廃棄物の不法投棄場所と見なしてきたのです。

ですから、私たち研究者が、地球は美しく、秩序正しい宇宙(Universal)の一部であるという認識もって、地球生態系が再びその恒久性を取り戻す努力をするという決意をこめて、本会議名をUniversal Villageとしました。

では、今後、中国やアフリカで原子力発電が増え続ける計画があり、また米国、日本、その他、多くの国々も、引き続き原子力発電所を止めるつもりがないことを知った私たち研究者の新たな決意は、何でしょうか?

何としても人々の安全を守るべきであること、すなわち、現在、地上に存在するすべての核兵器、原子力発電、使用済み核燃料等のすべての有害な放射性核種を無害化するための技術、さらには、被爆者の健康維持のための薬を、緊急に、全力を挙げて研究開発することであるのは当然です。
〜〜中略〜〜
すべての研究者は、例外を除いて、そのような技術は世界に存在しないと信じているはずです。しかし、世界に一人、この驚くべき知識を持って、世界140国以上で活躍しておられる方がおられます。

『EFFECTIVE MICROORGANISMS (EM)
● Dr.Teruo Higa - professor emeritus of University of Ryukyus
● EM:combination of microorganisms centered mainly on lactic acid bacteria, yeast, and phototropic bacteria
● EM used in over 150 countries to solve air, soil and water pollution』

私は2013年の第1回Universal Village国際会議を通して、彼の存在を初めて知りました。彼は琉球大学名誉教授、比嘉照夫博士です。

比嘉博士の仕事は乳酸菌、酵母菌、光合成細菌を主力とする有用微生物群(Effective Microorganisms=EM)を使用することによって、エジプトの塩害被害を受けている果樹園にEMを活用することにより、翌年には実り豊かな果樹園に再生させたり、またヘドロが堆積し、臭い汚い川が、EMを活用することにより数年でボラやスズキ、ウグイが群れを成して泳ぎ、アユやサケが目撃される川にすることに成功しています。

農業では、雑草、その他の有機物にEMを混ぜて発酵させたものを肥料として使用することが基本ですが、収穫した農作物は味覚、栄養に優れているばかりでなく、収穫量も1.5倍から2倍となります。
〜〜中略〜〜
このように、世界の人々の心を捉えている戦争か、事故か、テロによる核物質の大爆発が、人類と地球環境を壊滅させるという恐怖感を取り除くためにも、これらの問題にたいする唯一の解決策である比嘉博士の「微生物による元素転換」を科学的に立証する「新しい理論」を立てることに私は努めているところです。

放射性物質を微生物によって元素転換することができるという「比嘉理論」に従えば、有害な放射性物質を無害な物質に変えることができるはずです。

さらに、2013年に、全地球生態系の破綻を抜本的に解決する目的で始めた「全地球生態の法則」も、比嘉博士や多くの友人の助けを得て、その全貌が明らかになりました。この全地球生態系の法則についても、本の中で発表する準備をしているところです。

ですから、今後は、これまで私たち人類が理解せずに取り入れてきた「科学の進歩」の本質をしっかりと見定め、それらを明らかになった『全地球生態系の法則』に照らして評価することによって、二度とこのような過ちを繰り返さないようにすることができるはずです。
〜〜中略〜〜
Universal Villageが目指していたこれまでの三つの分野の問題解決に加えた2016年以降のUniversal Villageの課題と目標は、次のようになります。

すなわち、人類と地球環境を、この緊急事態から救出するため、そして、生態系の"主"である微生物を守るために、

@農薬と化学肥料に替わる素材を開発する【この問題は比嘉博士のEMで解決可能です】。
A微生物の多様性を守るためにプラスチック、その他の石油製品に替わる生態系にやさしい新しい材料の創出。
B微生物の多様性を守るために石油、その他の化石燃料、原子力発電に替わるクリーン・エネルギーの創出。
C微生物による元素転換を利用した有害な放射性核物質の無害化のための具体的な技術の研究。
を緊急課題としてあげます。

私は、多くの研究者が、人類と地球環境を破滅から救出しなければならないという強い決意をもって、これらの4つの課題のどれか一つをご自分の研究課題として付け加えること、そして、現在、世界が直面している核問題、土壌汚染、大気汚染、海洋汚染などの全地球生態系にかかわる問題の解決に貢献することを願っています。

このような科学者の一致協力があって初めて、私たちは必ずこの人類と地球の緊急事態を乗り越えることができると信じることができるからです。

正木博士はEMのことを徹底的に検証し、上記の2016年以降のユニバーサルビレッジの課題と目標として、4項目を掲げましたが、基本的には、全てEM技術で解決が可能といえます。

日本には、私をエセ科学者の代表格として、EMを全面的に否定している学者やマスコミ関係者がおりますが、それらの人々は、私に会ったこともなく、EMの効果を検証したこともない全くのエセ科学者であり、EMを潰そうとしている悪意のマスコミ等々です。

放射能対策に関する環境フォーラム

11月26日、福島市の県立教育会館ホールで、下記のような環境フォーラムが開催されます。その成果は着実なものとなってきました。より多くの関係者の参加を期待しています。

本環境フォーラムは、2011年3月11日に起きた東日本大震災によって引き起こされた東京電力福島第一原子力発電所の事故によって被災した福島県を、EMの活用によって、放射能汚染問題を解決し「うつくしまEMパラダイス」にする目的で開催され、今年で6回目を迎えることになりました。

第1回のフォーラムでは、2012年までの成果を発表してもらいましたが、その内容は、2013年〜2015年のフォーラムでも再確認されました。

1.有機物を投与し、EMが十分に活動できる条件を整えて、EMの密度を高めるような栽培管理を行った農地では、作物による放射性セシウムの吸収は完全に抑制された。同時に、作物の収量や品質が向上した。
2.EMを活用した酪農では、畜舎の衛生問題をすべて解決するとともに、その地域の汚染牧草を給与しても、牛乳中の放射性セシウムは5ベクレル以下となり(国の基準は50ベクレル)、その糞尿(スラリー)を散布した牧草地の放射能レベルが低下し、牧草の放射性セシウムの吸収も抑制されることが認められた。
3.EM活性液を継続して散布した場合は、例外なく放射能汚染レベルが低下しているが、降雨等で土壌水分の多い条件下で散布すると、より効果的である。
4.EMやEM・X GOLDを活用すると、電離放射線の被曝障害を完全に防ぐことが可能であり、内部被曝対策にも万全を期することが可能である。
5.EMは、今後、問題化すると予想されている放射性ストロンチウムの作物への吸収抑制にも顕著な効果がある。
6.EMを散布された周りの数十メートルの放射線量も低下した。
7.ベラルーシの国立放射線生物学研究所とEM研究機構の再実験において、容器の中においても放射線セシウムが極めて有意に減少することが明らかとなった。
8.このような現象を一般の人々に広く認識してもらう目的で、映画「蘇生」が完成し、昨年から劇場公開され、多くの人々に放射能対策が可能であるという情報が着実に広まっている。
9.EMの培養に海水、または海水に準じる塩を添加し、EMダンゴに炭を添加することで、放射能が著しく減少し、無農薬栽培も容易となり、土壌も顕著に肥沃になることが明らかとなった。
10.EM技術の多角的な応用で、安全で健康に対し素晴らしい高品質の農作物が生産できるようになり、風評被害の根本的対策が可能となりつつある。

このような現実を踏まえ、これまで放射能を消滅するために行ってきたEMの活用を、より広く社会化するために、今年度から、生産者を中心とするEMの活用と、その生産物の販売に力点を移し、各々がEM技術を活用した自立の道を着実に進めています。

EM湖になった長崎県諫早干拓の内湖

「善循環の輪 長崎の集いin雲仙」に参加するために、偶然にも諫早干拓のシーラインを通りました。そのお陰で、シーラインの内湖と海側の量子もつれ(※2)をチェックする機会ともなりました。驚いたことに、内湖の蘇生波動は、一般的な御神水と言われるレベルをはるかに超越していたのです。〔※2 量子力学では、存在するすべてのものは意識するともつれる相互に反応する)という現象が証明されています。その量子もつれの強弱をチェックするには、オーリングテスト等々の方法、フーチパターン、ダウンサイジング、その他、占いに使用される様々な器具等が使われますが、もつれを意識した調査結果はすべて一致しています。(参考資料:『量子力学で生命の謎を解く ジム・アル=カリーリ、ジョンジョー・マクファデン著、水谷淳訳、2015年9月初版発行、SBクリエイティブ株式会社』)〕

この水は、干拓地の農業にも活用されていますが、この水のEMレベルを更に高め、農業に使い続ければ近い将来、化学肥料や農薬を全く使用しないで、多収で高品質の農業生産が可能となります。


雲仙市のEMリーダー

この驚くべき現実は、干拓の成果をより効果的にするため、諫早市の連合婦人会が全市を上げて長年にわたり、EMによる水の浄化運動に取り組んできた結果です。全国各地における干拓地の湖沼の水質悪化は、深刻な問題となっていますが、諫早方式を徹底すると農業の高度な振興と内水面漁業の振興を同時に実現することが可能となります。

改めて述べるまでもなく、雲仙市は7町による合併を機に、900万円の予算で生ごみのリサイクルや環境対策にEMの活用をシステム的に取り入れています。その結果、行政と住民の協力による地域活性化の全国的なモデル市として高く評価され、EMの生活化、社会化が着実に進められています。


EM廃油石けん作り

雲仙市エコ活動連合会の活動拠点

EM化した雲仙市立土黒小学校

雲仙市立土黒小学校校庭の衰弱したケヤキがEMで復活




(2016年11月18日)




PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)、「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)、「シントロピーの法則」(地球環境共生ネットワーク)など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」(文芸アカデミー)を上梓。2022年(令和4年)春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章した。

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