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『あなたの体は9割が細菌』

今年の8月末にアランナ・コリンによる表題の本が河出書房新社から出版されました。

"あなたの体のうち、ヒトの部分は10%しかない。あなたが「自分の体」と呼んでいる容器を構成している細胞1個につき、そこに乗っかっているヒッチハイカーの細胞は9個ある。あなたという存在には血と肉と筋肉と骨、脳と皮膚だけでなく、細菌と菌類が含まれている。あなたの体は、あなたのものである以上に、微生物のものでもあるのだ。"
"微生物は腸管内だけで100兆個存在し、海のサンゴ礁のような生態系を作っている。およそ4000種の微生物がそれぞれのニッチを開拓し、長さ1.5mの大腸表面を覆う襞(ひだ)に隠れるように暮らしている。あなたは、生まれた日から死ぬ日まで、アフリカゾウ5頭分の重量に匹敵する微生物の宿主となる。微生物は、あなたに皮膚の上にもいる。あなたの指先には、イギリスの人口を上回る微生物が付着している。"
"人体に棲むこれらの微生物を合わせると、遺伝子の総数は440万個になる。これがマイクロバイオータ(人体の微生物相)のゲノム集合体、つまり、マイクロバイオームである。微生物の440万個の遺伝子は、2万1千個の人遺伝子と協力しながら私達の体を動かしている。遺伝子の数で比べれば、あなたの人の部分は0.5%でしかない。"

長い引用になりましたが、すなわち、人体は常識外れの微生物の生態系によって支えられているということになります。

20世紀後半から、現在まで、自閉症や各種のアレルギー、様々な難病が多発するようになったが、アランナ・コリンは、消毒や抗生物質等を含む、便利な化学物質が生活化したために、健全な微生物の生態系が損なわれたためと結論づけています。

本書は、その確たる証拠を多数集め、反論の余地のないまとめを行っていますが、冒頭の引用部分を何回も繰り返し認識したうえで読むと、EM関係者にとっては、まさかではなく、目からウロコの「ああ、そうだったのか」となります。

治せない病気が増えたのは、地球のすべての存在を支えている神様的存在の微生物の機嫌を損ねてしまったということになりますが、示された解決法を整理すると、

  1. 過剰な衛生意識による消毒や洗剤等々の化学合成物質の使い過ぎを止めること
  2. 抗生物質や殺虫、殺菌の使い過ぎを止めること
  3. 腸内の微生物相が善玉に変わるように、善玉菌の基質(エサ)となる植物繊維を十分にとること
  4. それでも解決しない場合は、健全なマイクロバイオータを持っている人の糞便を移植すること
この4点を実行すれば病気の大半は解決するという確信(革新)的結論に達しています。

確かにその通りですが、病気の引き金は様々なストレス、電磁波、放射線(医療用被曝も含む)、大気汚染や水質汚染の外に、構造的に化学肥料や農薬を必要としている現代農業の問題等々や、過剰な競争社会の不公平なシステムや人間の性格まで関わっています。


 ドイツの飲用EM『EMIKOSAN』

 米国の飲用EM『PRO EM1』




 EM1の菌体


米国やドイツでは、飲用のEMが市販されています。特に宣伝をしている訳ではありませんが、販売量は年々、飛躍的に増大し、健康に関する様々な不具合が正常化したという話は常識化しています。我が国でも自己責任でEMを飲んだり、EMでハーブや果物等々を発酵飲料的にして、望ましい健康管理をしている人々が多数います。

中には、エピジェネテックによって遺伝子が機能不全となった場合に、EMを飲んだら遺伝的欠陥がかなり是正されたという報告もあります。従来の医学の常識ではあり得ないとか、奇跡とかいわれる領域です。

本書には、微生物は十分に機能しない遺伝子を相補的に機能させていることや、人間の遺伝子の限界を超えた様々な機能を微生物がサポートしている現実も紹介しています。DNA(遺伝子)絶対主義者にとっては、許されざるべき説ということになりますが、すでに軍配は決まっています。

微生物が電磁波を無害化したり、放射能を消すという私の主張に対し、古典的物理学者は、一顧だにしませんが、微生物による原子転換等々を含め本書の内容をはるかに超える超々スーパー的な微生物の機能も明らかとなっています。

これまで何回となく、EMを神様と思って扱うと本当に奇跡的なことが起こり、EMを無視したり、自分のわがままな都合のための家来だと思って扱うと何の効果もない場合があります。原理的に考えると、使う人とEMの共鳴効果が共振的にエネルギーを増幅したということになりますが、気とか祈りの世界にも共通した現象が認められています。

このような多様な現象に対し、量子力学的な説明を試みる著書も出始めていますが、ホメオパシーの原理を実証する実験結果も現れてきました。すなわち、水に振動的なエネルギーを与え、その中に物質や微生物を入れ、次第に薄めて、最終的には、その物質や微生物の存在がないレベルに薄めても、その波動的性質は残っており、その性質は、物質や微生物の再現に機能しているというものです。

このレベルになると、何でもありの量子力学の分野で説明するかしありません。物質や生命は、その発生前には、何にでもなり得るような状態にあるというのが量子力学の立場です。その基本となっているのが、すべてのものは、粒子的性質と波動的性質を同時に合わせ持っており、何にでもなり得るという考え方です。

この量子状態(超伝導でマイスナー効果)を増幅する方法は、様々な修行の原理にも活用されていますが、微生物の持っている酵素が機能すると量子状態を作り出すというものです。そういう立場から見ると、微生物による原子転換は、当然の事と言うことになりますし、EMのような有用な微生物は、万能の神と言っても外れていることにはなりません。

酵素には無数に近い種類があり、地球に起こっている様々な現象は、微生物の作り出した酵素により天国にも地獄にもなるということです。すなわち、善玉菌の作り出す酵素と悪玉菌の作り出す酵素の鬩ぎ合いということになります。

『あなたの体は9割が細菌』という本書を、微生物を理解する最も大事な基礎としてとらえ、この観点からEMの活用法を進化させると、病気の大半は消え、国家の財政を含め、すべての分野で安全で快適、低コストで高品質で善循環的で、持続可能な解決法に達するということは改めて述べるまでもありません。

(2016年10月13日)




PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)、「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)、「シントロピーの法則」(地球環境共生ネットワーク)など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」(文芸アカデミー)を上梓。2022年(令和4年)春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章した。

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