連載



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EM による災害対策




 2015年9月22日常総市、浸水した家屋をEMで洗浄








 2015年9月22日 常総市石下地区
 浸水で掃きだされた家具や畳等の
 ごみ集積場所でのEM散布活動




 2016年5月15日 熊本市河内地区
 城山公民館でのEM無料配布








 2016年5月22日熊本市河内地区
 西区役所公民館でのEM無料配布

熊本の地震、東北、北海道の洪水、猛暑日の記録更新等の自然災害が多発しています。一方では、雨が降らず、乾燥続きの所もあり、この傾向は常態化していると言っても過言ではありません。防災の日は、南海沖地震が想定され、様々な訓練が行われました。

しかし、個々人や地域の集団で我が身を守る危機管理には、飲料水や食糧の備蓄が限界であり、災害後の対応も、行政やボランティアの力に頼る現状です。また、農業や水産における自然災害等は、運が悪かったとして諦める以外に方法はありません。

災害後の衛生対策

阪神・淡路大震災以来、EMボランティアによる震災後の衛生対策は、たゆまなく続けられています。また、大洪水後の衛生対策や感染症対策にもEMは幅広く活用されていますが、国家レベルでEMを活用しているのがタイ国です。2011年に100年ぶりと言われた大洪水の際には、陸軍や環境省、住宅公社等々が中心になり、国の委員会にEMが採択され、数千トンにおよぶEM活性液が使われ、ボランティアによる数百万個のEMダンゴが投入されたのです。(Web ecopure トピックス『タイの洪水被害〜EMボールが衛生対策で活躍』参照)その後のバンコクを中心とするEMを使用した地域の衛生問題は、格段に改善され、多くの水系の浄化も進み、今も、その効果が続いています。

この成功の裏には、世界救世教タイ国本部のEMを活用した自然農法の普及と環境対策に関する人材育成の大きな功績があります。すなわち、同教団がサラブリ県に設立した、自然農法アジア人材育成センターで直接・間接的にEMの研修を受けた人々が10万人余りもいたことです。

その中には、政府や地方公務員、教員、陸軍軍人、仏教関係者や病院関係者が2万人余りもおり、それらの人々がリーダーとなって、より多くの人々にEMの活用を指導したのです。

その他に、陸軍や住宅公社の社会貢献事業として、貧しい農家の自立を支援するため、1日でEM技術がシステム的に身につく研修会があり、年々5,000〜10,000の人々が受講しています。そのため、タイ国ではEMの力を知っている人が200万人以上もおり、マスコミも積極的に取り上げており、農業省も自然農法や有機農業の推進にEMの活用を積極的に進めています。国家レベルのEMの必然性の裏には、このような歴史が存在しているのです。

東日本大震災におけるEMによる衛生対策や放射能対策については、本サイトDNDでその成果を紹介しましたが、昨年の茨城における鬼怒川の大洪水でも、DNDの出口レポートのように顕著な成果を上げています。いずれも被災地外からの支援ですが、幸いにもEMを知っている人々が多く、現場での積極的な協力が得られた成果です。

今回の熊本地震では、一歩前進したEMによる災害後の対応が明確になりました。すなわち、熊本市の河内地区のシステム的なEMボランティアです。河内地区は、本サイトや拙著で度々紹介してきましたが、地域全体がEMを完全に社会化し、潜在的無形資産として活用しています。

比較的被害の少なかった河内地区では、被災後、直ちにEMボランティアを組織し、EMの配布や活動に当りましたが、混乱した現場では、役所も個人にもその受入れ体制がなく、すべてボランティア任せという状況からスタートしました。時間の経過とともに、EM普及協会やUネット(地球環境共生ネットワーク)の支援を受け、必要なEMの供給体制が整い、今では希望するところに対し、かなりのレベルで対応できるようになっています。

このシステムは、一過性の「のど元過ぎれば熱さ忘れる」ものでなく、河内地区全体が「EMを空気や水の如く使うという万全の危機管理体制を常態化」しているために出来たことです。各自治体は、この事例を積極的に取り入れ、日常的にEMを活用しながら、いざという災害に対応することで、被害を最小限にし、復旧を早める力にして欲しいものです。

環境や健康のすべての健全度を支配するマイクロバイオーム(微生物相)

35年も前に、農業や環境は微生物相によって支配されており、人為的に有用な微生物を大量に増やし、常在菌を善玉菌ベースに変えれば、本質的な問題の解決が可能であるという結論に達し、EMの普及に取り組んできました。様々な抵抗勢力が立ちはだかりましたが、研究が進むにつれ、当方の主張は正しく、反論の余地は全くないものとなり、要は使う量と使い方次第と言う結論になっています。世界広しといえ、安全性が確認され、誰もが自由に増やし、あらゆる場面に活用できる微生物資材はEMだけです。

この胡散臭い万能性は、使ってみれば誰でも分かることですが、この万能性は、EMの持つ抗酸化作用と非イオン化作用と有害なエネルギーを整流して、有用なエネルギーに転換する力に支えられています。この機能は、万物に等しく作用し、例外はありません。

災害に強い国づくり

当然の事ながら、EMの密度が高まり、その機能性が作用すると、放射能はもとより、あらゆる有害物質は無害化または分解され、有害電磁波もEMの整流力が高まると無害化どころか、健康や環境に対し、良いエネルギーに転換されます。

この機能は、累積する性質がありますので、EM生活に徹し、マイクロバイオータ(人体の微生物相)や環境のマイクロバイオーム(微生物相)を強化し、すべてを蘇生的な方向に誘導することが可能となります。前号で述べた沖縄で起っている現象は、EMの持つ整流力の応用ということになります。EMを活用し、場のエネルギー(整流力)を高めた場所は、地震や津波や水害が著しく緩和されたという状況証拠もかなり出ていますが、公表をためらっているのが現実です。

気象変動が今の状況のまま続くと、土木建築をはじめ、環境のあらゆる場でEMを水や空気のように使うという方法以外に選択肢はありません。大きな視点で考えると、自然災害の大半は、エントロピーの増大によって引き起こされています。すなわち、エネルギーの状態が秩序を失い、乱れに乱れているということを意味します。

この対策には、非秩序化し有害となったエネルギー(熱汚染)を地球の系外に放出されねばなりませんが、温室効果ガス(炭酸ガス、メタン、窒素化合物ガス等々)が、その流れを緩慢にしています。この問題を解決するには、エネルギーの状態を整流し、エントロピー(崩壊)からシントロピーに転換せねばなりません。そのためには、世界規模でEMを空気や水の如く使う必要があります。耐久性や耐震性に関しても、雷や台風や大雨による衝撃波もEMの持つ整流力でかなり緩和され、実用のレベルに達しています。

EMによる土木建築物は、それ自体が空気や水の浄化、エントロピーの増大防止力があり、道路や堤防等にも、この技術を活用すれば災害抑止的な機能も出てきます。また山林や農地に積極的にEMを活用すれば、マイクロバイオームが蘇生的となり、光合成を含め、植物や微生物による環境保全力が一段と強化されることは、論を待つまでもありません。同時に、そのことが人々の健康を守り、生態系を豊かにし、生物多様性を積極的に保全することにもつながるのです。




■ 参考
☆ EM活性液の作り方はこちら
☆ 米のとぎ汁EM活性液はこちら








(2016年9月9日)





PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)、「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)、「シントロピーの法則」(地球環境共生ネットワーク)など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」(文芸アカデミー)を上梓。2022年(令和4年)春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章した。

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