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連載
妙子さんの花づくり365日
 
トップページ 妙子さんのニューランド紀行 妙子さんに教わる花づくりQ&A 連載を終えるにあたって(編集者より)
第13回
イメージをふくらませてコンテナとハンギングリースをつくろう


もしかして、あの高橋妙子さん? 約10年前、あるガーデニングの雑誌で紹介されたホシギキョウの花壇。あのボリューム感、あの豪華さ。ガーデナー高橋妙子さんの名は、その雑誌を見たときにしっかりとインプットされていたのだが、まさかそのご本人を取材することになろうとは。花づくりの様子を直に見聞きできる喜びに心は躍った。

花好きは誰にも負けないが、悲しいかな花づくりができない記者にとって妙子さんのグリーンハンドは興味津々。どうしたら妙子さんの花づくりの極意を分かりやすく伝えられるか試行錯誤で連載がスタートした。

紫のホシギキョウ一色の花壇
紫のホシギキョウ一色の花壇

まずは、台所から始まるガーデニング。やっかいものの生ごみが肥料に、流せば汚染源の米のとぎ汁が栄養剤に変身する。この2つが強力な資材になって、農薬フリーのガーデニングが実現したのだ。しかも、使用済みの土をEMで再生、使い回しができることで新しく土を買う必要もなくなった。しかし、ここまでは、恥ずかしながら記者もやっている。

問題はこの先で、妙子さんの言葉を借りれば、「普通の人は、苗を植えて花が咲いたらキレイで終わり。種から生命いっぱいに育てることをしない」と。そのためには、土の環境を整え、日差しを考え、水を与える。「水やりを忘れるなんて、植物虐待です!」と、一刀両断の言葉が、覚えのある身に堪える。
米のとぎ汁EM発酵液は、栄養満点の資材
米のとぎ汁EM発酵液は、栄養満点の資材
密生するコンテナ栽培では虫が出ることもあるのでは?という問いには、「手で必死に虫を取りますよ。農薬を使いたくないならそうしてあげないとね」と笑顔で答える。子どものころから、花のない暮らしなど考えられないという妙子さんは現役の美容師さんでもあり、ガーデニングの先生でもあり、子育ては終えたがご主人と2人暮らしの主婦でもある。時間のやりくりがつかない時は、夜鍋の花仕事となる。結構、ガーデニングも体力勝負なのだ。

花を見て不快に思う人はいない。だから、“人を喜ばせたい”“花で一時でも幸福感を味わってもらいたい”と妙子さんは思っている。花づくりのテクニックもさることながら、そんな気持ちがストレートに伝ってくる。

毎年、近所の小学生が総合学習で妙子さんの玄関先にやってくる。みんな、ニコニコしていい顔になる。オーガニックガーデンの気持ち良さは、ことさら説明がいらない。誰もが感じるものだから。

さて、妙子さんのグリーンハンドは、ますます冴え渡っているように見える。ことにハンギングバスケットをつくる手には、まるで花の天使が乗っていて、彼女らが道案内しているようだ。生命を育てることは、愛情をかけて、よく観察し、手をかけること。そう、花づくりではなく花育て。子育てと同じ。何だか、当たり前の結論だが、そうとしか考えられない。

子どもたちのみならず、道行く人が足を止める
子どもたちのみならず、道行く人が足を止める
まずは、好きな花の種を選んで育ててみよう。この両手は、何かを育てるためにあるのだから。惜しげもなく、花づくりの極意を公開してくださった妙子さんに感謝します。
(小野田)

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