EMによる抑制効果は、ベラルーシ国立科学アカデミーがEM研究機構と行った研究でも報告されており、日本国内でも公的機関が成果を明らかにした。
福島県が行った試験概要は以下の通りである。
1.供試資材および試験方法
放射性セシウムを含む土壌に供試資材(マクタアメニティ(株)提供、同社が開発と技術指導を行っているEMオーガアグリシステムの標準たい肥(以下一部についてEM堆肥と表記)を添加し、作物(コマツナ)をプランター栽培することにより、吸収低減効果を評価した。
(1)供試資材および土壌への添加割合
(2)試験方法
手順 ※なお、Ge半導体検出器による測定は、U8容器を使用し測定時間は、以下のとおりとした。 ①土壌:測定時間1,200秒 ②植物体:測定時間1,200〜7,200秒
2.結果の概要
(1)放射性セシウム濃度および移行係数 コマツナの放射性セシウム濃度は、EMオーガアグリシステム標準たい肥、塩化カリを施用した区が無処理区と比較して低く、移行係数は、EM区で0.0007、対照の塩化カリ区で0.0023、無処理区では0.0060であった。
(2)土壌中の交換性カリウム含量 コマツナ収穫後の土壌中の交換性カリウム含量は、EM区、塩化カリ区、無処理区の順で多く、コマツナの放射性セシウム濃度の減少と同様の傾向が見られた。
(3)コマツナの生育
以上の結果、マクタアメニティ(株)が提案し提供したEMオーガアグリシステム標準たい肥の施用によってコマツナの放射性セシウム濃度、および、移行係数が低下した。
(以上福島県農林水産部による福島県民間等提案型放射性物質除去・低減技術実証試験事業 成績書(EMオーガアグリシステム標準たい肥)より抜粋引用
同表は福島県民間等提案型放射性物質除去・低減技術実証試験事業 成績書 (EMオーガアグリシステム標準たい肥)より引用
この結果報告をうけてマクタアメニティ(株)の幕田武広社長は、「今までの当社契約農家の調査実績や独自の分析にかんがみ、おおむね想定内の結果と言えます。今回の福島県の試験設定の制約上、今回は標準たい肥の使用だけに止まりましたが、EM発酵肥料(オーガ1号)、EMセラミックス等をEMオーガアグリシステムの使用基準により使用すれば、さらに移行係数の低下や収量の増加も見込めると思います」とコメントしている。
原子力災害により逆境にあえぐ「ふくしま」が、世界的な農業の先進地になることも夢ではない。(駐在員 石崎弥生)
福島県 農用地等における「民間技術提案型放射性物質除去・低減技術実証事業」の採択及び試験結果
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