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映画「天のしずく〜辰巳芳子“いのちのスープ”」公開始まる

映画「天のしずく〜“いのちのスープ”」が、11月3日、東京都写真美術館ホールを皮切りに全国の劇場で上映されている。この映画は、日本の食に提言を続ける料理家・辰巳芳子さんの手から生まれる「いのちのスープ」を通して、食べ物が生まれる台所から食材が生まれる田んぼや畑まで美しい映像で描く。赤ちゃんのスープ、救護のスープ、看取りのスープ。人は生まれるときから死にいたるまで、海と山の恵みである「天のしずく」がなくてはならない。この辰巳さんの鋭い感性と知性は、日本人の伝統と知恵を失う、底が抜けた日本人の眼をさまさせるに十分な迫力で迫ってくる。「食を整えることは人を愛すること」という、ずっしりと重いメッセージは、これから先、放射能汚染の中で生きることの覚悟をもやさしく伝えている。

その辰巳芳子さんが絶大な信頼を寄せる農家のひとりが、青森県浪岡町のEM自然農法農家の福士武造さんだ。福士さんの一面に広がる黄金色の田んぼが、この映画のオープニングに使われている。辰巳さんが進める大豆100粒運動に加わる大豆畑も、その豊かな恵みを映す。まぎれもなく、日本人を支えているのは、お米と大豆であるという象徴的なシーンだ。この米と大豆を交互に栽培できることを可能にしたのが、福士さんが考案した地下かんがい法で、日本の農業を変える方式と注目されている。まだ、映画を観ていないという福士さんは、「自分の国の食べ物をよその国に6割も頼るなどということは、農家の使命感としてできない。地下かんがい法を使えば、減反などで生まれた休耕田を大豆畑に利用できる。せめて米と大豆は、次世代のためにつくり続けたい。辰巳先生の想いに共感し、日々がんばっているたくさんの農家がいることを消費者にわかってもらいたい」と語っている。

公開にあたり、辰巳芳子さんは、「赤ちゃんが生まれるようにワクワクしている。みなさんの愛で、大きく育って欲しい」と期待を寄せている。

地下かんがい法
地下にパイプを埋めて簡単に給排水を可能にする方式で、従来の地下かんがい法よりも安価に簡単に設置できる。これにより、水田から水を抜き、乾いた畑に変える田畑転換が可能になり、有機栽培で収量があがるという安心安全を求める消費者と農家の両方にメリットがうまれる。写真は、右が田んぼ、左が大豆畑。1年ごとに変わる。

(2012/11/9)

外部リンク
劇場情報などの詳細は、天のしずく公式サイト http://tennoshizuku.com/
ジャパンタイムズに掲載された記事 http://www.japantimes.co.jp/text/fl20121104x1.html
鎌倉上映会(2013年4月26日)のお知らせ http://peatix.com/event/11158/view/tickets

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