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海の日のEM活性液、EMダンゴ投入イベント

7月18日の海の日に、全国一斉EM活性液とEMダンゴ投入イベントが行われました。EM関係者の全国的な連携行事で、今年で2回目となります。この行事は、2009年にマレーシアのペナン州で8月8日に行われた国際EMダンゴ投入記念日に端を発しています。「環境を汚染し続けた私たちは地球に100万回お詫びして100万個のEMダンゴを河川や海に投入します」という願いを込めて行われました。この件については、2年前の秋に述べましたが、その結果、ペナン州のヘドロだらけの海岸はキレイになり、多くの河川が甦っています。昨年も8月8日に行われましたが、50万個程度で十分な成果が上げられたそうです。

すなわち、100万個投入イベントの後、各々のグループが日常的にEMを活用し、学校の環境教育の活動にも定期的にEMダンゴを投入しているからとのことです。もちろん今年もEMダンゴの投入イベントを8月8日に行いますが、この行事はEM関係者の絆を強化する大事な役割を果たすまでに進化し、ペナン州の海や川がキレイになったという評価も高まっています。

3年前にこの話を聞いた伊勢湾、三河湾、熊野灘の浄化活動を続けているEMボランティアの皆さんが、日本でも同様なイベントを行うべきであるという提案があり、早速その年の9月に「伊勢湾、三河湾、熊野灘浄化大作戦と称し、20万個以上のダンゴと30トン余りのEM活性液を投入したのです。

この勇気ある行動が原動力となり、Uネット(NPO法人地球環境共生ネットワーク)を中心に昨年から全国のEM関係者がさらに連帯を強め、キレイで豊かな日本の海、世界の海を目指して、海の日を記念して、全国一斉に行われるようになりました。

昨年は過労がたたって、私は参加できませんでしたが、今年は、午前の早い時間に鈴木三重県知事に十分な時間を取っていただき、三重県におけるEM活動の状況と海の日のイベントの意義を説明し、EMによる県づくりによるボランティアの活用などなどについてお話しする時間もあり、知事も大変前向きの姿勢で対応してくれました。三重県では、津市と四日市市の行事に参加し、午後の後半は名古屋市の「伊勢湾、三河湾、堀川浄化の集い」に参加しました。このイベントには昨年は河村市長が参加されましたが、今年は大村愛知県知事が2時間近いイベントのすべてに参加していただきました。その間にEMによる環境浄化などなどの説明を行いました。大村知事は油ヶ渕や三河湾のEM浄化活動の成果も以前からよく知っておられ、また、河村市長からはEMボランティアのお陰で堀川がキレイになりつつあるというていねいなお礼のメッセージがありました。

その後の反省会で、これまで好意的にEMの成果を報道してきた朝日新聞がEMについての批判的な記事を書いているとの報告があり、四日市大学の松永教授(環境化学)らと福島県の出したEMに対する否定的な見解が載っていました。以下は、その記事に対する私の見解です。

EMダンゴやEMの河川や海の投入に対し現場を検証しない研究者たち

2011年5月28日、朝日新聞(中部版)に、「EMを用いた河川の浄化活動に研究者ら効果疑問視」という見出しで、EMダンゴに窒素とリンが多く含まれるため、赤潮の原因になるとコメントしています(四日市大学松永教授)。

EMダンゴは平成12〜13年、有明海のノリの色落ち対策としての海の浄化に100万個以上も投入されました。その結果、海は浄化され、赤潮は激減し、ノリの色落ちも解消されただけでなく、激減していたアサリやタイラギなども復活し、漁協も積極的にEMを活用するようになっています。今ではEMは海の浄化の決定的な解決策として国内はもとより、海外でも広く応用されています。この10年余り、EMダンゴやEMを投入して川や海が汚れたとか、赤潮が発生したという事例は1件もなく、逆に赤潮の発生は減少したという報告(長崎漁連や瀬戸内海などなど)があり、今では赤潮対策にEMやEMダンゴが使用されるようになっています。

また、東京都の外濠も、50万個余りのEMダンゴの投入で、例年出ていた大量のアオコや赤潮状の汚染は完全に消失し、今では非常時の生活用水として活用できるレベルまで浄化されています。

EMダンゴに含まれるリンや窒素は、EMの体内に取り込まれたもので、汚染物としての窒素やリンではありません。EMが増殖し、ヘドロを発酵分解すると、その分解物は動植物プランクトンのエサになり、それが魚介類のエサとなります。その結果、キレイで豊かな川や海に変身し、水中の窒素やリンも微生物や魚介類に取り込まれ、豊かな生物資源を支える大きな力になります。この物質循環が行われない場合は、リンや窒素は最悪な水質汚染源となります。

また、福島県では、EMのBOD(生物的酸素要求度)を測り、その数値が排水基準より高濃度であるため、川を汚染する物質と決めつけ、その投入にブレーキをかけています。単にBODが高いだけで、その活用を禁止するのは暴論であり、洗剤や石けんの方がはるかにBODが高いことを忘れてはなりません。今やEMは世界の水産養殖で最も多く使われている微生物資材であり、開発から30余年、河川や湖沼や海を汚染したという苦情は1件もありません。

念のため、四日市大学と福島県に、EMダンゴやEM1号液を投入したあとの状況を検証したか否かの確認をしましたが、両者とも、現場を調べておらず、理論的に悪化すると主張するのみで、研究者としての公正を欠いています。EM活動に熱心に取り組んでいる皆様、このような無責任な机上の空論に惑わされることなく、過去の実績を踏まえ、1個でも多くEMダンゴを、1ccでも多くEM活性液を川や海に投入しましょう。

東北全体に広がる牛肉の放射性物質汚染と、その対策

放射性元素セシウム137の汚染は、予想をはるかに超える地域まで拡大し、福島県に続いて宮城県も、すべての肉用牛の出荷が停止となってしまいました。稲わらに限らず、セシウム137が飛散した地域の牧草も、安全基準ぎりぎりのものが多く、そのような飼料を使った場合は、時間の経過と共に内部被曝が進行し、いつの間にか基準値を超える肉になってしまいます。

園芸用の腐葉土からも基準値をはるかに超える放射線が測定され、事故を起こした原子力発電所から、100km以上も離れた地域の牛糞堆肥からも、同じように高レベルの放射線が確認されています。そのため、農水省は腐葉土の使用や牛糞の使用の自粛や禁止の指導を行っていますが、牛を中心とする畜産業界にとっては、死活問題となっています。また、豚や鶏が安心かといえば、水源の汚染がなければという前提条件が必要となってきます。

これまで、すでに述べたように、EMには体内の放射線レベル、すなわち内部被曝を著しく低下させる力があります。また、EMの密度を高め、牛糞などを発酵分解すれば、今のレベルであれば数ヶ月で基準値以下にすることも可能といえます。

幸いにして、EMは畜産用としても登録された微生物資材であり、活用については、法的に何ら問題はありません。飲水には100〜200倍、飼料には、5〜10倍にした良質のEM活性液を使用し、畜舎にも、50〜100倍にしたEM活性液を、臭気がなくなるまで散布を続け、牛はもとより、牛舎をEMづけにしてしまいます。この場合、使用する活性液にEM3号(光合成細菌)を5%くらい添加するとさらに効果的です。

どの期間で、内部被曝が消えるかについては、あくまでも推定ですが、ベラルーシの子どもたちの内部被曝の消失実験の結果から考えると、30〜50日くらいで、基準値以下にすることが可能であると考えています。EM資材は、上手に増やし活用すれば、コストはあってないような安いものであり、違法でもなく国の指導に反するものでなく、農家自身が自己防衛的に行えるものであることを忘れてはなりません。

これまでの技術では、決定的な解決法はなく、一般的には牛を汚染されていない地域に移し、汚染されていない飼料を与え、内部被曝が徐々に減少するのを待つしかありません。小牛ならいざ知らず、出荷の近づいた牛には、とても無理な話です。残された道は、EMしかありません。放射線量は勝手に変わることはなく、現状は増えはしても減ることはありません。EMに効果がなければ、すぐに解ることですし、効果があれば逆にすぐに確認することが可能です。この情報が福島県や宮城県の肉用牛の農家に届き、実行されることを切に願っています。もしも、実行する農家があれば、直にEM研究機構でその対応に当たることを約束します。

(2011年8月1日)

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PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)、「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)、「シントロピーの法則」(地球環境共生ネットワーク)など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」(文芸アカデミー)を上梓。2022年(令和4年)春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章した。


 

 

 

鈴鹿市の海水浴場でEMダンゴを投げるボランティアの皆さん

 

四日市でも一斉投入が行われた

 


大村愛知県知事の音頭でEM活性液を投入

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