EMの中の光合成細菌の重要性
そのため、EMの上手な使い方のコツは、良質のEM活性液をつくり、効果が出るまで使い続けるということになります。EMに効果がないという場合は、この原則に反したEMの使い方をしているに過ぎません。
メタゲノム分析法の発達によって、これまで環境中にいる培養できない微生物の遺伝子解析が可能となり、その結果、私が36年前から提唱している複合微生物による微生物相、すなわち、マイクロバイオームの改善が正しかったという結論となっています。
現今では、腸内の微生物相の改善に対する健全な糞便移植は、数々の難病に効果があるという最先端の医療技術として、また多様な生菌食品が花盛りです。それらの結果は、当然のことながら、微生物が産生する生理活性物質等々の機能性によるものです。
その機能性については、EMの場合、1.抗酸化作用、2.非イオン化作用、3.有害なエネルギーを触媒的に無害化または有用化するエネルギーの転換力(整流力)にあることを25年以上も前から説明しています。それらの件は、放射能の消滅という事実が応用されるという現実となり、今では誰も否定できないレベルに達しています。
光合成細菌が放射能のエネルギーを使う能力があるとか、放射性物質を集める機能があるという件については、多くの実験で証明されています。しかし、放射能を消すということは、少数派に過ぎませんでしたがEMの効果は、まぎれもなく光合成細菌の存在と不可分のものです。
EMの光合成細菌の増強法
極めて初歩的な平板希釈法という微生物の検出方法では、光合成細菌が検出されるのは、EM・3のみで、EM・1やEM・2からは検出されないため海外を含め多くの研究者からEM・1とEM・2には光合成細菌は居ないのではないかという指摘がありました。
確かに、そのレベルの分析法では、その通りですが、私の答えは以下の通りでした。「EM・1はpHが3.5以下という強い酸性下にあるため、光合成細菌はシスト状態となり、休眠的になっており、施用後に発芽的に再生し、増殖します。この場合、乳酸菌や酵母等は、その作用を著しく増強しますが、糖蜜等で活性化(培養)し太陽に当てると赤くなります。この時点で調べると光合成細菌は多数検出されます。それでも不可であればメタゲノム分析をしてください。」というものです。
本来EM・1は活性化(培養)して大量に使うという活用法が基本になっていますので、種菌的なEM・1から初歩的手法で光合成細菌が検出されなくても、EM活性液に存在すれば、または、施用後の環境で増えておれば、十分にその役割を果たしたことになります。
福島の原発事故をきっかけに、EM中の光合成細菌の機能を強化する必要から、種々の増強法を提案してきました。その第1はEM・1を海水で培養し、光合成細菌の増殖の阻害要因である雑菌の抑制です。その次は、それらの活性液に直射光線を当て35℃以上にする。光が不足な場合は白熱光を中心に可能な限り強い光を当てる。1〜2週間後、EM活性液が当初の橙色から赤味を帯びた段階で使用する。第3は木炭や燻炭等、整流力の強い炭素やシリカを含む材料と併用するということです。
当然のことながら、EMダンゴにも海水で活性化したEMを活用し、さらには炭を20〜30%添加し、2〜3m間隔で埋め込むと、放射能の消失が著しく促進されるということです。前号(第102回)の福島からの事例報告は、このような方法を実行した結果です。光合成細菌を当初から高めたい場合は、EM・3をEM・1と等量添加します。
これらの方法は、すべて公開されていますが放射能対策だけでなく、作物生産やあらゆる環境汚染対策や有機物のリサイクルに著しい効果を発揮します。
これまでも、本シリーズで様々な限界突破現象を紹介し、それを多くの人が実行し、極めて満足すべき結果を得ています。EMのさらなる効果を期待し、さらなる安定的な活用を望む場合は、EM中の光合成細菌の増強は不可欠であることを忘れてはなりません。
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