第6回 EM柴田農園直伝 定植後のトマト管理とEMボカシの仕込み 〜水を得たトマト達
5月14日に定植したトマトはその後3週間、一度も水も肥料ももらえず、いわゆる「飲まず食わず」で過ごしてきました。 きっと水や肥料が欲しくて、根をたくさん伸ばして頑張ったと思いますよ。 6月5日現在、第1花房の実も大きいものではピンポン玉ぐらいになり、第3段花房の花が開花したころからトマトさんたちの生活が一変です。 これまで禁断だった水と肥料の散布を定期的に行います。
「トマトはあまり水をあげないんですよね?」という質問をよく受けます。 トマトは水を切らして栽培するイメージがあり、それを真に受けて水をあげずに枯らしてしまった方もいるようです。トマト栽培は長期間に及ぶので、高糖度なトマトなど特別な栽培を除き、水の管理と追肥のタイミングがとても重要です。
6月5日に1回目の追肥。これから秋までの間、2週間に1度のペースで1uに対し塩100g、EMボカシ100gをあげます 塩はもみ殻くん炭と混ぜて「ごま塩」のようにします 塩とEMボカシは通路に撒きます
3週間も水をあげなかったので、ハウスの中は乾燥してカラカラです。 トマトさん達の「水が欲しいよ〜」という声が聞こえて来るようです。第3花房のつぼみを観察し、何本か花が咲き始めた時から肥料と同時に灌水も始めます。今年は6月5日からでした。 灌水は、EM活性液50倍希釈液をトマト苗木1本につき2〜3リットル。梅雨明けまでは1日おきに、梅雨明け後は毎朝あげます。 上の写真では分かりづらいかもしれませんが、黒マルチの中に灌水チューブが入っていて、水がまんべんなく行き届くように工夫しています。肥料を撒いた通路とハウス内全体も灌水されます。 病害虫から守るために葉面散布も欠かせません。専用の動力噴霧器でEM活性液50倍希釈液をできる限り朝晩散布します。
トマトは高温多湿の気候が苦手で、特に大玉トマトは病気になりやすい品種です。生産農家などはハウス栽培が一般的ですが、家庭菜園でも雨よけ栽培をお薦めします。露地栽培の場合は、比較的病気に強いミニトマトが良いでしょう。また、高畝にしてマルチを張ったり、周りの水はけをよくする工夫をしましょう。
わき芽はできるだけ小さいうちに取るようにしています。 誘引は距離を保つため斜めに。そして、風などで折れないように花房を通路側に向けて、こまめに誘引していきます。 水分が多い午前中は枝や葉が折れやすいので、誘引作業は午後からするのがおすすめです。
EM柴田農園のボカシのつくり方
EMボカシはトマトの肥料だけでなく、その他の野菜の有機肥料として、また生ごみ処理にも使えます。 EMボカシづくりは大人でも夢中になれる、とても楽しい作業です。終わった後、手はすべすべし、気持ち爽やかになりますよ。
私の農園では、EMボカシを毎年6月上旬につくるようにしています。 発酵させるためには温度と日数が必要なので、6月上旬の暖かいこの時期が最適だからです。 梅雨明け後は暑くてつくるのが大変ですよ。梅雨入り前の天気の良い日に仕込むと作業が楽です。
ボカシには、主に生ごみ処理に使用するT型ボカシと、農業用としての肥料成分を加えたU型ボカシがありますが、私の農園ではT型ボカシしかつくりません。予算の都合もありますが、大量の枯れ草ボカシ(堆肥)を使っているのでT型ボカシで十分に肥料成分が足りていると考えるからです。T型、U型の詳しい作りかた手順はこちらを(EMボカシのつくり方)参考にしていただき、今回はその一例としてEM柴田農園のつくり方を紹介します。
EMボカシの材料、米ヌカ・EM活性液・もみ殻。これらを混ぜ合わせますが、私の農園では小型のコンクリートミキサーを使って攪拌します ミキサーに米ヌカを入れ、その後にEM活性液を浸みこませたもみ殻を投入、攪拌します 厚手のビニール袋に10sずつ袋詰めして、米袋の中に逆さまに2段にして1年間寝かせて発酵させます。 空気を遮断、密閉保管します
EMボカシづくりのポイント
次回は、いよいよ始まるトマトの収穫について。 また、これまでEMを活用したトマト栽培について説明してきましたが、次回はトマトの素晴らしい秘密についてもお話しします。 トマト大好きな方は必見、必読!
定植から約1ヶ月後(2021年6月17日)のトマトは、第5花房がつぼみの状態。
Copyright (C) Eco Pure All Rights Reserved.