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アミノ酸が決め手!野菜がおいしくなる、EMボカシ?!

こんにちは、EM研究所の今村です。
講習会などで、直接お目にかかっている方もいらっしゃるかと思います。
この連載では、これまで講習会でお話しした中から選りすぐりのテーマをお伝えしていきます。
第1回は、EMボカシについて。
ボカシの色の変化って不思議ですよね。
皆さん、『どんなボカシの色が良いの?』って思ったことがあるかと思います。
そんな疑問の一つの答えになれば嬉しいです。

◆茶褐色になるボカシについて

ボカシは、長期熟成させると茶褐色になりますが、仕込んだばかりのものは白いですね。この茶褐色になる現象は、発酵物の中の糖とアミノ酸が反応して起こります。味噌や醤油をつくるときと同じ現象です。この茶褐色の物質は、「メラノイジン」と呼ばれ、抗酸化作用を持つ物質です。この「メラノイジン」をつくるための糖とアミノ酸はどこからくるのかというと、微生物が発酵していく過程で、米ぬかや魚粉、油粕の中のデンプンやタンパク質から作られるのです。

微生物の発酵過程で茶褐色になる

アミノ酸にもいろいろな種類がありますが、『ボカシの中でどんなアミノ酸がどれだけ作られたのか』を調べたのが、『<表1>EMボカシのアミノ酸含量』のグラフです。

黄色は白いボカシ、茶色は褐色に変化したボカシです。すべてのアミノ酸を合計して比較すると、茶褐色に変化したものは、白いものの約3倍近くになります。結果として、茶褐色に変化したボカシは『アミノ酸が高く、抗酸化機能に優れたボカシ』だと言えます。



◆アミノ酸の種類と作物への影響

アミノ酸の種類によって、作物の生育に与える影響が異なります。下の画像は、東京大学大学院農学生命科学研究科、二瓶直登准教授の『アミノ酸が根の姿を変える(現代農業2011年10月号掲載)』から、アミノ酸の違いがイネの根に与える現象の研究結果をお借りしたものです(画像転載使用許諾済)。グルタミン、アラニンというアミノ酸は、根を伸ばす効果が高いようですが、セリン、バリンといった物質は、逆に根の発達を抑制していることが分かります。
アミノ酸別 根張り比較 二瓶先生引用画像
そこで、ボカシの中のアラニンとグルタミン酸の成分量を見てみると(<表1>EMボカシのアミノ酸含量』のグラフ参照)他のアミノ酸よりも多く含まれていることが分かります。つまり、褐色のEMボカシは、根の発達を促進するアミノ酸の割合が高く、逆に根の伸長を阻害するようなアミノ酸は少ないと言えます。特に、熟成されたボカシにおいては、アミノ酸含量が高くなるためさらなる効果が期待出来ます。

皆さんもアミノ酸たっぷりのEMボカシを作ってみて下さいね。
最後に、良いボカシをつくるための4つのポイントをご紹介します。



良いボカシをつくる4つのポイント
  1. 水分量を調節する
  2. 乳酸発酵しやすくpHの下がりがよいのは、水分量40%前後です。材料の米ぬかに15%くらいの水分が含まれているので、添加する水分として、重量の20〜30%程度のEM糖蜜混合希釈液(以下、希釈液)を準備します。
    ※ 米ぬか 10kgに対し、希釈液 2〜3L。
    EMボカシの水分量のグラフ

  3. 初期温度を確保する
  4. 夏期などの暖かい時に作製するのがオススメ。
    発酵の初期1週間は、30〜35℃で保温しましょう。

  5. 希釈液は2〜3日前につくる
  6. EMボカシを作製する2〜3日前に希釈液を準備しておくと、微生物の密度が高くなるので、失敗のリスクが減ります。

    emボカシ
  7. 熟成をかける
  8. EMボカシは、長期間(半年以上)熟成することによって、状態が安定します。
    タッパーやプラスチック容器、または厚手のビニール袋に仕込むのがオススメ。

    EMボカシ成功例、失敗例 比較

    米袋や発砲スチロールは通気性があるため、発酵容器としては不向きです。
    ビニール袋もねずみに穴を開けられないように、充分注意して下さい。
    空気が入るとカビが発生し、腐敗しやすくなります。
    しっかり密閉できる容器で保存しましょう。

    EMボカシ 仕込み容器

    それでは、次回もお楽しみに〜!

    教えて 今村さん <基本のボカシの作り方はこちら>
    EMボカシT型の作り方
    EMボカシU型の作り方


教えて今村さん 第2回『植物の活力がUPするのはなぜ? EM7の特徴とミネラルのこと』

PROFILE
今村公三郎(いまむらこうさぶろう)
琉球大学大学院農学研究科生物生産学専攻 修士課程修了。
大学在学時、比嘉教授に師事し、EMを活用したより良い無農薬栽培を志す。卒業後、公益財団法人自然農法国際研究開発センター国際課に4年半在籍後、株式会社EM研究所に入社。以来、EMの研究製造開発に携わり、今日に至る。オススメのEM活用方法は、『トマト農家さんのための青枯病、萎凋病対策』(EMを使って土壌改良 トマトの病気が大幅ダウン)。クロルピクリンを使用しない青枯病対策に力を注ぎ、伊豆のトマト農家さんの収量増加に貢献。得意なモノマネは平泉成。

(2019年6月28日)

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