2015年「ノーベル生理学・医学賞」を受賞した大村智北里大学特別名誉教授が綴った感動のエッセイ集。「歴史に思う」の中で、「歴史を学び、かつ昔を偲びながら現在を顧みると、現在を生きる生活の知恵を学べ、明日への指針を見出すことができる」として、通勤中に一気に読んだ「微生物が文明を救う」(比嘉照夫・渡部昇一共著)に触れ、「一農学者によって、化学肥料を使う以前の農業の中にあった人類の知恵が歴史から抜け出し、再び役立とうとしているのである」と結んでいます。化学肥料がなかった時代、農家が苦労して作ったたい肥の知恵は、複合した微生物(EM)であり、化学肥料によって疲弊してしまった土壌を改善するのもEM技術だと看破し、自然の答えに耳を傾けるよう促しています。