山形県朝日連峰の麓で1000羽のニワトリを飼う自然養鶏家の日々の暮らしを柔らかな感性で描いたエッセイ集。ニワトリへの優しい眼差しの奥にある著者の近代社会のあり方への鋭い批判精神がじんわりと迫ってくる。多くのニワトリは土から離され、空をも飛べない。「ニワトリ」「たまご」そして「いのち」。身近な「たまご」から農業や社会を考える好書。