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EcoPure56号掲載 エコピュア56号 1ページ目 エコピュア56号 2ページ目 エコピュア56号 3ページ目
有機農業を次の世代へ
知事 山下さんが出版された「超かんたん 無農薬有機農業」(農村報知新聞社)の帯に、以前私は推薦文として「有機無農薬農業に先進的な取り組みをしている山下一穂さんに注目しています。就農希望者を個人で受け入れているというお話をお聞きし、僕の選挙公約に、有機無農薬型の生産者に向き合い専門的に取り組む部署をつくること、そのための技術者を育てること、有機無農薬型を志す農業者のための研修の機能を充実させることなどを加えました。特に研修の面では山下一穂さんに、ぜひともお役に立っていただきたいと願っています」などと書かせていただきました。
山下 あの本で私は、自分の栽培技術をオープンにしました。するとプロの農家の方をはじめ、いろんな技術情報が集まるようになりました。それを生かしていくことが大事だと考えています。
知事 山下さんのような実践者に、行政や専門家が加われば、技術の確立と革新がこれまで以上に進むことが考えられます。
山下 そのためにもこの自然塾を必ず成功させたいと思います。毎年卒業者が増え、そのネットワークが地域を変えていくと思うのです。
知事 そうなれば有機農業の新しい展開が広がっていくでしょう。高知の大地のために、次の世代のために、ぜひ成功させなければなりませんね。
(※有機のがっこう「土佐自然塾」の案内パンフレットに掲載されている、高知県知事橋本大二郎氏と土佐自然塾塾長山下一穂氏の対談から抜粋)

ここから、農業に新しい風を
(7月23日・記念式典の来賓挨拶から)
日本全体を巻き込んだ大きな取り組みに 広田一 民主党参議院議員
広田一 民主党参議院議員 先日講演会で養老孟司さんが、「地球の自然環境は本当に危機的な状況にある」と警鐘を鳴らされていたのが心に残っています。私は今、病院等で医療費についてご意見を聞いていますが、医療費を含めた社会保障費は毎年1.3兆円ずつ増え続けているのが現状です。この問題や養老さんが抱かれている危惧を打開する1つの方策が、EMによる有機農法であり、このたびの自然塾であると思います。体に安心安全な野菜をつくり、健康を維持していく。これですべてが解決するわけではありませんが、環境保全、医療費の削減といった大きな目標に一石を投じる試みに間違いありません。また、この塾で学んだ方々が、地域に根付いていくことが、中山間地域の活性化にもつながるでしょう。高知県だけでなく、日本全体を巻き込んだ大きな取り組みに育っていくことを期待しています。
豊かな自然と塾長の技術で素晴らしい塾に 式地寛肇 高知県議会議員
式地寛肇 高知県議会議員 中山間地域のキレイな水や空気に山下塾長の技術をマッチさせることで、素晴らしい塾にしていただきたいと思います。また塾を卒業された方々には、ぜひこの地域に定住し、地域のリーダーとして活躍していただきたい。県全体のイメージアップにつながるような活動を期待しています。
画期的で元気なプロジェクト 西村卓士 土佐町長
西村卓士 土佐町長 自然塾は休眠施設を上手く活用した、画期的で元気なプロジェクトです。これを確実に成功に導くためには、管内の町村やJAとの連携が必須。そして生産物の流通や販売網も構築していかなければなりません。行政の立場としては、卒業生が1人でも多く地域に定着していただくための条件づくりをしなければならないと考えています。

美しい日本の再生を

◆有機農業のすそ野を広げて
私は就農当初から、有機農作物には潜在的需要がかなりあると感じていました。その掘り起こしや有機農業への参入を容易にするためには、「技術情報を徹底的に公開すること」だと思い、私が経営する農園での栽培方法や、時には日常生活までつつみかくさず公開し、メールマガジンでも意見を聞くなどしてきました。こうした試みが農業従事者だけでなく消費者の賛同も呼び、農作物の直送希望者が増えたり、『援農隊』というボランティアで農作業に参加する有志の輪ができたりと、反響が広がっています。
  自然塾でも、有機農業に関心を持つ人たちが自由に出入りできるよう、農作業実習はオープンにし、また土日は塾は休みですが、学びたいという人がいれば、個人的にでも対応するつもりです。それもこれも私には「この国に有機農業を根付かせたい」という熱い思いがあるからです。
土佐自然塾長 山下農園代表 山下一穂
◆家庭菜園が出発点
昭和25年に高知市に生まれた私は、高校時代はバンド活動にのめりこみました。大学進学のため上京しましたが、授業には出ずドラマーとして銀座や新宿等のナイトクラブ、ディスコに出演する日々を送っていました。でも次第に肉体的な苦痛や業界のしがらみに耐え難くなって帰郷。その後は母が経営する学習塾で教師として働き出し、生徒や保護者からそれなりの評価をいただいていたのですが、30代半ばからしばしば体調を崩すようになり、自然と無農薬野菜等の体によい食べ物に目を向けるようになっていました。そして40歳の時に実家を継ぎ、家の前にあった90坪程度の畑で家庭菜園を始めたのが、有機農業を始めるきっかけになりました。
「同じつくるならいいものを」と当初から有機農業にこだわっていましたが、1年目、2年目は経営的に厳しく、3年目にようやく黒字化してから、思うように作物が育てられるようになりました。就農7年目を迎えた現在では、野菜の配達先の家庭は170を超え、県外にも100件以上発送しています。年商も1000万円を超え、従業員を雇えるまでになりました。
◆夢は『文化による世界貢献』
 慣行農法でやっている農家に有機農業への転換を薦めても、有機では美味しいものがつくれないし販路もないでしょうという反応が返ってきます。でも実際は有機でも美味しいものはつくれるし、膨大な販路だってあります。山下農園でも生産が需要に追いつかないほどです。
  また有機を核とすることで、農業だけでなく畜産業、林業、水産業等の一次産業が横断的につながり、地域の経済活性化、人口の地方への再移動を促すことになります。新規就農者の受け皿となり、過疎・高齢化の解消を果たす−。これぞ、「田舎からの国造り」だと考えます。
  これまで有機農業の普及があまり進まなかったのは、模範となる体系的な技術が知られていなかったからです。塾では私の技術をオープンにし、誰もが高品質かつ収穫量の見込める有機農業ができるようになることをめざしています。
  そして塾の方向性を定めるには、地域や県、ひいては日本や世界全体を俯瞰視することが必要です。自分たちが創ってきた社会、その社会がいいのか悪いのか、悪いならどういう社会を創ればいいのか。こういうことを考える時、描く景色がバラバラでは前向きな議論ができません。共通意識として、「かつての美しかった日本を取り戻す、それができずに死ねるか」というぐらいの意識を持ちたい。国として有機農業を確立できれば、世界の飢餓・貧困を救い、武器ではなく文化で世界に貢献することができます。自然塾はその第一歩を記そうとしているのです。

有機農業の大きなうねりを全国へ
山下修 NPO法人黒潮蘇生交流会理事長
「塾を日本の有機農業の発信基地としたい」。山下理事長自身も以前から、EMを活用した有機水稲栽培に取り組んでいる
NPO法人黒潮蘇生交流会は今年で活動4年目になりますが、これまでEMを活用し、河川や海、プールの浄化活動等に取り組んできました。しかし、河川に注ぎ込む水は山間部を流れる間に、田畑で使用した農薬や化学肥料によって汚染されてしまうため、いくら熱心に浄化活動に取り組んでも思うような効果があげられませんでした。河川や海、生活環境の浄化には田畑の改善が根本となるー 。そう考えたのが有機農業の学校を構想したきっかけです。
  まず県が協力をしてくれたこと、有機農業のノウハウをすべて公開してもいいと言う山下一穂さんの存在、使われていない設備や土地があったこと、こうした好条件に恵まれたことが、塾設立にこぎつけられた大きな要因です。
  有機農業に挑戦してみたいが方法が分からないという方は多いですが、塾ではそんな方々に基本から教えます。研修生は全国から募集しますが、卒業後もできるだけこの地域にとどまり、地域活性化に貢献していただきたいと考えています。
  この塾から全国に向けて、有機農業の大きなうねりを起こしたいという熱い思いがあります。ただ運営資金はまだまだ充分とはいえません。私たちの志に賛同いただける皆さまには、資金や資材等のご提供にもぜひご協力いただきたいと思います。 

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