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美しい日本の再生を
有機の学校 高知県に来春開校
「自由は土佐の山間から」−。かつて近代日本の夜明けを告げた、板垣退助らを中心とする自由民権運動。その原動力となったのは、 高知県の山間部から沸き上がった庶民のエネルギーでした。
21世紀、その地から今度は日本の農業に大きなうねりを起こす活動が始まります。

 来春、県北部の嶺北地域に開校する『有機のがっこう 土佐自然塾』。県とNPOが協働して、農薬や化学肥料を使わず体にも環境にもやさしい有機農業を教えるという学校です。有機農業の実践者を増やすことで地域の環境浄化や活性化、ひいては日本農業の発展につなげることも見据えています。
まさに、「有機は土佐の山間から」ー。有機立国をめざす山間部の取り組みに、夢と期待が膨らみます。  

(大山)

有機のがっこう 土佐自然塾
高知県の中山間地域を横断する国道439号線。四季の移り変わりが肌で感じられ緑があふれるこの沿線に、土佐自然塾は開校します。
◆実を結んだ知事への提案
看板の文字は橋本知事の直筆 画像
看板の文字は橋本知事の直筆
塾設立は、昨年、橋本大二郎高知県知事がこの地域で開いた地域住民の意見を聞く会で、有機農業の実践者、山下一穂さんが「有機でつくった作物は潜在的に相当な需要がある。有機農業を地域産業に育てたい」などと、意見を述べたことがきっかけになりました。その後NPO法人黒潮蘇生交流会(山下修理事長)が、使われなくなった大工の学校を有機農業の学校として再生させる計画を進め、昨夏には正式に県が採択。県とNPOが協働で有機農業の学校を立ち上げることになりました。
県とNPOが結んだ協定では、「研修が特定の農法に偏らない」、「無農薬の県認証や有機JASの認定をめざす」、「公開講座などで地域農家との交流に努める」ことなどを確認し合いました。開校後はNPOが収支や研修生、施設の管理等を、県が技術支援を主に担当することになります。すでに県は塾の開設準備に1230万円を補助していますが、今後も地元行政や農業公社などと連携し、卒業生の就農支援等にあたる予定です。
  座学の教室となる校舎やその隣の宿泊施設は、休校中だった大工養成学校を改装して利用。すぐそばにある実習用の農地は、町有地約4500gを借りて整備しています。実習は塾長を務めることになった山下一穂さんが保有する農場などでも実施されます。宿泊施設は約30人まで利用できますが、「きめの細かい指導を行いたい」(山下塾長)という思いから、初年度の研修生は10人、最大でも15人までとし、定数を超える応募があった場合は選考する予定。1年を通し300時間の座学に加え、栽培技術等の実習を重ね、有機農業を実践できる人材を育てあげるのが目標です。
  生産された農作物の流通については、「県内外で販路は確保しているが、将来的には生産法人を設立し、流通網を拡大していく」(山下理事長)方針です。さらに「技術やマーケティング面だけではなく、なぜ有機農業が必要なのか、その存在価値についても教えていきたい」(山下塾長)と意欲を見せています。
◆有機農業のすそ野を広げて
7月23日には関係者約200人が出席し、塾の開設記念式典が開かれました。当日は校舎や農地の見学会のほか、山下理事長らによる記者会見、山下塾長の記念講演等が開かれ、出席者に有機農業の重要性をあらためて認識させる有意義な場となりました。
  来賓として挨拶した橋本知事は、「農業にたとえて言うなら、この塾はようやくビニールハウスができた段階だが、来春には“芽”にあたる研修生が入って来られる。塾がやがては全国に向けて有機農業をアピールしていく存在になればと思う。そのためにも、地域の方々にはぜひ温かく見守っていただきたい」と期待を述べました。
  国内の農業の現場では急速な高齢化が進み、また一方で作物の生産量は減少傾向、輸入量は増加傾向にあります。有機農業のすそ野を広げ、作物の自給率をあげていくこと。この塾には、そんな大きな役割の一端を担うことも期待されています。
宿泊寮 外観 宿泊寮 内装 宿泊寮 内装
老朽化し傷んでいた宿泊棟は、以前ここで学んでいた大工の学校の卒業生のボランティアによって修復された

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