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第16回全国EM技術交流会 北陸大会in福井
豊かで美しい地球を 未来の子どもと孫たちのために

米どころ福井で
第16回全国EM技術交流会北陸大会in福井が2月26日、越前町朝日多目的ホールで比嘉照夫教授を迎えて行われた。全国各地からEM技術を活用する自然農法実施者や環境浄化のボランティアら延べ約850人が集い、EM技術を学び合うと共に互いの交流を深めた。この大会は平成8年より毎年開催され、EM技術の研鑽・普及の場となっている。

今大会は、北陸大会in 福井実行委員会(実行委員長・田中敏幸福井県会議員)が主催。


 EMに期待したいと述べる
 福井県知事
福井県・越前町・NHK福井放送局・福井新聞社・FBC福井放送・全国EM普及協会・(財)自然農法国際研究開発センター・(株)EM研究所が後援した。

無形文化財の越前太鼓「明神囃子(みょうじんばやし)」で開幕し、西川一誠福井県知事など来賓らが挨拶。その中で、ツルネン・マルテイ参議院議員はTPP(環太平洋経済連携協定)加盟問題にふれて、「慎重に検討しなくてはならないが、この危機をチャンスにかえて有機農業の推進をはかることが大切だ」と話した。

ご飯を食べて農業を守る
基調講演「みんなで考えよう日本の食べ物の未来」では、保田茂神戸大学名誉教授が登壇。「今朝、何を食べた


 食の大切さを訴える
 保田教授
?」から始まったユーモアあふれる話の中で、「自給率の低下は日本人が食べ方を変えたからで、本気で日本の農業を次世代に残したいならば、昭和55年ごろの食生活に戻し、ご飯を食べることによって減反を押しとどめ、青々した農村の風景を取り戻すしかない」と語り、「1人の農家を50家族が支えれば、農家の経済的自立が可能だ」との試算を披露した。また、どこの国も経験したことのない65歳以上が人口の3割になる超高齢化社会に日本が突入することに触れて、「高齢者が心身共に元気で働き続けられることが、若者が安心して子どもを産める社会をつくる。その鍵は、環境の再生と安全良質な食べ物をつくる農業の再建しかない。だから、明日の朝はご飯食べてね」と呼びかけると、会場には「は〜い」という大きな声が響いた。

元気な農業が日本を救う


  優良事例集を紹介する
  比嘉教授
その後、事例発表が行われ、4人がそれぞれの体験を語った(要旨別掲)。最後に講評を行った比嘉照夫教授は、「今日の発表の中に日本農業の答えがある。人のために役立つ農業は国民的資産。農産物に補助金をつけるのではなく、日本の環境を守ること、日本人のいのちを守る社会的使命に対して直接支払いをすれば、TPPも怖くない。さらにEMで土を育てるという発想を強めていくことが大事」と述べた。また、石川県小松市のし尿処理場や新潟県能生町の能生浄化センターの取り組みにふれて、「EMを使えば、低コストですばらしい汚泥堆肥ができ、海や川の浄化に結びつく。こうした画期的な事例を全国に発信してほしい」と結んだ。

元気な農業が日本を救う
なお、次回の同大会は平成24年11月に北海道で開催される予定。第16回全国EM技術交流会北陸大会の優良事例を掲載した冊子は、北陸EM普及協会(TEL:0776-27-6955)などのEM販売店、およびEM情報室で発売中。

[事例発表要旨]
水稲栽培におけるEM活用
大規模経営で高品質と作業性を追求
吉田道明 (滋賀県長浜町)



 会場で長寿米を紹介する吉田さん
30歳で飲食業から稲作農家に転職。水田28haを耕作、内12haを無農薬・無化学肥料で栽培している。食味がよく健康で長生きする米を追及して「長寿米」プランドを確立した。良質な米を大量生産して適性価格で販売することを目指す。琵琶湖を浄化する気構えで、自然に即した農業を行う。そのためにEM活性液を大量につくる技術と大量に撒く技術の開発に取り組みたい。

※吉田さんは、2008年全国米・食味分析鑑定コンクールの若手農業経営者部門で金賞。第37回(2009年)毎日農業記録賞で「かっこいい農業を目指して――本物のお米を作るーー」が優秀賞を受賞している。
吉田さんのサイト http://www.eonet.ne.jp/~michi/

次世代の若者が実施できる有機栽培
和田俊道 富山県小矢部市(富山れんげの会)



  EM研究所技術提携農家の和田さん
水田10haのうち約3haを有機で栽培。約10haの畑で有機タマネギや有機はと麦栽培に挑む。長男が就農をしたことから市の2代目経営基盤担い手育成実験事業に参加し乾燥調整施設などを設置。くず大豆、くずはと麦などをペレットにして畑に返し、循環型農業を行っている。簡単に有機農業をできるようにボカシの製造法、ペレットを撒きながら同時に除草できる除草機などを開発している。種子はすべて自家採種。「向上心をもって楽しい農業」を目指す。

※和田さんは、1995年に魚津市で行われた比嘉教授の講演会に仲間の運転手として同行し、会場の片隅でEMの話を聞いたことをきっかけに有機農業に開眼。以来、研鑽を積み、今回の発表となった。

畑作栽培におけるEM活用
品質向上を目指したサトイモの連作栽培
山村喜一郎 福井県大野市(大野有機の会)



  栽培は奥さんと二人三脚で山村さん
サトイモ70a、水田2ha。いずれも有機JAS認定ほ場。サトイモは通常7〜8年の周期で栽培しないと連作障害が起こり、現在日本の収穫高は減少傾向にある。しかし、EM発酵鶏糞やEMボカシ、EM活性液をふんだんに施用した土づくりによって、10年連作を可能にした。育苗は行わず40cmの高畝に10円玉程度の種芋を直接に植える。黒マルチで土を裸にせず、根元に草を敷くなどして土を乾燥させないなど健康な育土を行っている。

※山村さんは、農水省の有機農業モデル地区に選ばれた大野地区の有機農業リーダー。サトイモは、越前大野特産有機里芋「里こちゃん」の名前で流通され、味のよさで好評を博している。また、山村さん栽培のコシヒカリ有機玄米は、「つや」「香り」「甘み」のすべてにおいて高品質と評価されている。

市民運動におけるEM活用
生ごみリサイクルから環境学習まで
木下美恵子 福井県越前町(朝日生ごみリサイクルネットワーク会長)



  木下さん(左)と楽々EM農法を実践する
  福井市の三上貞子さん
2005年旧宮崎村での「越前環境フェア」開催を機にネットワークが発足。「生ごみを土に戻す」と「川や海の水をきれいにしよう」の2つをテーマに会員約200人が参加して、生ごみリサイクルから環境教育まで多彩な活動を行っている。ことに生ごみリサイクル堆肥を用いた家庭菜園に力を入れ、できた野菜は火、土曜日の週2回活動拠点の店舗で汎愛されている。また、越前町の予算でペットボトル500ml入りのEMW100倍液を無料で配布している。製造を行うのは、越前海土里の環境ネットワークで、このEM活性液は朝日小学校のプールやトイレ清掃に使われている。

※200人の会員、32人の役員をひっぱるリーダーの木下さんは元校長先生。「いろいろな人にいろいろな役割を担ってもらえばすごい知恵が出てくる」とボランテイアの極意を語っている。これからの抱負は、「個人でのリサイクルでは限界がある生ごみ堆肥化を町ぐるみで行いたい。そのためにどうしたらいいか、行政と一緒に考えたい」とのこと。挑戦は続く。

2011年3月8日

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