三浦半島EM研究会(会長・川島勝徳)は、比嘉教授を招いてのEM農法勉強会を年1回行っている。今年は15回目にあたり、これを記念して地域の農業者などに呼びかけて公開勉強会を実施したもので、来賓を代表して、海の浄化にもEMを活用する三浦市の杉山実副市長が、「50年後を見据え、都会の食の安全を守るためにも、市民と行政が力をあわせて農業、漁業の発展に取り組んでいきたい」と挨拶した。
続いて、紀ノ国屋商品政策部生鮮商品課の野上正彦課長が、「医食同源のコンセプトに食材を吟味して販売しているが、EM栽培の野菜はお客様にも好評」と話した。また、有機農業推進議員連盟事務局長のツルネン・マルテイ参議院議員が、「有機農業推進法は、現場主義をとり、下から積み上げていく法律。議員も自然農法の試験所を視察するなど、現場の意見を積極的に聞いている。現在、国内生産率が1%の有機農業を、5年後には50%にしよう」と、いずれも有機農業を普及する上でEMが果たす役割に期待する思いを語った。
有機農業の醍醐味と農業の未来を語る
川島義徳さんは、三浦半島に暮らす900軒の農家の問題を整理し、スイカやダイコン、メロンといった特産品にこだわらずに需要の多いナス、トマトなどの作柄に変えることで、収入の安定をはかり、持続可能な有機農業をめざしたいと抱負を述べ、「安価で使いやすいEMは効果的で、多少の病気がでても作物に影響は少なく、収穫量が増える」と体験を語った。
「『農業』をやめなさい」!?と比嘉教授
参加者からは「目からウロコが落ちた。これから、また、農作業がおもしろくなりそうだ」との声が上がった。また、三浦野菜を販売する東京デリカフーズや、「びっくりドンキー」など外食産業を全国展開する株式会社アレフの関係者も、「直接、EMの開発者の講演を聞いて認識を新たにした」と驚きの声をあげた。
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