全国から有機農家がそれぞれの作物や加工品を持ち寄ったファーマーズマーケットや、「はじめる自給!チャレンジ」をテーマにしたお米、お味噌、自然酒、地ビールなどが並ぶフードコーナーが人気を呼んだ。また、会場内のごみは回収せず、マイバッグとマイ食器持参。太陽光発電機、ソーラーパネルを纏ったトラックを使用するなど、徹底したクリーンでエコなイベントとなった。
今年は、金子美登さん(NPO法人全国有機農業推進協議会理事長/霜里農場代表)が基調講演を行い、22年かけてつくりあげた有機の集落づくりへの経験を語った。午前は小音楽堂で新規就農したフレッシュな7人の若手有機農家が、午後は有機農業をひっぱるエネルギッシュな有機農家4人がステージにあがり、自分たちの暮らし、農業への想いを参加者に語りかけた。
土と平和の有機農業セミナー なぜ、僕たちは 有機農業を選んだか
代表世話人で歌手の加藤登紀子さん(写真・右 左は、金子さん)は、「農の世界に入ってくる若者は劇的に増えたが、農家が減っていくスピードはそれ以上に速い。だからこそ、若者たちは希望そのもの。小さいけれど、はっきりと見えてきた光を大切にしていこう」と呼びかけた。
メインステージでは、有機農業をひっぱる現役リーダーが顔を揃えた。パネラーは、伊藤幸蔵さん、宇都宮俊文さん、富谷亜喜博さんの3人。
伊藤さん(写真・左)は、山形県高畠町で有機農法と畜産の複合経営の「米沢郷牧場グループ」代表。1995年には、農業生産法人・有限会社「ファーマーズクラブ赤とんぼ」を立ち上げる。自家で営む農業生産法人「エコファーム匠」では、田んぼの耕作に従事している。
富谷さん(写真・右)は、千葉県山武市にある農事組合法人「さんぶ野菜ネットワーク」代表で千葉県農業士。有機農家を見学したことがきっかけになりJA山武郡市有機部会に参加し、2005年に同ネットワークを設立。現在、半径3kmの地域に52名の組合員がいる。
3人は、「これ以上、価格が安くなれば米農家がつぶれる」ことなど農業のおかれている厳しい現実とそれでも頑張れる有機農業の楽しさを語り、“いのち”ある食べ物を生産する農業の大切さを伝えた。最後に山形県長井市のレインボープラン事業を立ち上げた菅野芳秀さん(写真・下)が、「土」の大切さと循環するまちづくりを紹介。「あなたの座る土の下には、たくさんの“いのち”が詰まっている。あらゆるものを生み出す土に感謝して、これ以上汚さず、土を尊ぶ暮らしをしていこう」と呼びかけた。
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