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行き場がない汚染された土

有用微生物群であるEM技術での除染は、廃棄物がでないので仮置き場の必要がない。自然にも人間にも良く、海も川もきれいになる。もちろん、お米の味も品質もよくなる。福島県では、2016年度産米から食品衛生法の基準である1kg当たり100Bq(ベクレル)を超える放射性セシウムは検出されていないが、今回取材した方々がつくったEM米は、放射性セシウムが不検出(検出下限値1Bq/kg )、あるいは50分の1という数値であった。
EM技術で放射能の影響を限りなく少なくし、地域再生の原動力になっている4人の方々を紹介する。

3.『自然米おにぎりで 地域を元気に』
 南相馬市・武藤麻央さん


人の健康を願う武藤さん


おにぎりのポップ 調味料も本物


地元の女性たちが働く

この羽根田さんの自然米でおむすびをつくり、南相馬市の道の駅やサービスエリアで販売しているのが、武藤麻央さん(70歳)だ。南相馬市の沿岸部に家があり、巨大な津波と放射能被害に見舞われたが、武藤さんは仕事で自宅にはいなかったため、難を逃れた。夫は、自宅を見に行ってくると車ででかけ、津波が押し寄せる瞬時に引き返し、九死に一生を得た。当時をあまり語らない武藤さんだが、「誰もが着の身着のままで、哀れだった」とつぶやいた。昨年、帰還が叶ったが、集落を立て直すことは無理と判断して、原町区に家を新築した。

ここまで来るまでにNPO法人地球環境共生ネットワーク(http://www.unet.or.jp/)の福島県世話人である武藤さんと、武藤さんの要請に応じたボランティアの働きは、すごかった。南相馬市にEM活性液とEMボカシ、そして動力噴霧器2基を携え、家屋や瓦礫の残る空き地や田畑に散布した。当時は、避難所の悪臭はすざましく、EMは衛生対策に効果をあげて、とても喜ばれた。

こうした活動が一段落し、もともと自然化粧品の販売など女性実業家としても活躍していた武藤さんに与えられた課題は、地域の再生だった。1昨年、原町商工会議所の6次化産業事業の責任者に白羽の矢が立つ。マクロビオテックの勉強を重ねてきた武藤さんが考えたのは、自然米と添加物をまったく使わない材料でつくるおにぎりだ。最新型の機械を導入して、地元の主婦を従業員として雇い入れた。東京でも手に入らないこの貴重なおにぎりは、セデッテ鹿島SA、道の駅、市役所、合同庁舎で、販売され、好評だ。

「福島に残っている人間が、元気にならなくては、若い人たちは帰ってこないでしょう。放射能は、もちろん問題だけど、それだけではない。福島から避難している若い人たちも、しっかり、食について勉強して欲しいな」と切に願う武藤さんは、今日も朝4時に起きて、2升5合の米を研ぎ、炊飯器のスイッチを入れ、100個のおむすびを結ぶ。

(文責:小野田)

<2017年1月30日>

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<参考>福島県産玄米の放射能検査結果
https://fukumegu.org/ok/kome/year/16


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