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第15回全国環境保全型農業推進コンクール優秀賞、青森県「攻めの農林水産業賞」最優秀賞などを授賞
辰巳さんのドキュメンタリー映画『天のしずく』に登場する福士武造さん(76歳)は、岩木山を望む青森市の17haの広大な土地で、米と大豆を栽培する専業農家。奥さんと息子さん夫妻の4人で経営しています。

月刊『現代農業』の記者に、「日本の田んぼが、大きく変わるかもしれない」と言わしめた福士さんの『地下かんがい法』(地下に給・排水パイプを埋め込み、地表から地下1mまで自在に水位を調整できる仕組み)には、農家や行政関係者などの視察が絶えません。

メリットは、①給排水が容易、②雑草対策が容易、③田と畑を1年ごとに転換できる、④田畑転換することで土が肥える(土づくりになる)、⑤自然農法・有機農業への転換が容易など。すでに5haの水田で有機JAS認定を取得。残りが特別栽培米で、平成22年には、農業者として最高の栄誉である、天皇陛下への献穀者に選ばれました。


「地下かんがい法」によって、水田と大豆畑を1年ごとに容易に転換できる「地下かんがい法」だから水田でも水はけがよく、トラクターによる直播が容易にできる。その結果、苗床・育苗・田植えいらずのらくらく農法となる

この『地下かんがい法』は、「苦難を共に歩んで来た農家仲間に役立つ技術を開発したい」との福士さんの45年間の思いが形になったもの。特許取得の理由も、「農家から特許料をいただくためではありません。誰もが使えるようにするためです」。出願を(公財)自然農法国際研究開発センターに依頼し、広く情報公開をし、農家から施工の相談があれば、可能な限り全国どこにでも指導に出かけています。


県内外からマイクロバスなどで視察団が訪れる辰巳さんの自宅を訪れた福士さん夫妻辰巳さん青森来訪。田んぼの直播を視察


左・有機JAS認定の安全でおいしいお米/右・粒ぞろいの大豆は美しい
辰巳さんが絶賛する福士さんの米と大豆は、文字通り粒ぞろい。米は炊きたてはもちろん、冷めてもおいしい。大豆はタンパク質が多くて味わい深く、ふかしたそのままをいくつ食べてもあきないし、豆腐は絶品です。 収量も地域平均と比べて、米が約1.3倍、大豆が約2倍あるから驚きます。

福士さんは「大豆100粒運動」にも参加し、地元小学校の児童に10a を提供。農林高校も指導していますが、高校生が小学生に大豆の育て方を教える姿に、「農業大好き人間が出てくることを期待しています」と、目を細めます。一昨年から神奈川県出身の27歳の実習生をしっかり育てています。

今後の夢を聞くと、「らくらく自然農法をめざすこと。日本の農業革命の役に立てるよう、研究を重ね、情報公開をしていきたい」と語ってくれました。

(2013年4月28日)

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