NPO法人主催の有機農業塾は、全国でも珍しく(財)自然農法国際研究開発センターやNPO法人関東EM普及協会、神奈川県内のEMを活用している有機農家が、全面的に協力しているもの。今年1月から前半の6か月は、「自然農法の理念」「EM農業技術」などの理論の講義をし、後半の6か月は、同ネット会員の有機農業実践者の農園で実地研修を行った。今回の最終講義の講師は、名桜大学の比嘉照夫教授で、塾生だけではなく、各EMネット会員、農家、一般市民も参加できる公開授業となった。
講義に先立ち、神奈川県環境農政部副技幹・増田義彦さんと有機農業推進議員連盟事務局長のツルネン・マルティ参議院議員が、有機農業の現状について話した。増田さんは、神奈川県では有機農業推進計画を今年度中に作成すると述べ、県内有機農業の実態調査やワークショップ、計画素案に対する意見募集などを実施したと報告。ツルネン議員は、農家だけではなく、市民が土を耕すことで自給率を上げたドイツや、自身が経験した小田原市のNPO法人が管理する田んぼでの米づくりなどを例に、「誰でもどこでもできる有機農業は夢ではない」と語った。
講義では、比嘉教授が「虚業の世界が崩壊し、実態をもつ経済が復活する時代がやってきた。健康と環境に役立つ農業が求められる時代にEMで社会に貢献できることは大いなる喜び」と述べ、EMの性質やEMの具体的な活用技術などを伝授した。特に「EM青草液肥」については、「草だけではなく、あらゆる有機物を循環させる方法として有効だ」と語った。
会場では、熱心にメモを取る参加者の姿が多く見られた。塾生を受け入れた農家の1人川島勝徳さんは、「たくさんの人たちに有機農業を理解してもらうことが大事。農家にとっても、様々な職業を体験している人たちと接して刺激になった」と塾の成功を喜んでいた。
第2期生は、現在募集要項を準備中とのこと。問い合わせは、0467−45−4367:EMネット神奈川事務局まで。
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