「農を変えたい!全国運動」(代表:中島紀一茨城大学農学部教授)は、国民運動の立場から「有機農業推進議員連盟」の立法提案を支持し、有機農業推進法成立に向け活動してきた。推進法成立後は、全国あるいは地域レベルでの有機農業推進の民間側の体制づくり、政策提案活動を行ってきた。現在、同「全国運動」の呼びかけで、「NPO法人全国有機農業推進協議会(全有協)」「NPO法人有機農業技術会議」「全国有機農業生産者懇話会」が設立されている。
同日行われた、シンポジウム「有機農業を根付かせ、有機農業推進法に魂を入れよう」では、パネラーの1人として土佐自然塾塾長の山下一穂氏が登場。「農業という枠を超え、環境や福祉など、様々な分野の問題解決の鍵が有機農業である」と力強く語り、「有機農業産物のマーケットは広がっているが、生産量が足踏みしている。有機農業技術の普及ができていない」と問題提起をし、都道府県レベルでも現状認識を深める必要性を訴えた。
このように、有機農業推進法成立から、草の根運動で展開されてきた有機農業が脚光を浴びるようになり、全国各地で新たな動きが出てきた。また、農水省の担当部署である環境保全型農業対策室も、今年8月には環境農業対策課が新設され、職員も3倍となり積極的なバックアップを明言している。今後、推進していく上で様々な問題があるが、有機農業議員連盟が打ち立てた、「有機農産物を10年で50%」という目標に向けて、行政と民間機関が一致団結して取り組んでいく体制を一層強化していく必要がある。
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