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必要悪は悪である

2013年、日本はもとより、世界の激動も小康状態になり始めています。2011年3月11日の東日本大震災は、日本人に対しさまざまな教訓を残し、EM活動についても多くの課題が出された年でもありました。2012年は、その対応に迫られた年でしたが、政権交代は、その象徴的な出来事でした。

東日本大震災に対するEMのボランティア活動については、本サイトやDNDのサイトを通じ、広く多数の方々に理解していただいており、また多大なご支援やご協力に対し、心から感謝しております。ご承知のようにEM活動は、大震災に伴う環境衛生対策、塩害対策、健康管理はもとより、これまで不可能とされた放射性物質の消滅除染、内部被曝対策、農畜産関係の放射能汚染対策などなどに万全の力を発揮しています。

今後は建築の場や産業振興の場において、EMの力をさらに幅広く活用せねばなりませんが、福島県に限らず、関東東北一円の低線量被曝対策も忘れてはなりません。国民に不要な不安を与えるのは良くないという政府やマスコミの広報自主規制は大成功を収め、いつしか原発問題は単なる事故で、その後処理産業が発展し、いつの間にか原発再稼働はもとより、建設中の原発も推進すべきであるという論調が強まっています。

この一連の論議の中で、「原発は必要悪」という捉え方が前提となっています。私もかつては農薬や化学肥料を必要悪と考えていましたが、私自身が慢性農薬中毒症となり、人畜への潜在的な被害や生態系の破壊、自然資源や生物多様性への影響などなどの甚大さに驚愕し、研究の方向性を転換したいきさつがあります。

「必要悪も本当の悪である」。善悪の判断は、これまでもさまざまな機会にも述べたように、「すべての生命を守り育む」という正義の哲学や、生物進化の理にかなったものでなければなりません。この観点に立てば、原子力発電を筆頭に、医薬や農薬などを含めたさまざまな化学物質の大半のものが必要悪的存在となっています。

この根本的な解決策は、安全で快適、低コスト高品質で善循環的持続可能という真理に基づいた技術の開発と普及が必要であり、EM技術はその理にかなうものです。

EMの原点の再認識

EM生活を楽しんでいる関係者は、EMを空気や水のごとく使うことは、健康と環境を守るということをよく知っていますが、EM技術をあらゆる分野に活用することで、原発問題を含め、「すべての必要悪」は解決できるというレベルに達している人々は限られています。大半の人々は安価で便利な商品という認識であり、「なぜこんないいものが広がらないのか」という愚問を発します。

また「自分で増やすのは面倒だ、手軽に使える商品になれば便利だがな」などなどでEMを積極的に使わない人々もいます。私は、このような人々と接するごとに、ついつい「人生の最大のボーナスを受け取らずに生涯を終える、もったいない人たち」と思ってしまいます。このボーナスは、宝くじに外れたり、不況でもらえなかったボーナスとは異なり、EM生活に徹すれば数値化できるもの、または数値では表せない膨大な人生の利息も付いてきます。

それは、EMの持つシントロピーの力(蘇生)と現在の地球環境の関係を知らないからです。現在の地球の環境の中で、健康や物質の劣化を支配しているのは酸素であり、すべては酸素の様態で決まるようになっています。すなわち、地球に酸素発生生物が優占した結果、酸素を活用する生物(動物)が進化し、現在に至っていますが、今では大気の4分の1弱のレベルになっています。

酸素は、水分子を介して活性酸素になる性質があり、この活性酸素(フリーラジカル)はあらゆるものを酸化し、劣壊させるという性質を持っています。突き詰めてみると、エントロピー増大の法則も純粋な熱力学の分野を除くすべての領域で、酸素が関与し、健康を含め、物質のあらゆる劣化に関与しています。この状況の積み上げが病気であり、老化であり、寿命であり、建築物はもとより、あらゆる物質の劣化や強度を支配しています。

したがって、現在の医療、健康、寿命は現存する酸素分圧で決まり、DNAもそのようなスタイルに適応していますので、従来の最良の方法をすべて取り入れても、寿命が尽きるまでにさまざまな障害が発生します。認知症はもとより、種々の病態の予防は、体内や環境中のフリーラジカルの除去が基本となりますが、残念になるが、すでに起こってしまった状況を元に戻す技術はほとんどなく、iPS細胞などを利用する再生医療に期待するしかない状況となっています。

EM生活を徹底してみればわかることですが、これまで不可能と思われたさまざまな健康障害がウソのように消え去るという蘇生現象です。この現象は、EMはもとより、高波動のEM製品をあらゆる分野に活用し、効果が出るまで使い続けるという以外に発現させる方法はありません。

したがって、1日に何cc、何gというのは単なる目安であって、このレベルで効果がなければさらに増やし、使い続けることがポイントですが、数値や科学を振りかざす人々に理解してもらうのは容易ではありません。それはそれで人生のボーナスを拒否しているので仕方がありませんが、問題はEMで良くなったから、やめてもいいかという質問です。

答えは明快です。やめれば時間の経過とともに元に戻るからです。EMは薬ではなく、依存症もなく、すべての分野でもたらされた障害を限りなく健全な状態に機能させる力を持っているからです。

この不思議な力は、EMの持つ蘇生作用と同時に、3次元(3D)構造に由来する触媒的なエネルギーの転換作用に支えられています。

この3次元のエネルギー転換作用は、障害の無害化と有用なエネルギーへの転換という分野で応用が進んでおり、福島の原発事故対策にも幅広く活用されています。

現在の科学の常識は、地球の酸素の分圧が4分の1弱という条件のもとに成立しており、その条件下で起こるさまざまな酸化劣壊に対し、予防的なことは可能であっても、蘇生させるレベルにない幼稚なものです。このような常識を踏まえると、EMの万能性はマジカルであり、EMを活用しないことは「至福の生涯」という人生最大のボーナスをみずから放棄することになります。

(2013年1月31日)
PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)、「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)、「シントロピーの法則」(地球環境共生ネットワーク)など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」(文芸アカデミー)を上梓。2022年(令和4年)春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章した。


 

 

 

 

 

 

各地で活性液を提供

 

 

 

 

 

 

 

シントロピーについて説明する比嘉教授

 

 

 

 

 

 

 

野菜にEM活性液を散布

 

 

 

 

 

 

 

 

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