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東日本大震災これからの復興支援について

2011年3月11日の東日本大震災から1年あまりが経過しました。さまざまな記念行事も行われましたが、客観的に見ると世界同時不況の中で、日本は独り勝ちした状況となっています。とは言え、福島の放射能問題を含め、解決しなければならない個々の問題は山積しており、復興支援体制も各々の状況に合わせて再構築する必要があります。

大震災発生当時は、衛生問題が発生しないように緊急的対策が中心となりましたが、宮城県の気仙沼市や七ヶ浜町のように、地域全体をEMで洗浄するような体制を取ったところは、環境浄化はもとより、海産物の収量や品質に目を見張るような効果が現れています。

一般に大きな津波が発生した後は海が浄化されるため、海産物は豊かになると言われていますが、特に気仙沼や七ヶ浜の場合のEMの活用は、環境の浄化と水産の復興をリンクさせ、意識的にEMを大量に、くまなく使っていたことです。当然のことながら、地域全体がイヤシロチ化していますので、人々は元気で活力があり、訪れる人々を逆に勇気づけています。

たまたま、代表例として気仙沼と七ヶ浜を上げましたが、EMの成果は被災地全体に広がっており、多くのボランティアの協力でEMの生活化やEMによるまちづくりや、環境や1次産業へのEMの活用は、以前に増して加速度的に広がっています。従って、EM普及の関連団体による復興支援は、これまでのシステム的支援体制をさらに強化し、地域の環境をさらに浄化し、人々の健康を守り、産業の育成に協力し続けるということになります。

すでに、いくつかの市町村では、復興の仕組みの中にEMを組み込んでいる例もありますが、願わくば、全地域でのEMの生活化や産業への応用や、危機管理に活用されることを進め、同時にEMによる国づくりの基本的な部分をさらに強化するさまざまな支援体制を続けたいと考えています。被災地にかかわらず、EMによる村おこしやまちづくりを希望している市町村や各種団体に対しても、いつでも対応できるようにEM研究機構、公益財団法人自然農法国際研究開発センター、NPO法人地球環境・共生ネットワーク、全国EM普及協会、EM研究所、EM生活社などなど、各地のEMボランティア団体の体制を強化し、事に当たることになっています。

福島のこれからの支援体制

福島の復興支援は放射能汚染の関係上、さらに細部にわたって息の長い支援体制を強化し続けています。復興の基本は人々の放射能汚染による健康被害の根本的な対策と、風評被害が発生しない農業の再生と、環境における放射能の除染ということになります。

昨年以来、さまざまな機会にEMを徹底して活用すると、これらの課題を解決できることが明らかとなってきました。そのことは拙著「シントロピーの法則」にも究極の放射能汚染対策と東日本復興への道筋として、さまざまな基本的な情報を発信しました。この情報は多くの人々に活用され、放射能対策の決定打として急速に広がりつつありますが、その啓蒙普及をさらに強化したいと考えています。

まずは、内部被曝対策については、EM飲料などの活用によって、数か月で検出限界値以下にすることが可能であることがベラルーシにおいて再確認されました。福島県内においてもEM飲料などを活用した多くの人々から内部被曝の検査結果は、知る限りにおいてすべて検出限界以下となっており、低線量被曝の根本的な解決が可能と言えます。

その次の農産物全般について、検出限界値1ベクレルという極めて精度の高いゲルマニウム半導体検出器で測定した結果、5000ベクレルを超えた汚染土壌でもEM栽培(10アールあたり250〜300リットル以上)に徹した場合は、すべて検出されずという結果を得ています。この結果は極めて信頼性が高く、再現性に例外はありません。従って福島県の農産物の風評被害対策には決定的な力になるものと断言できます。

本サイトにたびたび登場してくれたマクタアメニティの幕田さんグループの成果は確たるものになっており、政策的に推進しても何ら支障のないレベルに達しています。食品の放射能の安全基準が見直され、かなり厳しくなりましたが、それで十分と考えている人は例外的であり、やむをえぬ処置であることに変わりはありません。

特に牧草を中心とする肥育牛や乳牛については、現在の汚染度を考える限り、EMの活用以外に方法はありません。牧草地へのEMの散布はもとより、飲料水や飼料へのEMの添加などを積極的に行えば、牛の内部被曝問題も根本から解決することが可能となります。

水産物については、気仙沼や七ヶ浜のように大量にEMを散布された海域の海産物の放射能汚染も、現実的にはかなり軽減すると言えますので、今後の調査を待ちたいと考えています。

環境におけるEMの放射能汚染対策も各地で着実な成果を上げています。高濃度汚染対策についてはシステム的な工夫が必要ですが、限界線上の汚染は1uあたり1リットルのEM活性液の散布で50%以上の減少が多々確認されています。散布量や散布回数が多くなれば、効果は早く現れますが、1〜2回散布しても時間の経過とともに放射線量がかなり低下することも確認されています。

この成果を確認した地域では、関連する学校の運動場や校庭に散布したり、EMで校舎を洗う計画をしている市町村もありますが、現実は、すべてボランティア頼みとなっています。現在福島には、このような自主防衛的なEMボランティアの拠点は20件あまりとなり、EMの大量培養システムも設置してあります。従って、本年度中にかなりのめどが立てられるものと考えていますが、ボランティアのみでは限界があり、行政の積極的な取り組みを期待しています。

福島に限らず、関東東北一円にホットスポットがあります。それらの地域は補償のメドはまったくない状況にあり、自主防衛的に対応せねばならない状況となっています。本来なら、すべて東京電力の責任であり、自主防衛的にEMを活用して問題を解決した地域は、その費用を東京電力に請求する権利があります。セシウムの半減期は30年、その間急激に減ったり隠れたりすることはなく、因果関係は明確ですので、法的にも筋の通った話となります。

これからも、放射能汚染対策は、福島のみならず、ホットスポット地域にも積極的な支援活動を拡大します。すなわち自力で問題を解決できるノウハウの強化体制が整ってきたからです。希望する団体や自治体は、EM研究機構などのEM関連団体にご連絡ください。

10月8日には、二本松市で放射能汚染対策の成果を発表するフォーラムを開催します。この大会には現在、EM研究機構と共同研究を行っているベラルーシの国立放射線生物学研究所の所長と主任研究員も出席し、ベラルーシにおけるEMの成果を発表することになっています。

(2012年5月2日)
PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)、「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)、「シントロピーの法則」(地球環境共生ネットワーク)など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」(文芸アカデミー)を上梓。2022年(令和4年)春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章した。


 

 

 

七ヶ浜町の農協に設置されたEM活性タンク

 

 

 

 

 

 

 

比嘉教授の著書『シントロピー【蘇生】の法則』

 

 

 

 

 

 

 

ピーマンを生産しているアグリSCMふくしまの契約農家、田村郡の橋本さん。(あぐりSCMふくしま・こだわり情報室)より

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