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EMによる放射能被爆対策

東京電力の福島第一原子力発電所の事故は、当初の予想と異なり、かなり深刻な状況となっています。雨が多く多湿な日本では、空中の放射能はすぐに地上部に落ち、土壌に浸み込んでしまいますので、北京やソウルと東京の放射線量は変わらないという報道は間違いではありませんし、海外からの旅行者にとっても信じるに値するものです。

問題は、地表面に集積した放射性元素の動向です。すでに明らかなように、飯舘村のように計画的な強制移住は、その地に住み続けると健康に被害を及ぼすための判断であり、現時点での立ち入り禁止区域は、すべて同様な状態にあります。農地や住宅地や学校のグラウンドの表土をはぎ取る案や、小規模ながら、すでに実行している例もありますが、広大な地域全体に拡散した放射性物質を抑制することは不可能であり、時間と共に、その影響は深刻化することは避けられない状況になっています。

福島第一原子力発電所からの放射性物質は、現在でもいろいろな形で環境中に放出されており、この状況は冷却システムが完全に機能するまで続くことになります。このようなことを考慮すると、立ち入り禁止地区に戻れるようになるには30年以上もかかるのではないかという判断も当を得たものになります。

これまでの予備的な実験では、EM活性液に光合成細菌を混和したものを、10aあたり50〜100リットルの1回散布で、放射線量が20%以上も低下したことが確認されています。DNDや本サイトでもチェルノブイリの被災国となったベラルーシやウクライナでhaあたり50リットルのEM散布で年間15〜35%の放射線量を低下させたことは、すでに説明しましたが、今回の結果は、そのレベルをはるかに上回る成果で、本気で取り組めば1年、長くとも2年では完全に除染することが可能といえます。

要は、この技術を政府や各々の自治体が活用するか否かということになりますが、問題は法的に安全基準が決められた場合です。現在のところ、年間被曝量が20ミリシーベルトという案が出ていますが、この数値はこれまでの常識の20年分に相当します。それに加えて、レントゲンやCTなどの医療被曝や、電化製品から出る電磁波や紫外線も加算的に作用しますので、原発の放射能以外に被爆の機会の多い人にとっては予想外に救いのないものになってしまいます。

それでも法的に規制が行われたところは、政府が何らかの形で補償的な措置を取ると思いますが、年間被曝量が限りなく規制値に近い地域や、常識的に考えて年間の許容値の3〜5倍の地域は、長期的に見れば必ず影響の出る可能性がありますが、このような場合は何の手当てもなく、自力で対応せねばならない状況になっています。

しかもその面積は原子力発電所から100km以上も離れた地域まで広がっており、また放射能雲の影響で、東京や神奈川でもセシウム137が基準値を超える例も確認されています。これまで、すでに述べたように、EM生活に徹し、非常時にはEM・Xゴールドなどを上手に活用すれば、大半の問題は解決してしまいます。

具体的な対応について

まず、放射能の影響を見極めるポイントを知る必要があります。ベラルーシにおける私自身の体験と、今回福島県内で活動したボランティアの情報をまとめてみました。1.体が何となく気だるく、疲れがとれない。2.当初に目やにが大量に出て、毎朝目がショボショボしてすっきりしない。3.体のあちこちに発疹状のものが出たり消えたりする。4.常に軽い頭痛がする。5.粘膜や唇のまわりが腫れる。6.頭痛が不規則に起こり、頭がすっきりしない。7.体がむくんだ感じがする。8.タンが多くなり、気管支に軽いトラブルがある。9.体が熱っぽく、常にだるくすっきりしない。10.頭部や体のあちこちに思い出したように吹き出物が出たり、頭部にカサブタが残ったりする。11.味覚が変わり、水や料理がサビついたような味がする上に、何を食べてもおいしくない。診断の結果、白血球数が減少したり、リンパ腺や甲状腺が腫れている場合は、明らかに被爆の影響として受け止める必要があります。

緊急の対応としては、すでに述べたようにEM飲料の活用と同時にEM蘇生海塩やEM蘇生ミネラルを活用しますが、EM飲料を目や粘膜や皮膚へスプレーすることもかなり効果的です。しかしながら、放射能との戦いは10〜20年の長期戦であり、その対応を完璧にするためには、「EM生活」を徹底する以外に方法はありません。

まず、EM活性液をつくる場合、2000分の1くらいのスーパーセラCを加え、米ヌカも0.1〜0.2%加え、糖分も基準の1〜2割多くして、pHが3.0に近いハイレベルの活性液をつくります。この場合、EM3号(光合成細菌)を種菌(EM1号)の5〜10%になるように混和すると対放射線効果はさらに高まります。

このようにしてつくった活性液や米のとぎ汁発酵液を、50〜100倍にうすうめ、屋根や壁や縁側など放射性物質が付着したと思われる部分をていねいに洗い流すようにします。庭にも、家屋の基礎の部分にもEMが十分に浸透するように散布します。

月に1回程度で3回も散布すれば、かなり安全な状態まで下がりますが、測ってみて数値が思わしくない場合は、月に1回ペースで数値が基準値以下になるまで散布し続けます。EMで野菜を洗ったり、掃除、洗濯、お風呂、トイレなどの活用はもとより、加熱する調理に5〜10cc程度の活性液を添加することも効果的です。

その他、黒糖やリンゴジュースなどの果物のジュースとハーブなどを加えた自家製のEM発酵飲料をつくり、日常的な健康管理と放射能対策に役立てることも効果的です。放射能汚染の広がりは、予想を超えた広範囲に拡大しており、スポット的にかなり強い部分汚染も散見されています。このような場所は、公的な保全の対象にはなりませんので、これを機会に地域全体がEM生活に徹することをおすすめします。改めて述べるまでもなく、地域全体がEM生活に徹底すれば、環境や健康の問題の根本的な解決に直結させることも可能であり、閉塞した現今の不安な状況を根本から打開する力となります。

宮城県の塩害地域での田植え、その他

本サイトやDNDでも津波で被害を受けた塩害対策についても、日本は雨が多いので、自然に除塩されるため、すぐに田植えをすべきであると助言しましたが、鈴木農園をはじめ、EM関係者の田植えが始まりました。今のところ特に問題は無く、順調に進んでいます。津波で海から打ち寄せられた名取市に広がる海泥は、梅雨によって塩分が洗い流されるのを待って耕うんすれば、ミネラル分たっぷりの望ましい土壌改良が可能となります。除塩には3〜4年もかかるという政府の発表をまともに信じ、表面にたまった海泥中心のヘドロを取り除いて、塩分に強いツタなどを植える試みや、ヒマワリやナタネなどの栽培を計画している例もありますが、EMを活用すれば即解決できるレベルのものです。

早トチリして遠回りをする必要はありません。悪臭が残っている場所は臭気が消えるまでEMを繰り返し散布する必要がありますが、普通にEM栽培を行っている場所では、特に問題が発生することはありません。マイナスをプラスに変える、EMの力を大いに活用したいものです。

(2011年6月3日)
PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)、「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)、「シントロピーの法則」(地球環境共生ネットワーク)など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」(文芸アカデミー)を上梓。2022年(令和4年)春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章した。


 

 

 

 

 

 

果樹園用のスピードスプレーヤーでグランドにEM散布。放射線量の低下が期待される(写真提供・アグリSCMふくしまの幕田さんのブログこだわり情報室

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中国で行われた塩害の試験 写真上・EM使用なし、写真下・EM使用(写真提供・EM研究機構

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