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四国EMフェスタ2010・善循環の輪えひめの集い in砥部

今年も残り1か月となりました。例年よりも寒さが厳しく、インフルエンザが大流行すると言われています。EMを空気や水のごとく使い、EM生活をしている人々にとって、インフルエンザは無縁な存在です。昨年の新型インフルエンザの流行の際に、EM活性液を100倍くらいにうすめ、手をひたしたり、スプレーしたり、EMを徹底して使った松山市のある幼稚園や保育園は、閉園することもなく(園児の兄弟や姉妹が学校でインフルエンザをもらってきたにもかかわらず)、大きな成果を上げています。

ウイルスの大半のものは、pH4.5くらいで20~30秒程度で不活性化してしまいます。また、ウイルスそのものは、抗酸化作用のある物質に触れると増殖することが困難です。EMを100倍くらいにうすめると、このような条件を具備しますし、環境中のEMの密度が高まるとそこで活動する人々の免疫力が高まることも確認されています。

宮崎県で猛威をふるった口蹄疫もウイルスであり、EMを徹底的に使ったところは感染拡大が止まり、劇的な効果が確認され、農水省もその実績を認めるまでになりました。今年もEMに関する様々なイベントがありましたが、四国におけるEMの普及体制は盤石なものになり始めています。

「ふる里みたいな町づくりを目指して」

四国EMフェスタは四国4県の持ち回りで毎年開かれています。当初は事例発表も四国全体から集めるという状況でしたが、3年前からは各県独自でやれるようになり、昨年の香川大会からは、地球環境・共生ネットワーク(U−ネット)の「善循環の輪の集い」と合同で行うようになりました。EMの普及活動を積極的に行っている四国EM普及協会とU−ネットが共に協力し合うことによって情報量は倍加し、コストを著しく節減することも可能となり、他の地域では類例のない、積極的なEM普及活動が展開されるようになってきました。

極めつきは、毎回、EMの活用方法はもとより、EMの最新情報と事例報告、各県におけるEM普及活動をダイジェスト的に画像を使って報告している点です。この内容は、当日配布するプログラムにも掲載されており、四国の1年間の活動が十分に理解できるくらいの情報が盛り込まれ、様々な分野に活用できるようになっています。

特筆すべきは、四国4県とも学校のプールなどへのEM活用は、全国のトップグループに入っており、今回の開催地である愛媛県は全国一となっており、校長会や教育委員会も積極的に協力しています。いずれも、アトムグループの企業活動とリンクしたものですが、この活動は、少子化・高齢化社会に対する答えを準備しており、新しいビジネスモデルに成長し始めています。

今回は、アトムグループの活動を「ふる里みたいな町づくりを目指して」~EMによる企業の社会貢献~として発表してもらいました。アトムグループは、結婚、子育て、障害者支援活動をはじめ、健診やEMによる健康増進や中高齢者の生きがいや包括的相談支援はもとより、病弱者支援や葬祭に関する支援など様々な支援事業を行っています。

これらの事業は、かつては地域全体が安心して暮らせる公的な役割であり、一般のビジネスとは別の系の人生を安心して過ごすための安全、安心系に属し、その大半は公共の役割に属していました。核家族化、共働、経済効率優先、強烈な競争によるストレス社会、少子高齢化によって、安全、安心系の分野も細分され、ビジネス分野に取り込まれてしまいました。

本来、安全、安心系の分野は、一連につながって、はじめて機能するものであるにもかかわらず、ビジネスとして細分されると個々人が各々のケースを対応せねばならず、また各々の分野や施設が別々の経営者や運営者に任されているため、安全、安心系の役割が著しく低下しています。

アトムグループは一社でこの安全、安心系を担っているため、どの部分から相談に入り、どの分野から世話になっても包括的に他のすべての分野に気持ちよく連携できるシステムとなっており、社会的に弱い立場にある人々にとっては、これほど便利でありがたい仕組みはないといっても過言ではありません。

安心、安全系のもう1つの特徴は人々の不安に対する高度な専門的な知識やカウンセラーが必要とされることです。アトムグループも人材育成を始め、各事業所でも各々の努力を行っていますが、個々には限界があります。その対策として、かつて公務員や教員として社会的なリーダーとして活躍した定年退職者を中心にNPOをつくり、安全、安心系全体が機能するように様々なボランティア活動を行っています。NPO法人アクティブボランティア21は、その代表格ですが、この活動は定年退職者の生きがいや活動の場となっているばかりでなく、関連施設の障害者のボランティア活動や様々な社会参加を支援し、同時に地域の人々にも「ふる里のファミリーの一員である」という意識で共にボランティア活動に協力してもらえる体制をつくっています。

このボランティア活動は福祉、健康、環境、有機農業(食)など、多様な分野で関係者の資質の向上や生きがいの創造につながっています。まさにEMの社会性を進化させたモデルと言えますが、この活動にさらにEM活用を徹底すれば、安心して楽しく暮らせるふる里みたいな町づくりが可能であり、安全、安心系の共存共栄の未来型社会が見えてきます。

EM機能の核心に触れる高校生の研究発表

「EMの水稲栽培」については西予市宇和町の中野聡さんに発表してもらいました。現在4.7ha。小規模水田の多い過疎の農村地帯の未来像を着実に実行しています。すでにその大半は有機JAS認証を得ており、このスタイルが限界突破的な成果を上げられるようになれば新しいレベルの農村の復興が可能と言えます。

「花づくりによる街づくり」については土屋正さんが発表してくれました。松山空港に隣接した道路に面した公共の空き地(笹や雑草に覆われていた荒れ地)を、行政と相談しながら地域の人々や児童生徒たちの協力を得て行った取り組みで、数々の賞を受けると共に、近隣の小学校の体験学習や環境学習もサポートしています。この活動は地域全体の融和を図っており、今では地域の大きな無形資産ともなっています。また、そのほかに高齢者の活動の場としても機能しており、花の社会性を掘り起こした素晴らしいモデルともなっています。

最後は、「EMが自然環境に及ぼす効果についての研究」を愛媛県立弓削高等学校の文化活動部理科研究会の阪井、多田、浪切君たちに発表してもらいました。小学校のころからNPOの“ゆげ夢ランド”の海の浄化のEM活動に参加し、実際に海がキレイになり、魚介類が戻り、生態系が豊かになってきたことを不思議に思い、EMがどのように作用したのかを、新しい活性液と1年以上前の古い活性液を材料にEMの機能を調べたものです。

EMも生物ですから、新しい活性液の活動が高いことは予測はつきますが、古い活性液でも機能は残っていることを明らかにしています。この場合、古い活性液に糖分などを加え、再活性化すれば使えることを示唆しています。同時にEMはマンガンや鉄を含む化学物質によって活性化が促進されたり、硝酸銀のような殺菌力のある化学物質でも、その機能が残ることや、ブラックライト(殺菌用の紫外線ランプ)を当てると、活性化するなどなどを明らかにしています。

また、実際に海岸モデルをつくり、EMのヘドロ分解能を確かめたり、試験管内でのヘドロの減少も確認しています。このような成果は、広島県の環境部や大阪市の下水道局の実験では否定された結果です。この違いは、高校生たちがEMの成果を十分に認識した上で、EMの効果の判定に時間をかけたことや、実験設定をより自然状態に近づけたことによります。

この内容は、まとめ方を別にすると、大学院の修士レベルでも通用するもので、様々なEMの機能の核心に触れています。その高校生たちの発表を受けて、弓削の上島町立生名小学校4年生の村田君に、第29回全国豊かな海づくり大会作文コンクール小学高学年の部で農林水産大臣賞となった「ゆたかな海を作ろう」を朗読してもらいました。弓削の上島町でEMにより海をキレイで豊かにした活動と、その心得が書かれています。詳しく知りたい方は四国EM普及協会まで問い合わせください。

名古屋で開催されたCOP10について

海の日のEM団子やEM活性液の全国一斉投入は、すでに本サイトでも取り上げられたように、COP10パートナーシップ事業として認定され、実行されました。COP10の市民交流イベントでは、自然農法を含む健康に関するフォーラムと伊勢湾、三河湾、熊野灘環境浄化フォーラムが行われ、いずれも大盛況で好評のうちに終わりました。

EMのブースは、NPO地球環境共生ネットワーク(U−ネット)を中心にEM生活社、EM研究機構、EM普及協会関係者の協力により、1週間で2500人の人々が訪れました。また、生態系を回復した日本国内の各地の水質浄化や自然農法、海外での事例などを含め、和文と英文の併記の冊子も配布しましたが、海外からの来訪者にも大変に喜んでいただきました。

それらの一連の資料は、EM生活社に問い合わせれば入手が可能ということです。今回のCOP10に対し生物多様性を守るための心得として前回の「健康生活宣言」誌に詳しく書きましたが、人類はそろそろ、他の生物種を犠牲にせず、他の生物種のすべてをバランスよく守る方向を選択せねばなりません。EMを水や空気のごとく使うことがその回答になることは、改めて述べるまでもありません。

外部リンク・問い合わせ先
アトムグループ
アクティブボランティア21
㈱EM生活
中野農園(中野聡さん)
・四国EM普及協会
  弓削について
  ㈲自然環境エヒメ
  愛媛県今治市阿方甲182-7 TEL:0898-25-0140
  徳島県
  徳島県EM普及協会
  徳島県徳島市問屋町140芝商事鞄焉@TEL:088-622-8666
  香川県
  NPO法人香川県EM普及協会
  香川県木田郡三木町上高岡349去l国EM普及センター内
  TEL:087-891-1555
  高知県
  NPO法人黒潮蘇生交流会
  高知県土佐郡土佐町田井1353-2竃枕Lショッピングセンター内
  TEL:0887-82-0128
  愛媛県
  えひめEM普及協会
  愛媛県伊予郡砥部町重光280アルムの里内 TEL:089-905-8777

(2010年12月4日)
PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)、「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)、「シントロピーの法則」(地球環境共生ネットワーク)など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」(文芸アカデミー)を上梓。2022年(令和4年)春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章した。


 

 

 

 

 

会場の砥部町文化会館

四国各県から集まった聴衆で埋まった会場

EMとことん音頭が披露された

熱気であふれる会場内

発表する弓削高校の生徒 右はゆげ夢ランドの村瀬さん

比嘉教授に質問する中野聡さん

四国の1年間の活動情報が満載

COP10の市民交流イベントでEMを紹介

和文と英文併記の冊子

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