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新しい時代の幕開け

2009年の新年を迎えるに当たって、昨年までのEMの大きな成果を関係者の皆様とともに喜び、分かち合いたいと思います。

米国のサブプライムローンのからくりが明らかになるにつれ、金融工学によるネズミ講が崩壊し、実体経済にも深刻な影響が現れています。被害総額は2000~3000兆円とも言われますが、中には6000兆円にもなるという予測があります。

この金額は世界大戦を数回やってもおつりがくる金額であり、そのシステムに悪乗りした国々は壊滅的な打撃を受けており、まさに第3次世界大戦が起きたかのごとく、世界中で何もかもなくした人々があふれています。今回の世界バブルは極言すれば資本主義の崩壊現象ですが、先に崩壊してしまった社会主義も根は同じものです。

すなわち、何もかも数値(データ)化し、科学的かつ理論的に市場や社会を運営できるものと考えたゲーム的発想の破綻とも言えるものです。その結果、世の中の二重構造が明確になり、人類の未来の構築に対し、数値化できない(アナログ)部分の重要性がクローズアップされています。

端的に言えば、データ(デジタル)化し、ゲーム的に競争をして最終的にはお金で勝敗を決める競争原理の社会と、思いやりやいたわり、公徳心、ボランティア等々のように定量的に数値化できず、お金では評価できない共存原理の社会で世の中が成り立っているということです。

私はかねがね共存原理のレベルが高い社会を幸福度の高い社会と定義してきました。極言すれば貨幣経済に支配されない「自立的な足るを知る生き方」ということになります。日本は1990年代のバブルの経験もあり、今回のバブルでは先進国の中で最も被害の少ない国となっていますが、その裏には日本流の自然に即した生き方を基本に、額に汗して働くことが日々の仏行であり、人様に迷惑をかけないというモラルや公徳心や、人に親切にするというお世話心がいまだ健全であるという証でもあります。

リストラにあった人々を他業種で積極的に受け入れたり、多くの機関や組織が不幸にあった人々に積極的に手をさしのべるようになったのも、情報の時代における日本の進化とも言えるものです。

とは言え、この未曾有の荒波に対応するためには、自己責任を原則として、「まずは病気にならないこと」「物を大切に長く大事に使うこと」「自給自足的な生き方をすること」「あらゆるものを高度に活用する善循環的生き方」以外の選択肢はありません。EM関係者にとっては、このようなことは常識かも知れませんが、困ったときほど「EMの本当の力」がわかり、「EMを社会の公器」にして幸福度の高い社会をつくる大きなチャンスでもあります。

幸福度の高い社会づくりをめざして

改めて述べるまでもなく、競争原理を中心とする社会は勝つためにあらゆる手段を駆使しますので、結果論的に滅亡の構造を持っています。経済や情報が一体化した今日の技術レベルから考えると解決できない問題はないと言えますが、その大きな障害となっているのが競争原理に由来する既得権益と既成概念であることは説明するまでもありません。

幸福度の高い社会をつくるには、競争原理から降りた場合に安心して生活できる保障がなければ絵に描いた餅(もち)に過ぎません。そのためには、これまでいろいろな機会で述べてきた「新しい基本的な人権」の実現をめざした共存共栄の社会システムを構築する必要があります。

すなわち、法の下(もと)に平等で生命や財産の安全が守られるという、現在の基本的人権は当然のこととして、「飢える心配がない」「病気になる心配がない」「快適な環境に住む」「人生を納得できる教育が受けられる」も基本的人権として認め、この分野に関する限り競争原理を持ち込まないという課題を解決せねばなりません。

結論的なことを言えば、EMを水や空気のごとく、あらゆる場面に活用すればこの問題は容易に解決できることは明らかですが、要はリーダーの決心次第ということになります。

EM研究機構は当初、EMの増やし方と使い方を重点に活動を行ってきましたが、今ではこの役割は地域のボランティアで十分にやっていけるようになりました。そのため現在では幸福度の高い社会づくりをめざし、様々なモデル事業に着手しています。

まず、昨年までにEMウェルネスセンター(ホテルコスタビスタ、スパコラソン、EMクリニック<医療法人沖縄照甦会クリニック>)を完成させました。常識的には廃虚となり、使えなくなった大型のホテルをEMで蘇生工事を行い半永久的に使えるようにし、ウェルネス(霊的にも心身的にも健康で幸福)の概念を実行に移しつつあります。その成果は土木建築にも革命的な意味を持っています。

人材育成については、名桜大学の協力を得て今春の入学者はどの学部に所属してもEMの講義を10単位(150時間)は取れるようになっており、同大の国際EM技術研究所の追加プログラムを受ければEMの専門家になれる道も準備されています。第2次推薦と一般入試にはまだ間に合いますので下記の入試課までお問い合わせください。

昨年度から地域振興部を強化し、EMの上級インストラクター養成講座を始めるとともに、市町村を中心にEMのモデル事業を積極的に進めています。今年からはその事業をさらに進化させた、EMモデルタウンづくりも始まります。以下次号で紹介します。

 
申し込み
試験日
合格発表
推薦入試
2009年1月26~30日
2月14日
2月20日
一般入試 Ⅰ期
2009年1月13~22日
2月7日
2月20日
一般入試 Ⅱ期
2009年2月18~25日
3月7日
3月13日
名桜大学入試課 TEL0980−51−1056 FAX0980−54−0077

(2009年1月1日・毎月1日更新)
PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)、「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)、「シントロピーの法則」(地球環境共生ネットワーク)など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」(文芸アカデミー)を上梓。2022年(令和4年)春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章した。


 

 

 

 

EMの概念について解説する比嘉教授

比嘉教授は、自らの畑でEMの効果を証明している

EMは全国各地の小中学校などで活用されている

2005年にオープンしたEMウェルネスセンター

来春から学科レベルでEM技術が学べるようになる沖縄県の名桜大学

名桜大学内にある国際EM技術研究所

 

大学発ベンチャー起業支援サイト『デジタルニューディール』で、比嘉照夫教授の連載「甦れ!食と健康と地球環境」が始まりました。『新・夢に生きる』とともにご愛読ください。

デジタルニューディール
http://dndi.jp/
「甦れ!食と健康と地球環境」
http://dndi.jp/19-higa/higa_1.php

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