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環境フォーラム「よみがえれ!日本橋川」

10月27日に、東京の三越日本橋本店にある三越劇場で、平成18年12月から始まった日本橋川浄化活動の中間のまとめとして、環境フォーラム「よみがえれ!日本橋川」が行われました。日本橋川は神田川から飯田橋と水道橋の間で分岐し、皇居の東北側を経て隅田川に注ぐ全長4.8kmの1級河川です。

かつては、江戸城への物資の運搬や神田川の洪水対策として重要な役割を果たし、戦後しばらくの間までは、釣りや遊泳が楽しめる川だったとのことです。昭和39年の東京オリンピックを機に川はカミソリ堤防となり、その上は高速道路と化し、地域住民から隔離された川となってしまいました。

当然のことながら大雨のごとに汚水が流入し、ヘドロがたまり、悪臭を発し、生物の棲めない見捨てられた川となってしまいました。かろうじて残ったのが名橋日本橋保存会の活動ですが、その活動も年1回の橋洗いの行事が中心で、川を浄化する発想にはつながっていませんでした。

これまで橋洗いには合成洗剤が使われていましたが、水質汚染を考慮し、EMシャボン玉石けんに切り替えた平成18年にEMとの接点ができ、大阪の道頓堀川の実績を踏まえ、EMで日本橋川をキレイにする活動が始まりました。予算の大半は名橋日本橋保存会を中心とする地元の有志団体が負担し、中央区と千代田区との協力を得て、U−ネット(NPO法人地球環境・共生ネットワーク)とイーエム総合ネットが技術協力を行い、日本橋川に関わる多数の団体の協力で浄化活動が続けられています。

具体的に説明すると、掘留橋の近くに毎週10トンのEM活性液が投入できるプラントを設置し、2年間で約1000トンのEM活性液と101,500個のEM団子が投入されたのです。

悪臭は数か月でまったく感じなくなり、ヘドロの大半は半年で消え、これまで認められなかったミジンコやイトミミズ、ゴカイなどが発生し、小魚が群れをなすような劇的な変化が現れたのです。以下日本橋川のデータに対する私のコメントです。

「環境省の公共水域の環境評価基準によれば、日本橋川の類型指定はCに属し、コイやフナがかろうじて生きられる水質であった。そのためゴカイやミミズなどの底質生物は皆無の状態にあり、夏になるとアオコが発生し悪臭を発し、魚が浮くという状況にあった。

EM活性液投入1年後には水質は大幅に改善され、類型指定Cからその上のランクBに達し、ランクAに限りなく近いBとなった。その結果、ゴカイやミミズなどの底質生物が増え、多種多様な魚貝類も増え、平成19年度の秋にはハゼも釣れるようになり、20年の春には回遊魚が群れをなして遡上(そじょう)し、生態系の豊かな川へと変わってきた。

EM投入1年半後は、類型指定はBからA、またはAAレベルに達している。海水浴場の水質判定基準で見ると、水泳可のBまたは適のAに達している。測定数値のバラツキは局所的な強い降雨によるもので、降雨がなく見た目にキレイな場合に測定するとAAレベルとなっている。

すなわち、日本橋川は降雨の影響が少ない場合はヤマメやイワナが棲む水産1級の水質レベルにあり、非常時(地震・大火)の水源としての活用も可能と言える」

このフォーラムでは、EMでよみがえった全国の代表的な事例も紹介されました。今後は日本橋川の上流につながる各自治体の交流を深め、地域の観光資源や活性化のための社会資源としてさらに発展させ、神田川はもとより隅田川、東京湾の浄化も視野に入れた都市型の新しい環境運動に進化させることが確認されました。

EMフォーラム2008

例年行われているEMフェスタを、今年はEMフォーラムとして行いました。これまでのフェスタから、より高度な情報交換の場となり、いずれの会場も熱気あふれるものとなりました。今年からEM研究機構では新しく地域振興部を設け、上級インストラクター講座や、EMモデルタウンの推進、EMによる地域振興活動を積極的に進めています。研究開発部や製造部もさらに充実し、7月3日には難病に対応するためのクリニックも開設し、着実な成果を上げ始めています。

また、私の所属する名桜大学へは、次年度からEMに関する講義を10単位寄付講座として提供することになりました。その結果、名桜大学ではどの学部に所属しても、10単位のEMの講義を取得すると卒業の条件の基礎単位として認められることになっています。その他に、大学付属の国際EM技術研究所の特別プログラムに参加し認定されると、EMの専門家となることができるようになっています。

したがって、将来EMの専門家になりたい人は名桜大学で自分に合った学部や学科を選び専攻とし、その他にEMを副専攻的に学びますと、EMの専門家としての道を歩むことが可能となります。定員には制限ありませんので、皆様のチャレンジを期待しています。

例年行われているEM医学会議は、準備の都合上非公開となりましたが、250人余りの参加がありました。詳しくは会誌にまとめて公開されますが、整理が進み次第、インターネットでも公開予定です。

今回は「統合医療とEM技術」と題して行われ、ヨーガやアーユルヴェーダなどの発表もあり、従来よりも多彩な内容となりました。その中で注目されたのは、医療の現場でEM・XからEM・Xゴールドに変わってから効果が一段と高くなったことと、照甦会クリニック(EMクリニック)を中心に対応しているEM−GやEMマックスパウダーによる難病に対する成果です。

長年にわたるリウマチの炎症反応が消えたり、ガンはもとよりパーキンソンやALS、認知症が著しく改善されたり、治療法のない網膜色素変性症が著しく改善されたなどなどの報告もあり、EM技術による難病対策の可能性が確たるものになりつつあります。

また、EM蘇生海塩入りの味噌を学校給食に導入した結果、自律神経系の不調、大脳基底核でのイライラ、集中力欠如などが大幅に改善されたという報告もあり、今後の加工食品の機能性の向上に画期的な役割をなすものと期待されます。

(2008年12月1日・毎月1日更新)
PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)、「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)、「シントロピーの法則」(地球環境共生ネットワーク)など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」(文芸アカデミー)を上梓。2022年(令和4年)春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章した。


 

 

 

 

環境フォーラム当日の午前中には日本橋から3000個のEM団子を投入

日本橋橋洗いは、過去38回行われている恒例行事

千代田区内にある日本橋川浄化EMプラント。毎週10トンのEM活性液を投入している

日本橋川浄化に携わるメンバーら9人が登壇してのディスカッションも行われた

EMフォーラムの会場の1つホテルコスタビスタ沖縄

比嘉教授の統括講演会では会場がいっぱいになった

比嘉教授のバナナ園「青空宮殿」の視察も行われた

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