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病気は個人的、社会的負荷が個人の能力を超えた場合に発生する

前回はシントロピー医学の第一歩が始まったことをお伝えしました。私が提唱するシントロピー医学は従来の医学で対応が困難な病気に対しEMの力を活用することですが、それは本業でなく、あくまでも緊急避難的な措置であると考えています。

病気が発生するメカニズムは、新潟大学医学部の安保教授が力説しているように、交感神経と副交感神経が支配する免疫系のバランスの問題であり、これらのバランスを壊す様々な負荷(ストレス)が原因であり、端的に言えば個々人の能力を超えた無理な生き方が原因であることは疑う余地もありません。

とは言え、社会全体が競争と対決を前提とする生存競争のような構造となっており、戦略的な発想で次々と現れる新技術や、それに伴う多くの化学物質や廃棄物や汚染物は、直接・間接に膨大な負荷(ストレス)の原因となっています。それらのストレスは経過的に環境または体内のフリーラジカル(活性酸素等)を過剰に誘発し、自爆的に病気になるということにつながっています。

病気は常々主張してきたように、個人や社会のあり方のゆがみの総和としてとらえられます。したがって病気にならずに天寿を全うするための社会の仕組みや、食や環境を含めトータル的な健康管理、すなわち生き方の本質に迫る必要があります。

しかしながら、これまでの生き方はすでに存在する社会のシステムや価値観に基づいて勝者になることが暗黙の了解事項となっており、個人の責任で対応できる分野は限られています。したがって、「病気になるほどまでに頑張った」とか「馬鹿は病気にならない」とか、病気を頑張りのバロメーターにした時代もあり、「病気は生き方に対する罪」であり、ある意味では「社会に対する罪」という認識は現在も欠如したまま続いています。

五体健全に生まれてきた者が、事故等や後発的な遺伝子の機能不全を除いて病気になった場合には罰金を科し、病気にならなかった者は税金を大幅に免除するという法律をつくり、学校教育の大半を病気にならない生活のあり方や社会の仕組みに参画させるようにすれば、80歳くらいまでは現役であり、それ以後も高齢者は仙人的集団として世の中を支えることも可能になるはずです。

そのためには、食や環境の問題を本質的に改革する必要があります。これまでの実績で明らかなように、EMを活用すれば食の安全は当たり前で、食に極めて高い機能性を持たすことができます。環境に対するEMの効果については改めて述べるまでもありません。個人はもとより社会全体が空気や水のごとくEMを使うようになれば、食や環境や健康の大半の問題は解決できることは明らかです。

病気の原因の大半はEM技術で正常化できるという実態がタイ国で出現し始めています。タイ国は公立の医療は個人負担ゼロで、病気の予算は当初から決まっており、その範囲内で治療できない場合は個人の負担で一般の私立病院で高額治療を受けるシステムとなっています。

すなわち地域の人々を健康にし、できるだけ病人を少なくすれば病院経営が良好になる仕組みであり、その目的に添った手法ならば医師の了解のもとに何でも実行していいということになっています。

すでにお話ししたように、現在では30以上のかなりの大きな公立病院でも、患者に対しEM活性液を飲ませ、EM生活になるような指導を行っています。まず患者にEM活性液のつくり方を教え、衛生対策や生ごみのリサイクルによる野菜づくりや掃除、洗濯、料理などへのEMの使い方や、ハーブや薬草をEM活性液をつくる際に加えて自家製の健康飲料をつくる方法なども伝授しています。

すでに4~5年経過した県立病院がいくつかありますが、患者の数が激減し病院経営が楽になったと喜んでいます。

また、EM生活を始めた貧困な農家が、低コストで健康に良い豊かな農産物がつくれるようになり、貧困と病気の連鎖を断ち切っています。また多くの人々にその情報を提供し、皆に喜ばれる真のボランティア的人生を楽しめる人々が増えています。タイ国のシステムは金持ちと貧乏人に対する差別という意見もあります。普通の病院で常識的に治せない病気は高額治療を行っても気休めの延命程度のものが多く、その大半が無意味であるという実態も直視すべきです。

シントロピー医学の役割

これまで述べたように、あらゆる場面でEMを空気や水のごとく使うようになれば、従来のように病気を治す医学から、病気にならない医学への転換が可能であると確信しています。そのためには従来の医療技術の大半は不要であり、難病に対し無力であるという現実を多くの人々に理解してもらう必要があります。

したがって、シントロピー医学では、従来の医療技術では治療が困難とされる人生半ばという人々を優先しますが、個人の負担は必要最低限(3割以下)にすることを目標に掲げています。また、いかなる場合でも改善効果が認められない場合はお金をいただかないことにしています。

その次の段階では高齢者が健常になるための対応を考えています。介護が不要か必要最小限ですむGNP運動(G元気でN長生きして<社会の役に立って>Pポックリ死のう)に役立ちたいと考えています。

今月3日からいよいよEMウェルネスセンター内にシントロピー医学を実践する医療法人照甦会がスタートします。現代の医療で難病と判定された方々や、高額治療が必要と判断された方々のお手伝いを致しますのでぜひご相談ください。検査の方法は一滴の血液で、血液中のソマチットの動態で判定する方法を中心に行い、体に負担のかかるような検査は一切行わないことになっています。できれば前の医療機関のデータをご持参くだされば幸いです。

(2008年7月1日・毎月1日更新)
PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)、「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)、「シントロピーの法則」(地球環境共生ネットワーク)など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」(文芸アカデミー)を上梓。2022年(令和4年)春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章した。


 

 

 

 


2006年12月に東京女子医大で行われた、予報医学のシンポジウムで、EM技術について講演した比嘉教授


タイ国チャイナート県ワットシン病院。EMを活用して衛生管理をしている


EMウェルネスセンター内に開設された、医療法人照甦会・沖縄照甦クリニック


クリニック待合室


クリニックでは、顕微鏡検査や健康相談も行っている


デトックスルームでは、足浴(フットバス)で血行促進、老廃物の排出を促す

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