8月13日から8月20日までタイとマレーシアを訪ねる機会がありました。10月30日から沖縄で開催されるEMウェルネスウィーク(旧EMフェスタ)の初日に今年はタイ国年として「EMで国造りに挑戦するタイ王国」というタイトルで発表してもらうことになりました。
タイ国にEMが導入されて20年、各種のキングプロジェクトはもとより環境や農業や貧困対策、医療健康を含むあらゆる分野にEMが活用され、種々の難問解決に役立っています。国や各自治体もEMの活用を積極的に進めており、EMの研修を終了した人は10万人を超え、EM1号の製造も年間1200トン余となり、世界のトップに立っています。 今回のタイ訪問はタイ国年の発表にあたっての打ち合わせと現地の確認調査を兼ねたものでしたが、期待以上の成果が上がっており、10月30日の発表は刮目(かつもく)すべきものになると思っています。ぜひ、ご参加ください。
マレーシアにおけるEMの普及
マレーシアにEMが普及されたのは1990年、マレーシア農業大学も積極的に協力してくれましたが、微生物に関する法的な問題もあり、とうとうアジアでEMの普及が最も遅れた国となってしまいました。とは言え、陸続きのタイからかなりの量のEMが入っており、当初からEMに注目していた関係者はEMの普及をあきらめずに着々と準備を進めてきました。
2000年から2001年にかけ、法的な解釈が明確になった時点から、マレーシアに再度EMブームが到来し、政府関係者を中心にかなりの人々がタイのサラブリにある自然農法アジア人材育成センターで研修を受けるようになりました。
その陰の功労者がジョホール州を中心にマレーシアにEMの普及活動を熱心に進めているJAMOFの澤田さんです。澤田さんは長年にわたってシンガポールやマレーシアで建設関係の専門家として働いている間に、その国々を望ましい状況でさらに発展させるためにはEMの普及は不可欠なものと確信し、根気強くEMの普及活動を続けている方です。
今回のマレーシアの訪問はジョホール州政府がマレーシア政府と協力し、EMを中心としたバイオテクノロジー国際会議(バイオジョホール2007)で基調講演を行うためでした。嬉しいことにマレーシアは、いつの間にか政府中心のEM普及体制になっていたのです。
特にジョホール州政府の意気込みは万全を期しており、昨年の沖縄のEMウェルネスウィークには10人近いメンバーを派遣し、州や国家レベルの普及体制に入るための協力を依頼されたのです。その他、日本や他の国々のEM普及の成功例を調査し、政府としてのEM普及委員会をつくり、JAMOFと協力してかなり大規模の普及モデルをつくっています。
特に州のアハマド農林大臣は、3~4年前から自らEMを使いその効果を確認し、現場に積極的に踏み込んで生活そのものもEMライフに徹しています。今回のバイオジョホール2007の開会式には3000人近い人が参加するという大々的なものでした。当初はアブドラ首相が式典委員長を務める予定でしたが、今回は日程の都合もあり、アブドゥル・ガニ州知事が式典委員長を代行しましたが、開会式はもとより晩さん会や懇親会でもマレーシア、特にジョホール州は農業振興や環境問題をEMで解決することをアピールしていました。参加した専門家は500余人、会費が3万円(当日4万円)と聞けばその意気込みがわかるものです。
会期中に知事公舎で今後のEMの普及のあり方について話し合いました。ジョホール州としては、とりあえず州全体をEM化し、その後、マレーシア全体にEMを普及したい考えでおり、EMの総合的なモデル州づくりに強力に取り組んでいます。
EM研究機構もこの事業に積極的に協力することを約束しましたので、数年待たずして産官学が一体となった新しいタイプのEM普及モデルが完成するものと期待しています。会期中に発表されたEMの事例は目を見張るものがあり、遅れていた分が最先端に変わったという感がしています。
(2007年9月1日・毎月1日更新)
開催3日目、EM分科会において参加者が発表者に質問
展示会の様子。マレーシアで普及を行っているEM普及組織のメンバー。前列向右端が澤田さん
比嘉教授と政府(農業省高官)の会合
EMを活用したキノコ栽培農家を視察
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