連載
※ 前方の山々は自宅付近から見る那須連山

第9回 EM柴田農園直伝
「もみ殻くん炭」づくりに挑戦しませんか!〜意外と簡単、そして楽しく、おまけつき

写真は9月中旬〜下旬の秋晴れの爽やかな季節に撮影しました。
栃木県北部ではちょうど稲刈りが最盛期で、米農家さんは大忙しです。
そして、もみ殻くん炭づくりも今がチャンス!
農家さんのところへ行き、「もみ殻をください」とお願いすると「どうぞ、どうぞ、たくさん持って行っていいよ〜」と笑顔で応えてくれます。
EMボカシをつくる方は、雨に濡れる前によく乾燥した新鮮なもみ殻を来年用に確保して置きましょう。もみ殻くん炭は、土壌改良資材として、またEMさんの住処としても有効なので私は毎年作っています。



もみ殻くん炭:買えば高いが、自分で作ると格安!

もみ殻くん炭は「くん炭器」と「もみ殻」があれば、簡単に作ることが出来ます。くん炭器は3000円ぐらいで購入でき、繰り返し使えるのでお薦めです。
他には、薪、ライター、EM活性液(もしくは水)などを用意します。
もみ殻の保管には、近場のホームセンターで購入する専用の袋(もみがら袋)を利用しています。サイズ700×1200o、厚さ0.07o(薄いともみ殻が突き破ってしまいます)のもみ殻袋に、10s程度ずつ押し込みます。写真で抱えているもみ殻は重そうに見えますが、実際は見た目より軽いです。


重要なのは初めの着火

もみ殻くん炭づくりは、初めの着火が一番のポイントです。
私は種火として枯れた杉葉と細い薪を使います。火を点けて勢いよく燃え出したら、くん炭器を被せて、くん炭器の周りを覆うようにもみ殻を山高く盛ります。

煙突から赤い炎が見えるくらいの勢いがあれば着火成功です。

もみ殻は、始め少量入れて様子を見ますが、くん炭器の周りのもみ殻が黒くなってきたら、さらにもみ殻を追加します。
この手順を2〜3回(もみ殻の量次第)繰り返します。

このタイミングでお楽しみの登場です。作業が終了した時のおやつになる「蒸し焼き芋」づくりです。アルミホイルにくるんだサツマイモをもみ殻の中に入れておくだけ。
焼き芋は、時間をかけて加熱するとでんぷんが糖に変わり甘くなるので、とても美味しくできます。


時計が止まったような、静かな時間を過ごして・・

もみ殻を仕込んでしまったら、あとは完成まで静かに見守ります。右に、左に揺れる煙を見ているだけで癒されます。サツマイモも気になり、期待感も出てきます。
海外旅行のパンフレットのうたい文句にある、「南国リゾートで、時計が止まったような優雅なひととき・・」。
その優雅なひとときが「もみ殻くん炭づくり」で体験できるのです。
毎年秋の、この時期の楽しい作業です。


仕上げまでの所要時間は量によってもそれぞれですが、私の場合は24袋分(10kg×24袋)で写真のようなもみ殻くん炭の量になります。
朝の6時過ぎに点火して完成は午後2時頃。
約8時間位かかりました。




約8時間後、全体が黒っぽくなったら完成です。
時間をかけて蒸し焼きした、ホクホクの焼きイモも出来上がっています。
最高のご褒美です。


最後の大事なポイントとして、完成したもみ殻くん炭に50倍希釈のEM活性液を散布します。EM活性液が手元にない方は水でもよいと思います。私はいつも、完成した24袋分(約10s×24袋)の「もみ殻くん炭」に、500リットルのEM活性液を散布します。
過去に残り火が再発火して、翌日にもみ殻がくん炭ではなく灰になっていたという苦い経験もあるので、小さな火の気も残さないように、たっぷり散布するように心がけています。
この後、晴天が続くようだったら自然乾燥、保存する分は2〜3日かけてしっかり乾燥させます。

出来上がったもみ殻くん炭の使い方ですが、1袋分は来年用に袋詰めして保管し、残りの一部はカボチャやキュウリなど夏野菜の終了後の畝や通路に撒きます。残りのくん炭は秋野菜が終了した時点ですべて畑に撒いてしまいます。
来年用のもみ殻くん炭は、追肥として塩と混ぜる時や、育苗、定植の時に使います。


※ 野外焼却(野焼き)は法律で禁止されていますが、農業を営むためにやむを得ないものとして行われる廃棄物の焼却については例外とされ、もみ殻くん炭づくりについても認められています。 しかし、煙やにおいで周辺住民に迷惑を及ぼす場合は行政指導の対象になる場合があります。 お住まいの地域自治体の条例を確認していただき、風向きや風の強さ、時間帯、燃やす量など、周辺環境に十分配慮をして行うことをおすすめします。


【8月21日に実施した「EM柴田農園の農園見学と試食会」の報告】

栃木県に緊急事態宣言が発令されていたにも関わらず、東京や福島など遠方からも参加をいただきました。お子さん連れの方もおられました。
もちろん参加者は、これから農園や家庭菜園を始めたい方や家庭菜園をやっているけれど化学肥料や化学農薬を使いたくない方、またEM栽培に興味がある方など様々ですが、皆さん実際に見て初めて実感がわきましたと言っておられました。

農園見学後に行った試食会ですが、その場でナス、ピーマン、キュウリ、トマト(トマトは3日前に収穫し、追熟したもの)を切っただけで味付けなしのシンプルな野菜本来の味を味わってもらいました。
今回の試食会で一番気になっていたのは子どもたちの反応です。子どもたちはお世辞などなく誤魔化しがききませんからね。しかし、ナスもピーマンも、モリモリ食べて、最後にはお腹一杯になっちゃったと満足そうでホッとしました。

後日、参加者の方から「お土産にいただいた野菜を天ぷらにしたら、エビよりナスの方が美味しいと取り合いになりました」とお便りをいただきました。エビよりナス!嬉しいことです。




 【 EM柴田農園からのイベントのお知らせ】


(2021年9月30日)


【柴田さんへの質問はこちらから】→<Web Ecopure お問い合わせフォームへ>

<PROFILE>
50歳まで神奈川県で共働きをし、残業続きの忙しい日々を送っていた。定年退職まで共働きをしていればお金は貯まるし、何でも買える。 しかし健康は買えない。健康でいられたらお金は要らない。そういう思いから和明さんの父親の故郷、栃木県那須塩原市に移住して夫婦で農業を始める。健康維持のためEM生活実践中!

柴田和明(しばたかずあき)
会社退職後、約2年間栃木県農業大学校で農業を学び、その後トマト農家で1年間研修を受け就農。

柴田知子(しばたともこ)
会社退職後、東京農業大学(世田谷区)オープンキャンパスのカレッジ講座で野菜や果樹の育て方、スローフード、発酵などの講座を受講。EM柴田農園では、種まきから仮植、種取りなどの細やかな作業を担当。

Facebook:http://www.facebook.com/kazuaki.shibata.98
トップページ | EMとは? | 特集・レポート | 連載 | 投稿ひろば | 用語集 | FAQ | バックナンバー | EM情報室 | リンク集 | サイトマップ

Copyright (C) Eco Pure All Rights Reserved.