連載
※ 前方の山々は自宅付近から見る那須連山

第7回 EM柴田農園直伝
食べる前に知って欲しいトマトの"いい話"〜すごいぞトマト、医者いらず!?〜

今年(2021年)のトマトの収穫は7月6日から始まりました。
野菜の中でも真っ赤に熟したトマトを収穫するのは本当に楽しいです。
「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるように、健康に良いらしい。
そのトマトの赤の栄養素こそ、抗酸化作用がある「リコピン」。それ以外にもβ‐カロテンやビタミンCをはじめ、たくさんの栄養素が含まれていて、夏野菜の王様といってもいいでしょう。
日本ではサラダなど生食が中心だけど、海外では加熱調理や加工用としての需要が多いので世界の野菜の生産量の中ではトマトがダントツ1位です。



左が生食用(ピンク系)
左が生食用(ピンク系)、右が加工用(赤系)。ミニトマトは赤系が多い

真っ赤なトマトというけれど、実はトマトには「ピンク系」と「赤系」の2種類があります。スーパーなどで売っている生食トマトはピンク系トマト。私の農園のもそうです。
そして、日本ではあまり見かけない加熱調理や加工用が赤系トマトで、イタリア料理に使われるサンマルツアーノがよく知られています。赤系トマトには、ピンク系トマトよりさらに多くのリコピンやグルタミン酸が含まれています。


トマトは"調味料"

"グルタミン酸"―よく知られているうまみ成分ですが、トマトがすごいのはこの成分がたっぷりと含まれていることです。出汁に使われる昆布などと同じ成分です。この成分、生食よりもソースとして煮込んだり、ドライトマトにしたりすると、水分が飛び凝縮してより多くなります。家庭菜園でたくさん収穫した時や店頭で安売りしていたら多めに買ってプレーンのトマトソースを作ってみませんか。みそ汁に煮込んだトマトソースをスプーン1杯入れてみて!最高に美味しくなりますよ。
ヨーロッパでは、トマトが収穫できる時期は誰もが一流の料理人になるといわれているようです。


赤くなるまで待って!

家庭菜園のだいご味は、真っ赤に熟したトマトを収穫することですよね。
樹上で完熟させてから収穫した後、さらに常温で数日間置くと追熟して甘みとうま味が濃くなります。よく冷蔵庫で保存するという方が多いのですが、あくまでも常温保存です。食べる1時間程前に冷蔵庫に入れるのが理想的。ただし、品種や栽培方法によってはあてはまらないものもあります。
スーパーなどに並んでいるトマトの場合は、シーズンにもよりますが夏場では下記の表(熟度表)にある2番〜3番ぐらいのまだ半分青いトマトを農家さんは収穫します。そして農協から市場を経由してスーパーなどに到着するまでに赤くなり、売り場に並びます。

熟度標準表
熟度標準表


食べる前に、よ〜く見て、みて!

この写真は私の農園で収穫したトマトです。種がぎっしり、詰まって見えますね。種の周りをゼリー状のもので囲っているのも分かりますね。この部分に酸味とうま味がいっぱい詰まっているので美味しいのです。
ところで、種が全くないトマトを見かけたことありませんか。これは農薬の一種でもある「ホルモン処理剤」を使っているからです。種無しブドウではなく、種無しトマトなのです。多くのトマト専業農家さんは、確実に着果させて消費者にお届けする、という使命があるので、ホルモン処理剤は必需品なのです。EM柴田農園では、ホルモン処理剤を一切使っていませんが、市場における需要と供給のバランスに消費者の意向がおおいに影響していることを皆さんに知って欲しいです。


無農薬で長く栽培するために!

トマトを定植してから約2ヶ月が過ぎました。7月14日現在、トマトの苦手な梅雨時ですが、私の畑では気になる病害虫の被害はほとんどありません。無農薬で健全なトマト栽培ができるのはEMがあるからです。
EM柴田農園では専用の動力噴霧器を使い、朝と晩にEM散布(50倍希釈液)をすることにより病害虫から守っています。EMを使うことにより無農薬で栽培できると言ってもいいでしょう。

我が家の働きもん、動力噴霧器
我が家の働きもん、動力噴霧器

朝晩トマトにEMを噴霧しています
朝晩トマトにEMを噴霧しています


霜が降りるまで収穫するための管理
まだ第1花房の収穫が始まったばかりですが、これから11月中旬頃の霜が降りるまで、約15段の収穫が続きます。
11月までの収穫作業以外に行う作業は次の通りです。
  1. 収穫したら花房下の葉を取る
  2. わき芽を欠く
  3. 誘引(斜めに・花房を通路側に向ける)
  4. 梅雨明けまでは1日おきに。梅雨明け後は毎日EM活性液(50倍希釈液)をハウス内に設置した灌水パイプ1本につき2〜3リットルくらいを灌水
  5. 2週間に1回の追肥(1u当たり塩100g、EMボカシ100g)を畝間(通路)に

こうして病害虫の被害はほとんどなくトマトは元気に育っていきます。
次回(第8回)は、キュウリ、ナス、カボチャなどの夏野菜を紹介します。


2021年7月18日現在。第2花房の収穫が始まり、第8花房の花が咲いています

(2021年7月29日)


【EM勉強会の報告】
2021年6月20日に栃木県矢板市でEM勉強会「EMを使ってこれからの新しい生活様式を考える」を行いましたので、その報告です。
会場は廃校になった小学校校舎で、なんとなく小学生になった気分!
矢板市では初めての開催で、コロナ禍に関わらず21人の参加者で教室が狭く感じられました。


<話しのポイント>
・私たちの今の生活は菌やウイルスなど、人間にとって良い微生物も悪い微生物もすべて消毒で皆殺しにする生活が正しいと思い込んでいませんか。
・でも、その生活ちょっと待った!
・消毒で皆殺しにするのではなく、良い微生物(EM)を生活の中に取り入れて、健康にも環境にも良い生活をしませんか。

<まとめ>
参加者の中には、EM活性液をつくる(培養する)のが大変だけど、手軽にEMWなら使ってみたいという方が何人もおられました。
また、EM活性液を薄めて部屋や台所、ふろ場にスプレーする方法やEMWとホワイトリカー、アロマオイルを使ったオリジナルの消臭液のつくり方(「おしえて今村さん 第2回」)を紹介したところ、たくさんの方が興味を示しました。コロナ禍では、誰でもEMを手軽に活用できる方法が必要なのだとあらためて感じました。


【 EM柴田農園からのイベントのお知らせ】

<農園見学と試食会>
2021年8月21日(土曜日)13:30〜

EM柴田農園では化学肥料や農薬を使わずに野菜を栽培しています。
でも、「夜中こっそり農薬を撒いているんじゃないの?」って言われたことがあります。
「農薬を使わないで病害虫の予防はどうしているの?」
「有機肥料で育てた野菜は美味しいの?」
このように思っている方々に実際に野菜を見て食べてもらって、納得していただこうとの企画です。




【柴田さんへの質問はこちらから】→<Web Ecopure お問い合わせフォームへ>

<PROFILE>
50歳まで神奈川県で共働きをし、残業続きの忙しい日々を送っていた。定年退職まで共働きをしていればお金は貯まるし、何でも買える。 しかし健康は買えない。健康でいられたらお金は要らない。そういう思いから和明さんの父親の故郷、栃木県那須塩原市に移住して夫婦で農業を始める。健康維持のためEM生活実践中!

柴田和明(しばたかずあき)
会社退職後、約2年間栃木県農業大学校で農業を学び、その後トマト農家で1年間研修を受け就農。

柴田知子(しばたともこ)
会社退職後、東京農業大学(世田谷区)オープンキャンパスのカレッジ講座で野菜や果樹の育て方、スローフード、発酵などの講座を受講。EM柴田農園では、種まきから仮植、種取りなどの細やかな作業を担当。

Facebook:http://www.facebook.com/kazuaki.shibata.98
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