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左から茜に吹く風のオーナーの傍嶋さんと小見山さん
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今年4月に茜に吹く風で行われた、佐藤初女さんの講演会の様子
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茜に吹く風を支える中高齢者のスタッフたち。花島さん(上)岡本さん(下)
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なずな農園の武山夫妻(中央)。左は茜に吹く風の店長の小林さん
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お問い合わせ
ティア茜に吹く風
岐阜市茜部寺屋敷1−6
TEL:058−275−0369

営業時間
ランチ
11:30〜15:00
大人¥1600など
ディナー
17:30〜21:30
大人¥1700など
終日店内禁煙。喫煙所は店外店舗出入り口

【第6回】 岐阜・茜に吹く風
●食事でからだに、音楽でこころにやさしさを・・・
ピアノの演奏を聴きながら、家族で食事をする──"きっと高いだろうな、贅沢かしら・・・"。主婦ならばそう思うでしょう。手抜きではなく、家族と共にゆったりとした時間を取り、美味しいものを食べることで、リフレッシュし、日常の喧騒を忘れさせてくれる一時を味わえる、ティアー岐阜店「茜に吹く風」は、そんな希望をリーズナブルな価格で応えてくれるレストランです。

JR岐阜駅から車で約10分、宅地化が進んでいるとは言え、まだまだ農地が点在する茜部地区。昨年11月にオープンした「茜に吹く風」の懐かしい姿があります。オープニングレセプションに出席して以来、2度目の訪問が何とも言えない懐かしさを感じるのはどうしてでしょう。

平屋建てだけれど、室内は総吹き抜けになっていて、外観は2階建てのように見えます。外壁が色を抑えたサーモンピンクで、ふんわりと温かい。ランチ時とあって、広い駐車場に車が続々と入ってきます。緩やかなスロープに誘われてバリアフリーの店内へ。

ティアのコンセプトは、これまでの連載内容で読者の方はご存じかと思いますが、有機野菜や安全な食材を使ったビュッフェスタイルの家庭料理レストランで、熊本を本店に全国展開し、岐阜店は12店目となります。

オーナーの傍嶋(そばじま)芳朗さんと小見山千鶴子さんは、ティア創業者である元岡健二社長の考えに共鳴し、追っかけをすること約3年。その間、全国にあるティア店を行脚し、“食を提供するだけでなく、音楽会や講演会を催すことができる場、地域に役立つ情報発信基地をつくりたい”と、自分たちでティアを開店する想いを固めました。

店内に設けられたステージと最高級のグランドピアノや音響設備は、その象徴と言えます。プロのピアニストが絶賛する名器「ベーゼンドルファー」(オーストリア・ウイーン製)は、傍嶋さんが「本物の音」と、惚れ込んで購入したもので、種類によっては家が一軒建つそうです。時にはフルートやチェロ、オカリナ演奏の場合もあります。生演奏はディナータイムのみですが、時折ランチにも飛び入り演奏があって、、プロの奏者が奏でる音色に「心が洗われ、癒される」とお客さんも大喜びです。

これまでに、ウイーン岐阜管弦楽団団員によるチェロとピアノのデュオ演奏会や、映画「ガイアシンフォニー・森のイスキア」で知られる佐藤初女さんの講演会などが催されました。

●スタッフ募集は年齢不問で全員採用
午前11時半の開店を前に、9時45分の朝会では、昨日の売り上げや反省などが各担当者から発表されます。お客さんから寄せられたアンケートが読み上げられ、反省点や改善点を確認し合い、従業員も忌憚なく意見や提案をします。傍嶋さんと小見山さんも同席していますが、一連の様子を安心して見守っています。

スタッフを見渡すと若い人より中高齢者が多いようです。昨年、オープンを前にして行った従業員採用のエピソードですが、募集広告を出したところ、問い合わせが殺到。1日10人以上の面接を担当した副店長の石川裕子さんは、「面接が人生相談になる場面もあって・・・」と話します。

結局、断ることなく、最終的に応募者全員42人を採用することになりました。最高齢者68歳の人生ベテラン者や元レストラン経営者、板前、主婦など職歴も様々です。

専業主婦だった花島充子さん(61歳)は、「年齢不問に惹かれて応募したの。人生お裾分けの年代に入ったので、好きな料理でお役に立ちたい」と張り切ります。岡本豊二さん(59歳)は、和食料理店を経営していますが、昼のみ「茜に吹く風」の厨房に立っています。「技術を超えた素材の力、自然の力に驚いています。素材を活かした料理をつくろうとする意欲が湧いてきます」と話し、「客単価は低いのにサービス面がきめ細かく、サービスのあり方を教えられています」と経営者の目でも見ています。

お客さんの目から見ても、「厨房に年季の入った方がいると、料理づくりに違和感がなく安心感につながる」と好評を得ています。若いスタッフと中高齢者のコラボレーションが、よい意味の緊張感と豊かさをもたらしているようです。

●「食」を演出する、すべてのつくり手
ティアの場合、佐世保漁協から揚がる上がる規格外の魚介類を「もったいない魚」として入手することはできますが、旬の野菜などは近隣の有機農法生産者を開拓しなければいけません。市内にある「(有)なずな農園」(武山洋子代表)は契約農家の1つで、自然農法歴15年、全国農協中央会会長賞など多くの受賞歴があります。「農業は楽しい。日本一安全な野菜をつくっているという自負がある」と話す武山さんに、傍嶋さんと小見山さんは本物の農業人を見ています。

武山さんも、「不揃いだったり、最盛期に穫れすぎる野菜も気持ちよく引き取ってくれるので安心して生産できます」と笑みを浮かべます。

ランチ時の店内で、若い男性会社員3人組に話しを聞いてみると、「日頃、不規則な食事をしているので、美味しくて体に良い食事をとりたくて来ています。3回目かな。特に野菜の味がいいです。素材そのものの味がします」と喜んで食べていました。現在3人目を妊娠中の主婦は、「素材にこだわっていて、野菜をたくさん食べられるのがいい」。これを聞いた小見山さんは、「うれしいですね。本物の味が分かってもらえて。生産者冥利です」と喜びます。

実は小見山さんは、米と野菜をつくる自然農法生産者で、同店の食材のベースを担っています。早朝畑を見回り、その日収穫できる野菜やテーブルに飾る花を摘んできます。畑に立てた看板には「EM農法」「自然農法」の説明を記述し、「自分たちの姿勢を通して、本物づくりのメッセージが地域に広がっていったらいいな」と、小見山さんは想いを込めています。

こうして運び込まれた朝取り野菜は、意気のあった厨房スタッフによって調理され、メニューに載っていくのです。

ディナータイム、職場帰りのグループや家族連れが多くなり、常連さんの顔も多く見えます。この日はピアノ演奏で、20分を一区切りに5回の演奏がありました。クラッシックだけでなくポピュラーや映画音楽もアレンジして弾かれていました。店内の雰囲気はゆったりと流れ、一瞬、テーブルを囲むお客も、ステージ上の演奏者も、フロアーや厨房のスタッフも、一皿に盛り付けられた料理の数々も一様に“この場”のつくり手としての“顔”になったように思いました。

傍嶋さんは今後の課題に子育て支援を考えています。「知り合いの産婦人科医とも話しているのですが、お母さんたちの間に母乳で育てるグループが広がっていると言います。安全な食を提供する者として、母乳の出が良くなるメニューや乳母車で来店できるコーナーの設置を検討しています。良い食育は、赤ちゃんがお腹にいる時から始まっているのですから」。ティアが提唱する食のあり方を地域へ情報として発信し、地域に根づかせようとしているスタッフの皆さん。

「“こだわっていますね”と言われることが多いのですが、こだわりではなく“本物”を求めているのです。お客様には、一度ファンになったら永久ファンになっていただきたい」と茶目っ気たっぷりに話す傍嶋さん。傍らでにこやかに見守る小見山さん。

ハイ、私も永久ファンの1人になります。[2007/6/15]

(鹿島祐子)

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