今回は、おなかを発酵させるための食べ方として、図の①「よく噛む」について説明します。
PROFILE よしだ・としみち NPO法人大地といのちの会理事長。1959年、長崎市生まれ。九州大学農学部大学院修士課程修了後、長崎県の農業改良普及員に。96年、県庁を辞め、有機農家として新規参入。(つづく↓) 生ごみリサイクルの時、土が腐敗しないために生ごみを小さくすることはとっても重要です。昔、ある中学校で魚の内臓や頭をよくつぶさずにそのまま土に埋めて、数日後その土を耕したら、3階の教室の生徒たちが臭いと騒ぎ出したことがありました。それくらい強烈な腐敗臭がしたのです。 ところが、魚の内臓や頭をEMボカシと一緒にビニール袋の中に入れ、袋の上から木づちで叩き潰したものを土によく混ぜると、数日後耕した時に腐敗臭は一切しませんでした。 つぶして表面積を増やし、土によく混ぜたことで魚の遺体がスムーズに次の生命(微生物)の中に取り入れられた(発酵分解した)のです。 つぶすかつぶさないかの違いは、命の循環のルートを大きく変えてしまうわけです。私たちの身体にとっても、よく噛むかどうかはその後の発酵、消化吸収に大きな違いをもたらすことは容易に想像できます。 噛んで促す唾液の効能 さらに、食べ物をよく噛むということは発酵しやすくするだけに止まらず、さまざまな素晴らしい効果をもたらすことが分かっています。 (↑つづき)99年、佐世保市を拠点に「大地といのちの会」を結成し、九州を拠点に生ごみリサイクル元気野菜作りと元気人間作りの旋風を巻き起こしている。2007年、同会が総務大臣表彰(地域振興部門)を受賞。2009年、食育推進ボランティア表彰(内閣府特命担当大臣表彰)。長崎県環境アドバイザー。主な著書は「生ごみ先生の元気野菜革命」「いのち輝く元気野菜のひみつ」「生ごみ先生のおいしい食育」「まるごといただきます」など。 消化吸収に効果があるのは当然でしょうが、集中力向上にも効果が高く、やる気スイッチが入ることも分かってきました。 ある小学校の校長先生が私の話を聞いて、とりあえず1か月間、一口30回噛むことを実行したところ、毎月定期的に歯の掃除に通っていたのですが、歯医者さんから「歯茎がきれいになっているのですが、何かされたのですか?」と聞かれて、噛むだけでおこった変化に校長先生も歯医者さんもびっくりしたそうです。 また、最近の若者特に女性に慢性の便秘が多いのですが、「よく噛んで食べる。夜はおなかを回す」または、「夕食前に間食をしない。夕食はよく噛んで食べる」を実行しただけで、すぐに便秘改善した例はいっぱいあります。なかでも、「コロコロウンチが4日〜7日に1回しか出ない。トイレに行くと痛くて泣いてしまう」という小学生の女の子がいて、便秘薬を飲んでも効かなくなっていたそうですが、間食をやめてよく噛んで食べたら、すぐに効果が現われてびっくり!母親から、「体質だとあきらめていました。どうしてもっと早く教えてくれなかったの?」と言われたくらいです。 飲み物は後で!それだけでスイッチオン"食育" それくらい重要で、お金もかからない「よく噛む」という行為。ところが、これが一番実行するのが難しい!!だって、「よし!よく噛むぞ!」と思って食べていても、ちょっと他のことに気を取られると知らない間に飲み込んでしまっているのですから。これをどうやって実行させるか?まずは、やはり上のイラストのようによく噛まないと食べられない料理を増やすことでしょう。もうひとつ、どうしても噛んで食べざるを得なくなる素晴らしい方法があります。その答えは、下の写真に表れています。 この写真は、第1話で紹介した香川県三豊市の仁尾小学校の学校給食の風景です。給食はほとんど食べ終わっているのに、牛乳がいっぱい残っています。この小学校の昼食では、児童も先生も全員、「いただきます」のあいさつの後、ほんの少し牛乳を飲んでフタをします。あとはすべて食べ終わってから最後に牛乳を飲むのです。飲み物がなければ、よく噛んでつばを出さないと食べ物を飲み込めません。これをパン給食のときもやっています。だから、児童はみんなよく唾液が出るようになりました。 食べ物を飲み物で流し込まず、よく噛んで唾液を出して食べる。これは昔の日本人は普通に徹底していたことです。実は私も子どもの頃、これをじいちゃんから厳しく叩き込まれました。ごはんが口の中にあるときに味噌汁を入れてもいけないのです。だから、50を過ぎた今でもよくつばが出ます。講演中に水を飲むこともまずありません。今頃になって、厳しかったおじいちゃんに心から感謝です。 私の提案を実行して、食事中は牛乳もお茶もテーブルに置かない保育園もだいぶ増えてきました。どうしても飲みたくなったら、席を立って飲みに行けばいいのです。そこでは、子どもたちの病欠日数がはっきり減っています。小中学校の食育も、こんな、昔だったらあたり前のことから、すぐに実行して欲しいものです。 (2014年8月8日) << 第6回 おなかを手で回そう 第8回 あいうべ体操と空腹 >> 吉田俊道さんの講演会情報 第1回 菌ちゃん野菜応援団全国交流会 inふくおか2014 8月10日(日) 13:30〜 11日(月)12:00 場所 おなか元気居酒屋まんまる(福岡県久留米市) 申し込み tomokazuyukihiro@yahoo.co.jp 菌ちゃん野菜作りの実演とお話 8月20日(水) 14:00〜17:30 場所 株式会社きたやま南山(京都市左京区下鴨北野々神町31) 主催 いただきます・ありがとう恊働隊(農林水産省「フードチェーン食育モデル事業」) 申し込み http://goo.gl/2ph44X 日野町エコライフ推進大会(講演会) 8月24日(日) 9:30〜11:30 場所 日野公民館(滋賀県蒲生郡日野町中道2-12) 主催・問い合せ 日野町エコライフ推進協議会 電話0748-52-6578(役場・住民課内) 天然住宅セミナー「子どものからだと菌ちゃん農法」 8月30日(土) 13:30〜16:30 場所 もあな保育園(神奈川県横浜市都筑区) 主催・申し込み http://tennen.org/news/2014/07/2177/ 菌ちゃん野菜作り研修会 8月31日(日) 13:00〜17:00 場所 岡山県和気町 内容 生ごみリサイクル菌ちゃん野菜の話と畑で実演。食改善法。 9月1日(月) 18:00〜21:00 場所 市民参画センター(広島県福山市本町・福山駅より徒歩5分) 申し込み FAX:084-294-2431jza03215@nifty.ne.jp ※詳しくはこちらをご覧ください。 大地のいのちの会 行事予定 http://yoshi3yasai.web.fc2.com/yotei.html
PROFILE よしだ・としみち NPO法人大地といのちの会理事長。1959年、長崎市生まれ。九州大学農学部大学院修士課程修了後、長崎県の農業改良普及員に。96年、県庁を辞め、有機農家として新規参入。(つづく↓)
ところが、魚の内臓や頭をEMボカシと一緒にビニール袋の中に入れ、袋の上から木づちで叩き潰したものを土によく混ぜると、数日後耕した時に腐敗臭は一切しませんでした。
つぶして表面積を増やし、土によく混ぜたことで魚の遺体がスムーズに次の生命(微生物)の中に取り入れられた(発酵分解した)のです。
つぶすかつぶさないかの違いは、命の循環のルートを大きく変えてしまうわけです。私たちの身体にとっても、よく噛むかどうかはその後の発酵、消化吸収に大きな違いをもたらすことは容易に想像できます。
噛んで促す唾液の効能
さらに、食べ物をよく噛むということは発酵しやすくするだけに止まらず、さまざまな素晴らしい効果をもたらすことが分かっています。
ある小学校の校長先生が私の話を聞いて、とりあえず1か月間、一口30回噛むことを実行したところ、毎月定期的に歯の掃除に通っていたのですが、歯医者さんから「歯茎がきれいになっているのですが、何かされたのですか?」と聞かれて、噛むだけでおこった変化に校長先生も歯医者さんもびっくりしたそうです。
また、最近の若者特に女性に慢性の便秘が多いのですが、「よく噛んで食べる。夜はおなかを回す」または、「夕食前に間食をしない。夕食はよく噛んで食べる」を実行しただけで、すぐに便秘改善した例はいっぱいあります。なかでも、「コロコロウンチが4日〜7日に1回しか出ない。トイレに行くと痛くて泣いてしまう」という小学生の女の子がいて、便秘薬を飲んでも効かなくなっていたそうですが、間食をやめてよく噛んで食べたら、すぐに効果が現われてびっくり!母親から、「体質だとあきらめていました。どうしてもっと早く教えてくれなかったの?」と言われたくらいです。
飲み物は後で!それだけでスイッチオン"食育"
それくらい重要で、お金もかからない「よく噛む」という行為。ところが、これが一番実行するのが難しい!!だって、「よし!よく噛むぞ!」と思って食べていても、ちょっと他のことに気を取られると知らない間に飲み込んでしまっているのですから。これをどうやって実行させるか?まずは、やはり上のイラストのようによく噛まないと食べられない料理を増やすことでしょう。もうひとつ、どうしても噛んで食べざるを得なくなる素晴らしい方法があります。その答えは、下の写真に表れています。
この写真は、第1話で紹介した香川県三豊市の仁尾小学校の学校給食の風景です。給食はほとんど食べ終わっているのに、牛乳がいっぱい残っています。この小学校の昼食では、児童も先生も全員、「いただきます」のあいさつの後、ほんの少し牛乳を飲んでフタをします。あとはすべて食べ終わってから最後に牛乳を飲むのです。飲み物がなければ、よく噛んでつばを出さないと食べ物を飲み込めません。これをパン給食のときもやっています。だから、児童はみんなよく唾液が出るようになりました。
食べ物を飲み物で流し込まず、よく噛んで唾液を出して食べる。これは昔の日本人は普通に徹底していたことです。実は私も子どもの頃、これをじいちゃんから厳しく叩き込まれました。ごはんが口の中にあるときに味噌汁を入れてもいけないのです。だから、50を過ぎた今でもよくつばが出ます。講演中に水を飲むこともまずありません。今頃になって、厳しかったおじいちゃんに心から感謝です。
私の提案を実行して、食事中は牛乳もお茶もテーブルに置かない保育園もだいぶ増えてきました。どうしても飲みたくなったら、席を立って飲みに行けばいいのです。そこでは、子どもたちの病欠日数がはっきり減っています。小中学校の食育も、こんな、昔だったらあたり前のことから、すぐに実行して欲しいものです。
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