1974年に『浜田地区手をつなぐ親の会』(現在の『浜田市手をつなぐ育成会』)が中心となり知的障がい者更生施設「桑の木園」を設立した。設立当初より障がい者が地域で普通に暮らし、普通に働く環境を作ることを目指す。
@ EMボカシづくりは、生活介護事業所「桑の木園」での生産活動として1996年より取り組む。地元園芸愛好家への直販に併せ、浜田市環境課と共同で「生ごみリサイクル」啓発に取り組む。市民が手軽にEMを利用できるように市のごみ袋配布(販売)ルートに「EMボカシ」を載せて市内全域に販売網が広がっている。
A EMを活用した養鶏は、1994年頃より鶏舎内にEM活性液の散布による環境の保全に併せて、飼料にもEMボカシT型を配合し、鶏の健康改善に努める。近年は浜田市との協同で、給食センターより出る残菜をEM処理し、養鶏飼料としてリサイクル利用。この養鶏場からできる鶏糞たい肥は、良質肥料として有機農業に最適と人気が高く、施設でも露地野菜栽培に活用している。
B 2013年より、乗馬施設「かなぎライディングパーク」の経営を始め、現在17頭の乗用馬を飼育し、施設内にEM活性液の定期的な散布をしている。身体的、精神的にデリケートな面を持っている馬だが、EMの活用で環境が改善され、健康状態はすこぶるよい。馬が落ち着いている様子やニオイのない清潔な厩舎に来場者は驚かれ、喜んでいただけている。さらにこの馬糞たい肥は、有機JAS農家に好評。
【比嘉教授講評】
みんなで考え、協力して地域に役立つしくみを広げているのはすばらしい。ことに乗馬施設は、健康と癒しの空間として期待したい。福祉施設が、EMを活用して耕作放棄地を畑に変える事例も出てきている。情報交換をして、施設でのEM活用を広めたい。