第19回全国EM技術交流会関西大会in京都(主催:同実行委員会)が3月14日、京都パルスプラザ・稲盛ホールで行われ、沖縄から北海道まで約600人が集い、立ち見もでるほどの盛況ぶりでした。この大会は、全国EM普及協会が中心となり年1回開催されているもので、EMの農業利用での優れた事例を学ぶことからスタートし、その後、生ごみリサイクル、河川浄化、教育、福祉、医療、建築など応用範囲が広がると共に多様な事例を公開する情報交換の場として行われています。

今回は、専業農家から家庭菜園実践者まで近畿2府4県13事例が発表されました。いずれも、農薬・化学肥料を使わない自然農法をベースにEMを活用したもの。発表者は、70代から40代までで、ことに農業者としては若手である40代の専業農家3人は、汚い、きつい、かっこ悪いと言われがちだった農業のイメージを一変する、明るい魅力に溢れた存在感で会場を圧倒しました。

大会オープニングでは、京都出身の横笛奏者・福井幹(つよき)さんが、自然への祈りを響きに込めて奏で、NPO法人関西EM普及協会会長・足立正實同大会実行委員長が、「自然界の有用微生物群を生かした農業や環境浄化などの技術を一緒に学び、安全で安心し暮らせる生活ができるよう、そして子どもたちや孫たちに美しい地球が残せるよう、みんなで考えていきたい」と挨拶。昨年の同日に行われた東日本大震災復興推進を目的にした宮城県七ヶ浜大会に触れ、これからも東北の復興を支援していこうと呼びかけました。






講評と講演を行ったNPO法人EM普及協会会長の比嘉照夫名桜大学教授は、「強力な量子のもつれをほどき、質量を元に変える働きが有用微生物群(EM)にあり、この性質がすべてを蘇生の方向へと向かわせる。錆びをとるという日常的な働きから、放射能の減少まで、まったく同じ原理で起こっている。同時に電子の流れを正常にする整流作用もそこに起こる。作物も人間の健康も、電子の流れを整えることで得られる。この働きを理解した上で、質のよい活性液をつくり、効くまで使うことが大事。また、微生物の活性をはかるために海水の使用をあたらめて提案したい。宇宙からくるエネルギーを微生物が呼び起こして元素転換していることは、すでに電子工学の専門家である関英男博士によって解明されている。また、フランスのケルヴランは、生体の内部での酵素作用によって元素転換が生じていることをすでに1960年代に発表している。ぜひ、参考にしてもらいたい」とEMの性質である抗酸化、非イオン化をのみこんだ上で、重力波への理解を求めました。 大会資料のお求めはこちらから
http://emlabo.co.jp/book_dvd/index.php#hbook



事例発表

事例1

いきものとともにいきる
てんとう虫畑のオーガニック
梅本農場代表
梅本 修(京都府)

1997(平成9)年に大手食品メーカーを辞め、新規就農。農薬問題になっている野菜が学校や病院へ配達されているのを知り、子どもたちや病人に本当に健康な野菜を届けないといけないと感じた。.以後「子どもたちのために安全な野菜をつくる農業」を決意し、山を切り拓いた土地を住宅造成地=異常な土地を自然の循環のある普通の土地に変えていった。落ち葉と刈り草などの森のいのちと、海水や海草などの海のいのちを造成地に入れ、有用微生物群(EM)をまき続け、自然な土壌に戻るスピードを100~1倍に早めて、自然界における土ができてゆく過程を畑に再現した。水はけの悪い土地には、話題になったヤマカワプログラムにEM発酵液を加えるなど、いいと思える方法にEMをプラスしている。その結果、多品目の野菜が、健康に育つ土壌ができてきた。

こうしてできた野菜を学校給食に使ってもらうために地元の農家7名と「給食委員会」をたちあげ、食材の提供や食育授業を行い、行政や教育委員会に働きかけている。また、「未来の食卓研究会」を組織して、子育て中やこれから子育てする若い女性を中心に、「食べ物とは命を頂くこと」「家族のだんらんを大切に」といった勉強会を行っている。オーガニック農家を育てるために技術勉強会も定期的に開催し、次世代の子供たちが健康で幸せに暮らせる、オーガニックであることがあたりまえの社会=「オーガニックスタンダード」を構築したい。

http://lib.ruralnet.or.jp/genno/yougo/gy196.html


●経営面積 400a (ビニルハウス5棟(13a))
●労働力 家族・研修生4名・パート数名
●自然農法開始 2005(平成17)年
● 栽培品目と品種
  にんじん・玉ねぎ・ジャガイモ・甘藷・トマト・ナス・大根・かぶ・ネギ・ズッキーニ・かぼちゃ・キャベツ・ブロッコリー・カリフラワー・小松菜などおよそ120種類。

 
★EM自然農法 梅本農場 http://www.umechanfarm.com/

事例2

EMとの出会いから始まった大規模農業
吉田農場代表
吉田 道明(滋賀県)

EMと出会い、生き方としての「かっこいい農業」を目指して、30歳で飲食業から農業へ転職。「安全でおいしいお米を出来るだけ多くの方に安く提供する」を掲げ、お米づくりのコンセプトを明確にすることで、他の一般のお米との差別化をはかった。親の50反から耕作面積を380反に拡大し、大規模経営でも有機農業ができると確信した。また、食味においては、2006年に食味コンクールで金賞受賞してから、特別賞を2回受賞するまでになった。「漢方のような米」をコンセプトにした「長寿米」というブランドを確立。「値段の割に無農薬栽培で安心でおいしいお米が食べられる」とたくさんのお客様の評価を得ている。毎年なにかしらの失敗をして、反省と勉強を続けているが、米づくりの素人でも、ここまで展開できたのは、EMのお陰と感謝している。

1年間のEM使用例

3月  めぐみ有機(EM堆肥)60キロ~100キロ/10a 散布
4月  EM1号 500倍から1000倍活性液を1回目代かき時に30~50?/10a点滴散布
田植え後10日以内に 50~100?/10a 流し込み
田植え後1ヶ月あたりで EM3号活性液を10~30?/10a 流し込み
収穫後、出来るだけ早く、秋起こし
10月  EM活性液30~50?/10a散布

●水稲栽培 380反
 無農薬無化学肥料栽培(無農薬のこしひかり・長寿米 110反
 無農薬の夢ごこち  50反
 滋賀県環境こだわり農産物・滋賀羽二重もち 30反
 低農薬米 20反
 普通栽培・飼料米 100反
 赤米 70反)
●従業員 3名 契約社員 2名
●年商 7000万円
●就農 平成12年(現在14年目 46歳)
 
★吉田農場https://www.yof21.com/

事例3

EMの多目的な活用で生産物の販路拡大
紀州大地の会
園井 信雅(和歌山県)

1996年(平成7年)からEMに着目して米やミカンの有機農家と流通販売・消費者をつなげる活動を行っている。有機農家が共同して使う事業系生ごみたい肥事業を和歌山再資源化事業協同組合と連携して立ち上げ、地域に密着した循環型農業を実現している。

この生産物流通に注いできた約20年間の活動を報告したい。第1期は、1995(平成6)年から2004年(平成15年)で、EMに対する多様な期待感に応えまくった期間。在和4大紙で呼びかけをして「和歌山EM活用研究会」を発足。リサイクルに関心の高い女性たちは、家庭生ごみのたい肥化のやり方に興味を持ち、県内各地の婦人会より問い合わせが続いた。このリサイクルブームを背景に“EM技術への期待感”に対応して、各地の行政機関、婦人部、小学校、企業へのボランティア活動の全面展開が、2003(平成12)年ごろまで続いた。これに合わせて、当初の2年間に3回、和歌山市、海南市、田辺市、吉備町で連続的に比嘉教授を招いて講演・研修会を開催し、延べ2000名あまりが参加し、吉備町では農業から環境、福祉分野まで10名の事例発表も実施できたが、農産物の生産販売までは至っていなかった。

第2期は、2005年(平成16年)以降、EM活用の多様なボランティア活動で知り合った人たちの中から、有機米購入の希望者が増えていき、農産物の販路が本格的に開拓した。きっかけとなったのは、週2回、17万部発行の地元紙「ニュース和歌山」が“私たちの活動と有機米購入者募集!”を掲載し話題に有機米の購入者が相次いだ。また、有機ミカンが大量に売残るに事態となった時には、都会へ発信したところ、大手百貨店が応じて販路ができた。ピンチをチャンスとして取引先へのさまざまなアプローチを工夫しつつ販路拡充・維持してきた。今後は、品質の維持・向上に加えて、今ある需要量の増加、新規アイテムの提起などしていきたい。ことにEMたい肥による田植後の初期雑草をほぼパーフェクトで抑制できる、特許を取得した新技法が確立できたので、今年の有機米づくりのあり方を、大きな構想のもとに組み立て直したい。



★紀州大地の会http://alter.gr.jp/Preview2.aspx?id=1335&cls=

関連記事
http://www.ecopure.info/special/2008/001/reportage03/index.html

事例4

光合成細菌と米ぬかでつくる光ボカシ
イーエムテックフクダ顧問
福田 稔(大阪府)


アミノ酸は植物、動物、すべての生命体をつくる物質なので、アミノ酸の生成がスムーズにできるかどうかが、生物の成長にとって一番重要。EMボカシは、EMと米ぬかでつくるが、光ボカシは光合成細菌と米ぬかを原料にする。光合成細菌を用いると短期間で通常のEMボカシの5倍のアミノ酸が含まれることが分析によって判明している。光合成細菌を使用することで、①ウイルスに起因する病気を防ぐ、②有用放線菌が増えるため病虫害が減る、③収量アップ (特に根菜・実野菜)、④実の日持ちがよい、⑤畑や水田にまくと土の中の未分解有機物をアミノ酸に変換するなどの効果が期待される。

光合成細菌と米ぬかをまぜて湿度の高いところに置いておくと、米ぬかの色から徐々に褐色に変化していくが、これは発酵によってできるアミノ酸と糖が結合し、メラノイジンという非常に抗酸化力の強い物質ができるためで、色が濃いほどアミノ酸の量が多い。早く効果を出したいときは光ボカシを水に溶かし葉面散布する。光合成細菌を上手に培養して農業利用することが、安全な作物生産には不可欠で、ぜひ挑戦して欲しい。

1)光合成細菌の培養
・基質 : PSB培基 200ml
・種菌 : EM3又は培養した光合成細菌2000ml
・培養容器 : キュービテナー20L用
・水  水道水 17.8L (20L培養のとき)

[手順]
①キュービテナーにPSB培基200mlと水道水 17.8Lを入れる。
②種菌のEM3又は培養した光合成細菌を2000ml入れ、空気を抜き栓をする。
③3月中旬~11月中旬は直射日光の当たるところに置いておけば1週間~2週間で濃い紅色になる。11月中旬~3月中旬までは、専用のライトと加温が必要。
④出来上った光合成細菌はなるべく早く使用のこと。長く保存するときは、1ヶ月~2ヶ月に一度20Lに対して50ml~100mlのPSB培基を与える。

2)光ボカシのつくり方
・米ぬか 3kg
・光合成細菌 800ml~1000ml(10倍に薄めたものでもよい)

[手順]
①米ぬか、光合成細菌をよく混ぜ、ビニール等の袋に入れ空気をしっかり抜き密封容器に。
②温度の高いところ(容器ごと直射日光のあたる所)に置く
③褐色が濃くなれば完成

 
●EM暦 29年
※PSB培基についてはイーエムテックフクダのHPで
http://emtec-fukuda.com/SHOP/188.html

事例5

トマトの水耕栽培のEM利用
トマトハウス橘代表
橘 大三郎(大阪府)


水耕栽培の最大の弱点のひとつ高温期における根の劣化腐敗に悩まされていたが、EM活性液を使うと根腐れや葉カビ、うどんこ病などに顕著な効果があり10年間は問題なく生産を続けていた。しかし、近年多くのトマト農家が頭を悩ますシルバーリーフコナジラミを媒介昆虫とする黄化葉巻ウィルス病にかかり、壊滅的な被害を受け、一時は廃業も覚悟した。

この危機を脱するためにかなりの頻度で濃い濃度(葉面散布なら100~300倍)の光合成細菌を使用したところ、黄化葉巻病に効果を得た。トマトの不治の病とされている病気で、新芽が復活して正常に戻ることは通常では考えにくい。これは、光合成細菌の代謝物がウィルスの活性を止める効果があり、光合成細菌を使うと自然に発生する放線菌が、殺菌効果を出すと考えられる。また、光合成細菌の効果として、①食味の向上、 ②収穫期(トマトが赤づく)が1週間以上早くなる、③生殖成長促進し、花が格段に増え実もよく結実し、収穫量が増える、④果実の色がつやつやになる、⑤ダニ、コナジラミなどの害虫発生が劇的に減るなどが観察された。

今後は、NASAが宇宙ステーションでの食糧自給(VEGGIEと呼ばれる宇宙野菜栽培プロジェクト)を試みたものの水が腐敗し失敗したというが、この難しい技術を勉強して世界でも珍しい有機水耕栽培の確立を目指したい。

●水耕トマト栽培 450坪
●品種 桃太郎ファイト、中玉ミディトマトを中心に年二作
●就農 平成12年(現在15年目)
● 菜の花ファミリーで研修
● 直販

     
  下段 黄化葉巻病で黄変 →   中段 葉の色が回復 →   上段 ほぼ通常の葉の色に




家庭菜園事例発表

家庭菜園・事例1

  

自然農法で家庭菜園を
   奈良自然農法家庭菜園普及会
   乾 武司(奈良県)

自然農法の創始者・岡田茂吉師の思想や、理念に感銘をうけた仲間約300人が参加し、6ヶ所の実践圃場で自然農法による家庭菜園を楽しむ。主な活動は、①自然農法で家庭菜園をやりたい人への情報発信―食育、活動計画などを掲載する情報誌「土のいぶき」と、地域にあった月々の標準的な栽培管理や作業内容、裏ワザや旧暦による天気予測、コンテナ栽培のシリーズなどを掲載した月刊誌「家庭菜園作業12カ月」の発刊、②自然農法には欠かせないたい肥やプランター培養土の斡旋―地元業者と生薬の絞り残渣とEM活性液(10倍)で熟成した薬草たい肥。春と秋には、この堆肥を利用して自然農法に準拠したプランター培養土を斡旋している。③EMボカシU型(2年物完熟)でプランターでの不耕起栽培 を推奨、④自家採種のすすめー自然農法育成のタネや、在来種のタネを選んで育苗し斡旋。比較的交雑しにくい「種とり運動」を行い、定期的に仲間同士がタネの交換会を実施している。

家庭菜園・事例2

自然の素材で特製プランターを考案
   稲田 幸(滋賀県)

生ごみは、焼却処分しないで、土に入れれば良質な有機肥料となるので、「生ごみを燃やすのは止めよう」と発信。庭のない人のためにEM生ごみ肥料ボカシを使う「床が汚れない特製プランター」を考案して普及につとめている。

【床が汚れないプランターのつくり方】
①適当な容器を用意する
②下に溜まった水で根が腐食しないよう外に排出する穴を容器の横に開ける。上から流れ出た余剰水の汚れを沈殿させるため、底から5p程度の高さに開ける。プランターを動かす時には溜まっている水をこの穴から外に排出。
③ 底に発泡スチロールを細かくして敷く。
④ トリカルネットを敷き、その上に小石、細かい粒子の砂、土をのせる。
⑤ 生ごみ堆肥など肥料を5CMをぐらい入れて混ぜ、土をかぶせる。
砂を使うため排水は濾過されてニオイもなくきれい。多少の手間はかかるが、安価で場所を選ばず、誰でも、何時でも、何処ででも、日当たりさえよければ、畑仕事が楽しめる。多くの方にチャレンジしていただければ嬉しい。

  

家庭菜園・事例3

バケツでEM生ごみリサイクルを成功させるコツ
   吉彌 信子(京都府)


いやなニオイや虫のわかない、上手なEM生ごみ処理方法のコツは大きく3点。
①生ごみは水分をよくとり、なるべく小さくする。お魚のあらなどは一旦熱湯にくぐらせて入れる(特に夏場)。
②生ごみをEMボカシT型で良くあえる。生ごみとEMボカシT型をサンドイッチ状にしない。生ごみにEMボカシT型を万遍なく行き渡らせること。特に夏の高温の時には、サンドイッチ状にするとEMボカシが生ごみに行き渡らないところから腐敗に傾くので注意。
③生ごみバケツのフタと生ごみの間の空気の層が邪魔をして、夏場は特にいやなニオイが出やすいので、ビニールか新聞紙で上からしっかり押して空気をぬく。EMは嫌気発酵が良いので、生ごみを空気にさらさないように。時間が経過し、蓋を開け、上のビニールを開けたときに、白いカビが生えていたら上出来の証。また、生ごみバケツの下のコックから液肥が出るが、これがスグレモノで排水口にそのまま流せばニオイもとれ、排水が美しくなる。生ごみが宝物に変わるちょっとしたコツを身につけて、生ごみが美味しいお野菜にう、美しいお花に変身することの喜びを味わって欲しい。


家庭菜園・事例4

家族に伝える自給菜園
   田中 シゲ(京都府)

町の婦人会活動からEMを知り、20年以上使用している。初めは、EMの液体やEMボカシなどで畑に効果あるんだろうか・・・という思いだったが、草の種類と土の状態の変化でEMの効果を確認した。今は近くに住んでいる娘家族にお野菜を食べてもらっているが、近頃は娘夫婦も少しずつだが自ら畑をやりはじめている。安心で安全なお野菜を食べてくれることはうれしいし、自分の食べるものは自分でつくれる幸せを感じてくれたら、なお嬉しい。

家庭菜園・事例5

ミニトマトでコミュニュケーション
   水谷 繁也(大阪府)

自宅のベランダでEM活用の自然農法でプランター栽培を楽しむ。自然農法の種子の、ミニトマト「チャコ」を苗から育てることに挑戦し、3月27日に種まきをして、約60粒が芽を出し、職場の同僚や近所のお友達、14人の方に配る。苗を育てている時は母親の気持ちになっているようであり、苗を配りおわったときは、嫁に出したような気持ちになった。残りは家庭菜園講座で販売し、売り上げは慈善事業へ寄付。最後に残った4株を自宅のベランダで、毎朝、毎夕、トマトに声をかけていくと、自分も、太陽と水と土、自然によって育てられていると感じた。また、苗を配布した友達から、元気に成長するトマトの様子を聞いたり、写真を見せてもらったり、収穫したトマトをお弁当に入れて持ってきてくれたり、それらのことを聞くのがとても楽しく、仲間とつながる家庭菜園の喜びを実感した。

家庭菜園・事例6

EMボカシで野菜づくり
   小島 妙子(兵庫県)

市営の菜園農場を借りて野菜作りにEMを活用。EM1、魚粉入の油カス、モミガラ、米ヌカ、糖蜜を入れEMボカシU型を仲間で共同でつくる。種子をまき、特に大切な育苗期はEM7の1000倍希釈液を散布。生育初期は稲ワラを薄めに、夏の暑い時は厚めに敷き、EMボカシの乾燥を防いでいる。EMボカシを使用するようになると、野菜も以前より立派に育ち、食べてもおいしく、たくさんできるようになった。ご近所やお友達に持って行き、食べてもらうと皆さん「甘くておいしい」と喜んでもらった。現在は、家から車で30分位の場所に農地を借りて夫婦で野菜づくりを楽しむ。一緒に借りた友人は化学肥料を使用しており、野菜の育ちも違い、自然農法の野菜が立派に育つ場合と化学肥料のお友達の方が立派に育つ場合など、いろいろと経験させてもらっている。


家庭菜園・事例7

リハビリ効果満点のダイコン栽培
   狩谷 芳子(和歌山県)

  

旅行先で階段より足を踏み外し転倒し、帰宅後、病院での診察の結果、脳出血と脳梗塞が見つかり、手術をしたものの右半身が動けなった。失望のどん底状態で、自然農法の家庭菜園の取組から勇気をいただき、リハビリをかねて、バケツ栽培に挑戦した。訪問看護のヘルパーさんにも手伝っていただき、バケツ3個に大根の種5粒ずつをまく。1個はヘルパーさんが育て、もう1個はお裾分け用に、そしてあと1個は種取り用にしたいと願い、亡くなった主人の名前「たけちゃん」と名付ける。毎日、挨拶をしたり優しく声を掛けたりしながら、水をやり、育てることに感謝していると、楽しくて嬉しくて、身体が動き難い事も忘れて、ワクワクしてきた。大分大きくスクスクと育っていた頃、「たけちゃん」に青虫が発生。声を掛ける事が少なくなっていたことが原因かもと、それからは、毎日、「ありがとう」の想いで、「たけちゃん」に向き合い、みんなが「今まで食べたことのないダイコンの味やね」と喜ばれるほどのダイコンを収穫した。その後、不思議と右手が大分動かせる様になり、これも野菜栽培のお蔭と感謝している。

家庭菜園・事例8

薬局は畑にあり
   西村 章(奈良県)

大阪で開業医として働く傍ら、EM活用の自然農法で野菜とお米を10年つくり続ける。予防医学の見地から、興味のある方に有機野菜の話をしている。『旬のものを食べる』『野菜や5分づき米を食べる』など食のアドバイスをしている。薬の変りに患者に処方したい野菜が、EMがあれば素人でもでき、特に光合成細菌を葉面散布すると味も収穫量も大きさも素晴らしい結果となる。EMを使って、無農薬、無化学肥料で野菜を育てると野菜が本当においしい。私の野菜を食べた方に、『ニンジンをゆでていた時、娘がニオイがいつもと違う~と言ったんですよ』と言われた。湯気で伝わる香りで、ニンジンの違いがわかったのではないか。これからも、診療の合間に生命力のある、おいしい野菜を育て、多くの方におすそ分けをして、食の大切さを伝えたい。


2015年4月7日


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