大阪の電力会社を休職して青年海外協力隊に参加し、復職するも、農業にこそ真の豊かさを伝える原点があると考えて31歳で脱サラして就農。父親の出身地である瀬戸内海の大三島に家族で移住して以来、16年間自然農法で農業を営む。現在、83aの農地を耕作し、野菜(約60種類)とみかん(3品種)、梅、米(自家用)を栽培。ニワトリ60羽を放し飼いで飼育。労働力は、専業1人(本人)と研修生3人。これにクモ、てんとう虫、ミミズなどが加わる。
取り組んでいる自然農法の概要は、
① 育土
EMもフル回転させて、畑で育つものをなにひとつ無駄なく循環させる。鶏ふんはもとより、除草した草や野菜の残さ、果菜類の整枝などを活用し、EM活性液(500~1,000倍希釈液)を撒く。作付け前にできたたい肥を畝の表面に敷き、その上にEMボカシとミネラル補給のためのカキ殻石灰を一般的な施肥量の半分ほど施す。施肥後、100倍EM活性液をかん水する。土の中の微生物を豊かにすることを第一義に取り組んでいる。
② 種苗
イネ以外の苗は自家育苗。里芋、カボチャなど数種類は自家採取している。
③ 種まき・植え付け時期
旬に栽培するように作物の育ちたい時期に播種。
④ 病害虫・雑草の抑制
適度に草を茂らせれば、バランスよく虫が発生し、害虫化しない。畑に自生する草も重要な育土の資材と考えて工夫して利用している。