開場前からたくさんのファンが並んだ

挨拶する遠藤かつゑさん
6月1日、山形県長井市民文化会館大ホールで東日本大震災チャリティ・オープンガーデン10周年記念「ベニシアさんの講演会」が開催され、およそ1000人が来場しました。この会は、長井市で自宅の庭を開放する「オープンガーデン」を始めて10年を迎える遠藤かつゑさんが企画したもの。収益金は、すべて東日本大震災の被害災地でのEM活動資金に寄付するというもので、NHK「猫のしっぽ カエルの手」で大人気の京都在住、ベニシア・スタンリー・スミスさんが賛同して実現しました。

当日は、講演会には珍しい朝9時開場にもかかわらず、女性ファンを中心に大勢の市民がかけつけました。後援の長井市を代表して、内谷重治市長が「水と緑と花のまち、長井市では、市民の力で花いっぱいの街づくりを行っている。その中心になっている遠藤さんたちの活動に感謝し、さらに行政と市民が協力して美しい花のある街となって多くの人たちの目を楽しませていきたい」と祝辞を述べました。

挨拶にたった遠藤さんは、「はじめはたった一人、自分の趣味でお花を育てていましたが、オープンガーデンを始めて、花の好きな人たちとの交流が始まり、長井市だけではなく米沢市、川西町、白鷹町など、花づくりがおきたま地域に広がっているのがとてもうれしい。今回、友人を通して私の大好きなベニシアさんを長井市にお呼びでき感激している。願えば叶うを実感している」と挨拶しました。

人生とガーデンづくりを語るベニシアさん
自然を受け入れ、自然に癒される


1000人の会場が満員に
講演者のベニシア・スタンリー・スミスさんは、イギリスの貴族出身で、建築家ロバート・アダムが手がけたケドルストンホール(現在は、ナショナルトラストが管理)と呼ばれるカーゾン家が生家。母親が4回結婚したため、4人の父親を持つという複雑な家庭環境で育ち、19歳の時に自分は何者かを知るためにインドに渡りました。さらに1971年には日本の鹿児島に移り、東京や岡山の生活を経て、1978年から京都で英会話学校の経営を始めました。その後、大原に移住し、古い民家を自分流につくり変えたことがきっかけとなり、NHK「わたしのアイデアガーデニングコンテスト」のガーデニング部門で1位に輝きました。

その後、花とハーブを中心に英国と日本が融合したガーデンとシンプルな生き方がテレビ・新聞などメディアに注目され、NHK「猫のしっぽ カエルの手 京都 大原 ベニシアの手づくり暮らし」が始まりました。2013年秋にはドキュメンタリー映画「ベニシアさんの四季の庭」が公開され、好評を博しています。

今回の講演では、自身の波乱万丈な生き様を率直に語り、どんな境遇でも意志さえあれば風が吹いて夢は叶うこと。そのためには今ある現実を受け入れて許す、過去と未来のことを心配しても始まらないとユーモアを交えて話しました。日本でも増えているうつ病などは、ハーブを使うと改善するので、どくだみなどの日本のハーブ(薬草)ももっと注目したらよいと話しました。ベニシアさん作成の資料では、食物連鎖を切るプラスチック製品やミツバチの生態を乱す除草剤などの危険性と、それを回避するための食品保存の方法やミツバチが寄ってくる蜜源植物を植えるビー・ガーデンなどを提案し、エコライフとエコガーデンをすすめています。

※ スカボロー・フェア(1番の歌詞)
スカボローフェアへ行ったことはあるかい?
パセリ、セージ、ローズマリーにタイム
そこに住むある人によろしく言って、
彼はかつて私の最愛の人だったから
講演の最後は、若い頃、歌手になるつもりだったというベニシアさんと参加者が、ハーブを歌詞に折り込んだ「スカボロー・フェア」「花はどこへ行った」などを合唱し、またの再会を約束して閉幕しました。

長井市を含む山形県の内陸盆地を「東洋のアルカディア(理想郷)」と絶賛した女性旅行家のイザベラ・バードも、ベニシアさんと同じイギリス人。緑豊かな朝日連峰を背景にした大自然と人の手が入ったイギリス発祥のオープンガーデンが、ますますこの地域を美しく磨き上げることは間違いないことでしょう。

遠藤さんのEMナチュラルガーデン
どこから見ても美しい

遠藤さんの活動

「趣味の園芸〜玉さん庭をゆく」に出演

フラワーポットもお手製の街の花壇

長井市役所近くの花壇
1998年、幼い頃から好きだった花に囲まれる生活をしたいと、築58年の土つきの古い家を探して長井市に移り住む。陽が射すようにモミの木・柿の木など20本以上の大木を切り、200坪の荒れた土地にこの地域に自生する草花を育てることから始めた。孫や6匹の犬、猫がいるため農薬や化学肥料に頼らない方法で取り組んだ。

孫の成長に合わせて可愛い花壇から始め、少しずつ庭の形を変えながら、理想のブリテイュナチュラルガーデンを目指す。2002〜3年には、長井市の花いっぱいコンクール個人賞を受賞し、最上川河川敷緑化公園のボランティアガーデンの1区画で花壇づくりに参加する。2004年には、オープンガーデンとして庭を公開。花好きの人たちが訪れる。

2006年に花友だちからEMを紹介されて、花づくりをはじめ暮らし全般にEMを愛用するようになる。翌年、花と緑・環境の会を設立し、本格的なEM活動を始める。

2008年、全国花のまちづくりコンクール個人部門に初入選。翌年には、第18回同コンクール個人部門 花のまちづくり大賞 国土交通大臣賞を受賞する。仲間とともに地域の花壇づくりに精力的に取り組む。

2012年には、第22回全国花のまちづくりコンクールで、個人部門と花と緑・環境の会が団体部門でW入選。仲間の「サークル米沢」と「花を咲かそうほっとの会」が、努力賞に輝いた。2013年には、NHK「趣味の園芸〜玉さん庭をゆく」に出演。全国放映された。現在は、玉崎弘志さん(日本ガーデンデザイナーズ協会会長)の指導の下で進められている長井市花いっぱいの街づくり推進事業の一員として、市内の花壇5か所のデザインや管理を行っている。

遠藤流EMの活用法
初夏や夏にかけて咲き終わった花がらは、おしきりで3cmくらいに細かく切ってEM発酵液をかけ、EMボカシを混ぜ合わせて土をかけておく。生ごみも一緒に堆肥にする。さらさらになった土はそのつど必要な所に使う。
11月、すべての花は根元から切り、花がらは細かくして、来春の植え込みが終わった所にまき、その上に①をかける。
60リットルタンクを3か所に置き、ふたを開けて雨水を利用。タンクに水を入れてEM発酵液を1.5L、EMスーパーセラ発酵Cを1つかみ、EM3を50mL、むしった草や細かく切った花がらを入れ、2週間から10日ほど放置。雨が降った日に、通路にタンクを倒して流し込む。

2014年6月13日


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