EM最新情報を伝える比嘉教授

NPO法人黒潮蘇生交流会・山下修理事長

ブースの賑わい
四国のEM愛好者が一同に集まる『四国EMフェスタ2012 善循環の輪「土佐」の集い』(主催:四国EM普及協会/NPO法人地球環境共生ネットワーク 以下、U−ネット))が、11月24日(土)、高知市のサンピアセリーズにて開催されました。この大会は、1999年から、四国4県もちまわりで行われ、環境、農業、教育、福祉など多方面にわたる事例を積み重ね、今年で13回目となるものです。午前の部の「花のまちづくりセミナー」では、高知県吾川郡いの町の「地域の環境を守るEcoクラブ」代表の山脇幸一さんが、セイタカアワダチ草で覆われた宇治川を桜の名所にするまでを発表。午後には、土佐町の「有機のがっこう土佐自然塾」の山下一穂塾長と7期生になる塾生たち、スーパー「末広」でEM活用を行っている本山町の山下修さん、地鶏の土佐ジロー2,400羽を平飼いする南国市の島崎博子さんが、事例報告を行いました。

また、医療法人照甦会の田中佳医師が「医食同源への道〜発想の転換で元気で長生き〜」をテーマに講演し、人間の体は自然のものでできているにもかかわらず、日本人は1人およそ25kgの人工添加物を食べていると指摘し、価格に惑わされず本物の食材を選ぶようにと訴えました。また、U−ネット事務局のEM災害復興支援プロジェクトは注目を集め、参加者の1人は「私たちもできるだけの協力をしましたが、地理的に遠いので、どうなっているのか心配していた。福島はじめ被災地に40近くのEMの拠点があって、誰でもEM活性液が使える体制が整っていると聞いて心強かった。ぜひ、たくさん使って欲しい」と話していました。EMに関連する企業や団体約20が出展し、ブースでは、元気な会話が飛び交っていました。

事例発表要旨

いの町枝川地区の花の街づくり
地域の環境を守るEcoクラブ代表 山脇幸一(いの町)

花で地域を再生する山脇幸一さん

子どもたちが花に集まる
セイタカアワダチ草が茂り、花粉が舞う季節は町民が歩けない、不法投棄でごみ捨て場となっている、など困り者の宇治川沿いの道に桜を植えることで問題を解決。トラスト運動の経験を活かし、「オーナー制度によるマイ桜」を提案、2001年に1kmの宇治川に120本の桜を植えた。行政が管理する植林ではなく、町民に愛される桜並木にするため、幼稚園、小学生、老人クラブなどを巻き込み、自分たちが育て愛する桜並木になることに成功した。今年は、近くの枝川公園で枝川幼稚・保育園、伊野商業高校など町内15団体が公園内の一角を草刈りするなどして花壇を整備し、グラジオラスの球根1500個を植え、町内外の人たちが訪れて賑わった。また、昨年から宇治川にEM団子を投入し、ホタルやトンボの復活を目標に川の浄化活動をスタートし、さらなる美しい町になるよう努力したい。

比嘉教授講評
行政に頼らず、町民を巻き込んだことが花のまちづくりに成功したポイント。人のために尽くすということが人生の目的であり、その意志を育てていくことが大切。子どもの頃から楽しくその体験を積むことは、将来、地域の宝となる。花を通して、人が育ち、町が豊かになる。硬直した社会全体を変えるしくみをつくっていこう。


レストラン・ストアでのEM活用
㈱共生21社長 山下修(土佐町)

ピカピカの作業場

チームでがんばる
「うまいもん、いなかのもん、地のもん」をキャッチフレーズに「うまい・安心・自然」を追求して事業展開を行っている。レストランかとりでは、毎日20リットルのEM発酵液を調理場から流し、悪臭もなく排水タンクもきれいで、排水先の農業用水にはホタルの発生もみられる。また、末広ショッピングセンターでは、全社員にEMの研修を行い、今では各チームに分かれて活動している。①EMだんごをつくる、②EM石けんをつくる、③EMでトイレ掃除をする、④公園や店舗を花いっぱいにするの4チーム。それぞれが創意工夫して活動し、社員同士の会話が増えるという効果も出ている。店舗では、作業が終わるとシンクなどにEM活性液を流している。また、冷凍の手羽先を解凍する時にEM活性液を利用しているが、臭みもなくカラッと揚がり大変おいしいと好評。
株式会社末広

比嘉教授講評
食品加工の現場でのEM効果を見事に実現している。働いている人が楽しく連携できることも効果のひとつ。機械のメンテナンスが不要になったり、揚げ物がおいしくなるのは、油が酸化しないためで、EMセラミックを入れて5年間交換しないというインド料理店の事例もある。健康にも貢献でき、商品価値を高めることができるので、この分野で大いに活用してもらいたい。


有機のがっこう・おいしさで勝負
土佐自然塾塾長 山下一穂(本山町)

山下塾長とスタッフの6期生原田さん

田舎からの国造りを目指す7期生
開校7年目で、74人が卒業し、そのうち54人がなんらかの形で農業に従事している。
塾生の年齢層は若く、高齢化で危機的な農業において、自然に即した農業が魅力ある産業になることを証明している。塾長の経営する山下農園で試みられた「畑に小さな自然を実現する」有機農業の技術をすべて公開していることが大きい。超自然農法と呼ばれる技術は、特殊なものではなく、誰でもできる技術として定着してきた。今後は、安全な野菜を食べたい消費者と安全な野菜をつくりたい生産者がどうつながっていくかが課題。すべての人たちを幸せにする「有機野菜のおいしいさ」で勝負したい。
有機のがっこう土佐自然塾

比嘉教授講評
「有機農業で日本の農を変えたい」という志の高さ、かかげる旗に敬意を表したい。塾生が、卒業後、実際に農業に関わっているのは農業大学校でもできない業績。高知県はEMの経験を蓄積しているので、さまざまな施策と組み合わせて有機農業の大きな流れを作り出して欲しい。


土佐ジロー2,400羽をEMで
島崎養鶏場 島崎博子(南国市)

理想的な平飼養鶏を行う島崎さん

卵はすぐに完売
土佐ジローは高知県の天然記念物である土佐地鶏のオスと、アメリカ産のロードアイランドレッドのメスを交配し開発された地鶏で、肉、卵も食べられる卵肉兼用種。父親の病気をきっかけに美容師をやめ、家業を手伝う。通常は、1平米10羽の基準のところを1平米1羽で平飼いで育てている。床材にヒノキやスギなどを混ぜた籾を使い、環境を整えている。飼料は、土佐ジローの成長にあわせEMと植物性混合飼料や自家栽培の野菜や野草を食べさせている。飲料水は、10リットルに500mlのEM活性液を入れている。鶏肉は、十分に運動させていることで、適度な歯ごたえがあり、脂肪含有率は2%と通常の半分。タマゴは、殻が固く黄身は濃厚で、基準の厳しい東京の大手高級スーパーで販売されている。また、臭いがない鶏フンは、順番待ちが出るほど農家に人気が高い。
土佐ジロー

比嘉教授講評
矛盾のない循環養鶏ですばらしい。さらにEMの密度をあげていけば、1平米で飼育する数を増やすことができる。また、衛生対策にEMセラミックスを使えば、石灰は不要となる。有機農業の要になる養鶏の見本になってもらいたい。


2012年12月27日


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