10月23日、徳島県鳴門市の鳴門教育大学で、四国EMフェスタ2011(主催:徳島県EM普及協会/NPO法人地球環境共生ネットワーク)が開催されました。この大会は、行政や農業、教育、環境でのEM活動の事例発表などを通し、EM技術の向上や普及推進を図ることを目的に四国4県もちまわりで年に1度行われています。当日は地元徳島のほか、近隣のEM愛用者ら約450人が参加しました。開会式では、徳島EM普及協会の大川勝定会長が東北の被災地への激励を込めて「地方みんなの知恵を出し合って、東北の復興に力を尽くそう」と挨拶しました。

午前の部は、「花のまちづくりセミナー」、午後の部は「善循環の輪 とくしまの集いin鳴門」が行われ、徳島県内4つのEM活動事例発表と比嘉照夫名桜大学教授の特別基調講演、医療法人照甦会田中佳医師による特別記念講演が行われました。なお、翌24日、比嘉教授は、お堀の浄化活動を行っている徳島中央公園で原秀樹市長と会談し、「市民がいつでもEM活性液を使える仕組みをつくること」などをアドバイスしました。来年度は高知県四万十川で開催の予定です。



上:四国4県のリーダーが勢ぞろい 中:渇ヘ野メリクロンのランと比嘉教授 右:現場で徳島市長にアドバイス

事例発表@
鳴門市における花のまちづくり
NPO法人ボタンティア鳴門西 事務局長 橋本国勝



花の地域づくりを語る橋本さん
「塩田の町」として栄えていた鳴門西地区は三方海に囲まれた新興住宅地。区画整理された公園、緑地、樹路の環境美化のために婦人会、老人会などが参加したNPOボランティア鳴門西が立ち上がる。会員は80人。自分ができる範囲のボランティア参加を基本として、常時20〜30人が活動している。公園の花壇などにヒマワリやコスモス、地域の花のハマボウなどを植え、公共施設などにプランターを設置している。EMボカシによる学校給食残渣の堆肥化を推進し、学校、幼稚園、保育所などの花壇づくりの支援活動を行っている。13の小学校と3の中学校で生ごみ堆肥による花づくりを継続し、ことに緑のカーテン事業は好評。また、海辺のごみの回収、不法投棄防止、資源ごみの回収、川の浄化など幅広い活動を展開している。こうした20年以上にわたる「景観・環境―花を手がかりに地域づくり」が高い評価を得て社会や公共の福祉、文化などに貢献した者を顕彰する緑綬褒章を本年度受賞した。

花のまちづくりとは・・
1990年に大阪で開催された「国際花と緑の博覧会」の基本理念「自然と人間の共生」を広く普及、実現するために、個人や地域社会に根ざした、1つの国民運動として定着することを願って行われているもの。1991年から、農林水産省・国土交通省提唱による「全国花のまちづくりコンクール」が始まり、各地の通り、広場、住宅街などにおいて、花や緑を活用した美しく潤いのある生活環境づくりを行っている個人、団体、商店、企業などを広く顕彰している。EMを活用した花づくりも多数表彰されている。

花のまちづくり
http://www.hananokai.or.jp

事例発表A
EMを活用した農地・水・環境保全の取り組み
三野町有機農産物生産組合 中西俊輔



目標は若者の定住と話す中西さん
三野町は、四国のほぼ中央に位置し、吉野川の中流域に当たる中山間の農業地帯。人口5,200人で農家数は558戸、8割は兼業農家。町をあげて有機の里づくりを目指し、農業委員や町議員、婦人会の元役員や元教員などでつくった「三野町有機農産物生産組合」が町や婦人会と連携し取り組んでいる。EM活用による水稲、畑作の実施。EMボカシによる生ごみのリサイクル。米のとぎ汁EM発酵液による河川浄化などが実施されている。三野町有機農産物生産組合が製造したEM活性液を婦人会が2リットル容器に詰め、1,600世帯に配布、排水溝から流す取り組みは4年になる。これに加えて組合員が、排水溝や農業用水路にも年に約2t流した結果、吉野川の支流である古谷川の水質が改善されると同時に農業用水が浄化され、稲作等農業に好影響が出ている。また、EMによる学校プールの清掃にも力を入れており、始めた当初は9校であったが、現在は30校以上が実施している。プール排水が浄化され、川に魚や小動物が戻るなど、子どもたちの環境への関心を高めている。

事例発表B
ブルーベリー栽培に新しい付加価値
〜EM導入と有機JASの取得〜
ベリーベリーファーム脇町 代表 吉田文昭



「第2の人生はブルーベリー園」と語る吉田さん
退職後、家業の植木販売の経験からEM自然農法によるブルーベリー栽培を目指し、4年後の2010年に有機JAS認定を取得。翌2011年7月、観光農園をオープンした。徳島県でのブルーベリー生産は皆無だったが、2006年美馬市ブルーベリー研究会発足を機に現在は耕作面積2ha、全国で38位となっているが、ブルーベリーに適した気候ではないため、地場の杉皮チップやEMボカシU型を用いるなど土づくりを精力的に行っている。自給のためのニワトリ、ヤギの糞を有機肥料として用いている。また、ヤギとニワトリが、ブルーベリー畑の落ちた実を食べるという共存共生の農園を実現している。この先は、EMとのコラボレーションを強め、目によいとされているブルーベリーの品質の向上を図っていきたい。

事例発表C
EMを活用して川をきれいにしよう!
川をきれいに志隊 会長 黒崎好夫



行政と協働関係をつくる黒崎さん
平成19年に川をきれいにしたいと願う女性グループが徳島市の街中を流れる新町川にEMボカシ団子を350個投入したのをきっかけに結成された団体。以前から川の美化運動を行っていた「NPO新町川を守る会」と協力して2年間で約3万個のEM団子を投入した。また、JR徳島駅に隣接する旧徳島藩主蜂須賀公の居城跡である徳島中央公園のお堀の浄化を、徳島市公園緑地課との協働事業とし平成22年より開始。約5千個のEM団子と約5tの活性液を流した。その結果、短期間ではあるが、底に堆積していたヘドロが水面に浮き上がり、ヘドロの下の見えなかった砂地も見えはじめ、水質改善の兆しが見られる。

徳島市のEM情報
生ごみ減量化のため平成7年より市民にEMボカシと密閉式生ごみ処理容器を交付。
平成18年度では、78tの生ごみ減量効果があったと推計される。

徳島城
JR徳島駅の北側にあり、市の中心部に位置する。最近まで鬱蒼とした森の中にあったが、公園として整備され、観光の名所としてだけではなく市民の憩いの広場として愛される公園に変貌した。さらに美しい公園を目指して、市職員やボランティア、地元の小学生、幼稚園児で、EMによる浄化活動が行われている。

鳴門市のEM情報
生ごみ減量のため、市民に対するEMボカシと密閉式処理容器の配布を平成8年度より実施し、現在も継続中。公共下水道のない鳴門市の生活排水路を浄化するため、平成18年度、鳴門市衛生組合連合会が各家庭にEM活性液を配布。毎年継続事業としている。また平成19年度より自治振興会にEM活性液装置を設置。EM活性液を地域の住民に配布し汚染源を浄化源にする努力をしている。平成22年では6団体の自治振興会が参加している。

四国EM普及協会
http://www.amron.co.jp/sem/tokushima.html

NPO地球環境共生ネットワーク(U−ネット)
http://www.unet.or.jp

2011年11月24日


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