午前中行われた「花のまちづくりセミナー」では、戸田市と蕨市で広域的に行われているEM生ごみ発酵肥料と花苗24鉢の交換事業と、築40年になる集合住宅の花かざりの2事例が発表された。その後、講評を含めながら比嘉照夫名桜大学教授が、「環境にやさしい花のまちづくり」と題して講演した。昼食をはさみ、花のまちづくりの集いが開かれたが、ここでも熱心な市民が参加して土づくりなどの質疑がされ、花づくりへの高い関心が感じられた。
午後から行われた「善循環の輪 埼玉南部の集いin戸田」では、神保国男戸田市長が「市民参加で、地球温暖化防止など環境対策を行い、埼玉県の環境みらい都市3市のひとつに選ばれることができた。この事業に大きな貢献をされているEM関係者に感謝したい」と歓迎の挨拶を行った。その後、比嘉教授講話と医療法人「照甦会」クリニック田中佳医師による講演「日本医療の現状と予防医学」、戸田市で行なわれている6つの事例が発表され、それぞれの実践者と比嘉教授との質疑応答があった。参加者からも「疑問を解決してすっきりした。これからもEMで環境問題に貢献していきたい」という声があがった。
各発表要旨や比嘉教授講話要旨などは以下に掲載
事例① 環境と人にやさしい戸田市の花のまちづくり 戸田市環境クリーン室 吉田義枝
事例② 集合住宅の花のまちづくり小野田幹子(越谷市)
比嘉教授講評
オーガニックガーデンの土づくり
プランターの場合 土の中にEM団子を2つ入れる。土の表面にEMボカシをまき、EM活性液をかける。1週間後に苗の植え付けを行う。庭の場合 米ヌカをまいてその上からEM活性液をかける。シートやフェルトで光を遮断する。1〜2週間後に苗を植えつける。花が終わった植物は抜いて、その後にEMボカシを入れて、1週間後に植えつけていけば、省力化できる。病虫害対策には、EM活性液、EMセラミックパウダー、EM7を継続して噴霧する。
講演「日本医学の現状と予防医学・健康自立力」 田中 佳 医師(医療法人沖縄照甦クリニック)
国民皆保険などの医療制度や技術は世界トップクラスの日本だが、本当に健康な国民であるかは疑わしい。一昨年の統計では、約26億人がなにがしらの理由で受診しており、国民1人が平均年に13.8回通院していることになる。医療費は37兆円(21年度)に及び、依然国家的な問題である。
これ以上、病人を増やさないためには、病気にならない体をつくり方向に社会全体が変化しなくてはならない。そのためには、毎日食べる食事を変えることが一番簡単で誰でも取り組むことができる。キーポイントは、消化や代謝の働きをする酵素とミネラルやビタミンを体の中に増やすこと。医学の常識をそのまま鵜呑みにせず、自分の体は自分で守るー健康自立力をつけて、正真正銘の健康長寿国になろう。
講演「EMの最新技術について」 比嘉照夫教授(名桜大学教授・琉球大学名誉教授)
鳥インフルエンザや口蹄疫など、ウィルス汚染が脅威をふるっているが、EMの密度を上げることによって解決できると考えている。口蹄疫が発生した宮崎県の中で、移動制限が最初に解除されたえびの市のEMを活用していた酪農家では口蹄疫の発生がみられていない。また、発生してから数週間後にEMを使った数百軒の畜産農家でも、発生源から1キロという近距離でありながら2次発生が起こっていない。EMの抗ウィルス作用が働いたと思われるが、一度汚染された場所は強烈な酸化状態となっているので、緊急によい微生物に置き換えなくてはならない。
EMを活用して安全な畜産に転換したならば、畜産業が食べる人の健康に貢献し、有機農業を支え、環境にも寄与できる。不幸な経験を将来に向けての糧にしていきたい。
事例発表
事例① 蕨戸田衛生センターのダイオキシン対策試験 蕨戸田衛生センター組合議長 中名生 隆
比嘉教授への質問と回答
Q.活性液を散布する際の方法として連続散布か、期間を空けての散布かどちらが良いのか、また、季節に関係があるのか。 A.EMで土壌を浄化していくと自然界にあるダイオキシンを分解する蛍光性放線菌プロテオミクスが活性化してくる。できれば、米ヌカなどの有機物を入れてEMの密度を上げることが大切。雨が降る前にEMをまき、土壌に染み込ませる。EM3号やセラミックを活用しても効果がある。
Q.EM活性液はpHが3.5と酸性だが、他の生態系に影響を及ぼさないか。 A.EMの基は有機酸で、これが分解すると炭酸ガスと水になる。最終的に残るのは、アルカリ基となり、生態系に影響は与えない。コンクリートに酸性を入れるとボロボロになるが、EMを入れると強じんになることを見ても、理解していただけると思う。
Q.EMは、他の有害物質等にも低減させる効果があるか。 A.非イオン作用で有害な反応が消えるので、重金属にも効果がある。
事例② リサイクルフラワーセンターの生ごみ堆肥化 NPO戸田EMピープルネット理事長 牧野芳男
Q.蘇生利器(生ごみ処理機械)で生ごみを飼料や肥料にするにはどの様なことに気をつければよいか? A.1回15分程度攪拌して、もち状になった生ごみを乾燥し粉砕。その上にEM活性液をかけて再び乾燥すれば、鶏や豚のエサとして利用できる。ポイントは、生ごみを腐敗させないこと。そのためには、EMの原液をかけるか、スーパーセラCを1000分の1加える。上手に使えば、1日2tの生ごみを処理できるので、工夫して欲しい。
事例③ 菖蒲川の浄化 戸田ロータリークラブ会長 植野正裕・戸田中学校 ボランティア地域活動班
Q.購入したEM活性液の有効期限と保存方法は。 A.EM活性液は、PH3.5以下で、原液のEM1号のニオイに近いことが必修条件。きちんと密封しておけば、3〜6ヶ月は保存可能。開けたら、すぐに使い切る。
Q.EMセラミックスパウダーの有効期限と使用方法は。 A.有効期限はない。ボカシや活性液、団子づくりに0.1%をめどに添加する。
Q.川の水量に対して、どれぐらいのEM団子を投げればよいか? A.原則的に1u1個。ヘドロが多い場合は、3〜4個を目標に入れる。
事例④ クリーンEM南原の上戸田川〜菖蒲川の浄化 クリーンEM南原会長 大久保椚
Q.どの様にしたらアユなどの魚が遡上してくるか。 A.このまま根気よく活動を続けていくことと、行政に応援してもらい上流から大量のEM活性液を流すシステムをつくる。この2つの取り組みでアユが遡上する川になることは間違いない。川を地域の共有の財産と考えて、取り組んで欲しい。
事例⑤ 環境浄化を進める会・戸田のEM農業と家庭での環境改善 EMと米のとぎ汁を使っての石けんづくりを 指導する鈴木代表とつくり方を学ぶ市民 環境浄化を進める会・戸田代表 鈴木太佳子
EMを農業や日常生活に生かし、環境に配慮して暮らす市民が会を結成して10年。公民館での環境セミナー出前講座では、毎回たくさんの市民が参加してEMへの理解を深めている。また、とだ環境フェア、市民生活展などで、EMでの環境浄化を啓発している。とくに合成洗剤の害を訴え、廃食油をリサイクルしたEM石けんづくりや食の大切さを市民に精力的に訴えている。
Q.EM・Xゴールドの上手な飲み方について A.自分の体調に合わせて飲むこと。次の朝、けだるさが残っているならば、少し量を増やす。
事例⑥ 身体と環境に優しいEMクリーニング クリーニングナカムラ 中村幸雄
Q.EMと納豆菌との混合での効果について。 A.相性はよいので、1リットル当り市販の1粒の納豆を入れてもよい。水をキレイにするだけならば、納豆菌も効果があるが、ヘドロの分解まではできない。