当日は、松尾崇鎌倉市長も駆けつけ、「市でも海や池の浄化にEMが活用されて効果を上げている。「鎌倉ブランド」という地元農業でも、EMの力に期待したい」と挨拶。その後、ツルネン・マルテイ参議院議員が国レベルでの有機農業について、県環境農政課の増田義彦副技幹が県の有機農業に関わる取り組み状況について、それぞれ報告。ツルネン議員は、有機農業にも堆肥として活用される家庭系生ごみリサイクル法の制定をめざすことを、増田副技幹は、県ではモデルタウン事業に小田原市が採択されたことと県内の市町村が有機農業推進計画に取り組んでいることなどを話した。
続いて、塾生を代表して逗子市在住の山口忍さんが事例発表を行った。山口さんは、600坪の農地を6年前から借りて家庭菜園を始め、農薬は使わない農業を心がけていた。「塾で自然農法の奥深い思想にふれ、結果が出るEM農法のすごさに驚き、農業に真摯に取り組む農家夫妻に感動し、人生の醍醐味を味わった」と話した。
塾の最終講義者として比嘉教授が登壇。「生き物であるEMに人間が合わせる農業を行うことが大事で、人間の都合に合わせると失敗する」「栽培しながら土を育てることが合理的な方法」「農業は太陽の光を回収する産業で環境問題にも貢献する」などと語り、最後に自ら開墾してつくり上げたバナナ園について映像を使って解説した。
卒業生の1人、浜松市の相曽弘有さんは、「有機農業は難しいという既成概念を変えてくれた1年間だった。これからは、農業をやりたいという友人たちに塾のことを教えてあげたい」と抱負を語った。なお、2010年度の生徒募集は来年2月中旬まで行っている。詳しくは、NPO法人EMネット神奈川事務局まで(TEL:0467-45-4367/E-mail:nagai@emj.co.jp)。