本会は、平成11年から四国4県を持ち回りで年1回開催されている「四国EMフェスタ」と、平成19年から毎月、各都道府県1か所の予定で行われている「善循環の輪の集い」が共同開催されたもの。
始めに主催者を代表してNPO法人香川県EM普及協会理事長の宮武利弘さんが、「香川県は早くからEMを活用した結果、最近では点から面への活動になってきた。新しい取り組みとしてU−ネットと共同開催し、さらに多くの方と力を合わせて活動したい」と話した。
午前の部では、花のまちづくりセミナーが行われた。始めに、NPO法人全国花のまちづくりネットワーク代表の比嘉照夫名桜大学教授が、「花による幸福度の高い社会づくり」という理念と花壇やプランターの土を入れ替えない方法や、耕さずに健康な花を育てる方法など、循環型の花壇づくりの技術を解説。続いて、観音寺市豊浜婦人会の合田千香子さんと小出弘子さんが、環境浄化活動から花づくりにまで進んだ地域活動を発表した。
午後の部では、県内のEM実践者たちが環境浄化・農業分野あわせて4例を発表した。発表者は10〜70代までと幅広く、誰でもどこでも使えるEMの働きを象徴するような大会となった。また、特別ゲストとして、医療法人照甦会の田中佳医師が「日本の医療の現状と予防医学」と題して医学の限界と予防医学の大切さを話した。
[花のまちづくり事例発表] ●EM生ごみ堆肥を使った循環型花のまちづくり観音寺市豊浜婦人会 合田千香子さん・小出弘子さん
昨年は、市が「ごみ減量元年」と名づけ市内3地区で生ごみ減量化モニターを募集。豊浜地区では、同婦人会のメンバー50人が委託され、手づくりのEMボカシで年間約10トンの生ごみを土に返した。また、定期的に開催されるEM勉強会でEMボカシやEM廃油石けんつくりを行っている。さらにEM生ごみ堆肥を使って豊浜公会堂前の花壇づくりを行い、道行く人たちの目を楽しませている。環境浄化から花を育てるまでになったEMエコ活動は、他の自治会にまで広がりを見せている。
●花による幸福度の高い社会づくり名桜大学教授・比嘉照夫氏 植物は、種の保存のために膨大なエネルギーを使って花を咲かせ、昆虫を呼び寄せている。このエネルギーが自然の芸術の極みともいえる「美」をかもし出し、花の美によって人間の感性が磨かれる。生態系を支えている「花」の特性を理解して、「花」を最大限に活かしたまちづくりを行うことが、美しい風格のある日本を創造する第一歩になる。また、21世紀は環境にやさしい花づくりは必修条件で、EMを活用することで可能になる。
生ごみを使った土づくりのポイントとして、@生ごみをEMできちんと発酵させる、Aよく土と混ぜる、B2週間以上おいて植え付けをする、ということがある。生ごみが腐敗の方向に向くと植えつけた植物に虫がつくことがあるので注意する。急いで植えつけたい場合は、根から離れたところにEM生ごみボカシ和えを入れて土と混ぜ、濃い目のEM活性液をかけておく。砂などと混ぜると良い。
咲き終わった花は小さく切ってEM活性液をかけるとすべて堆肥になる。花が終わったら、ボカシや鶏糞などの有機物を土と軽くまぜ、EM活性液をかければ、簡単に土づくりができる。年中花を絶やさない方法は、その地域の宿根草を植え、その間に1年草を植える。いろいろな花を植えて残った花の種を取れば、その地に適した自然体系的な花壇ができる。
[環境浄化事例] ●プール清掃は結果まで確認できる優れたEM環境学習 環境学習ネットワーク代表・比嘉節子さん
●綾川・府中湖大好き 坂出市立府中小学校6年 遠藤弘輝君・池永亮君
●EMを活用した久米池浄化の6年間の取り組み 高松市 春日保育園園長 野町文枝さん
[農業事例] ●土づくりにこだわるEM活用栽培グループ 三豊市 財田大地と語り合う会代表 多田弘美さん
●EM活用有機JAS柑橘栽培 三豊市 吉田農園 吉田スエ子さん・吉田洋子さん