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蘇生型社会めざす
「四国EMフェスタ2009 善循環の輪香川の集いin三豊」開催



四国4県のEM実践者が勢揃い
「四国EMフェスタ2009 善循環の輪香川の集いin三豊」[主催:四国EM普及協会・NPO法人地球環境・共生ネットワーク(以下Uネット)]が、10月24日、香川県三豊市の市立高瀬町総合体育館で開催され、県内外のEM実践者約700人が参加した。

本会は、平成11年から四国4県を持ち回りで年1回開催されている「四国EMフェスタ」と、平成19年から毎月、各都道府県1か所の予定で行われている「善循環の輪の集い」が共同開催されたもの。

始めに主催者を代表してNPO法人香川県EM普及協会理事長の宮武利弘さんが、「香川県は早くからEMを活用した結果、最近では点から面への活動になってきた。新しい取り組みとしてU−ネットと共同開催し、さらに多くの方と力を合わせて活動したい」と話した。



ゼロゴミウエストを推進する三豊市長が来賓挨拶
続いて、横山忠始三豊市長が登壇。三豊市(人口約7万人)は、広域事業の溶解炉方式をやめ、ごみを18分別して資源化する取り組みを開始している。横山市長は、自身がEMで生ごみを堆肥にしている体験を話し、「残る市の課題は生ごみと紙オムツ。EM技術に大いに期待している」と挨拶した。

午前の部では、花のまちづくりセミナーが行われた。始めに、NPO法人全国花のまちづくりネットワーク代表の比嘉照夫名桜大学教授が、「花による幸福度の高い社会づくり」という理念と花壇やプランターの土を入れ替えない方法や、耕さずに健康な花を育てる方法など、循環型の花壇づくりの技術を解説。続いて、観音寺市豊浜婦人会の合田千香子さんと小出弘子さんが、環境浄化活動から花づくりにまで進んだ地域活動を発表した。

午後の部では、県内のEM実践者たちが環境浄化・農業分野あわせて4例を発表した。発表者は10〜70代までと幅広く、誰でもどこでも使えるEMの働きを象徴するような大会となった。また、特別ゲストとして、医療法人照甦会の田中佳医師が「日本の医療の現状と予防医学」と題して医学の限界と予防医学の大切さを話した。



自身のEM実践方法も含め熱っぽく語る比嘉教授
最後のまとめの講話で比嘉教授が、「EMが生き物であることを理解して、辛抱強く努力してくださった関係者に感謝したい」と述べ、「政権の交代に見られるように時代は急速に変わっている。これからは、EMのような新しい技術が多くの人に受け入れられていく。EM利用を生活化して、気がついたら環境問題など消えている、そんな時代を迎えるのも夢物語ではない」と参加者に語りかけた。なお、来年の大会は愛媛県で開催される予定。

[花のまちづくり事例発表]
EM生ごみ堆肥を使った循環型花のまちづくり
観音寺市豊浜婦人会 合田千香子さん・小出弘子さん



豊浜公会堂前の花壇づくりをした婦人会のメンバー
海岸線沿いの地域にある同婦人会は、環境意識が高くEMによる浄化活動に取り組んでいる。役員が仕込むEM活性液は年間500mlのペットボトル5000本。町内14か所で地域住民に無料提供されており、家庭ばかりでなく保育所、幼稚園、小中学校などで掃除や河川浄化に利用されている。

昨年は、市が「ごみ減量元年」と名づけ市内3地区で生ごみ減量化モニターを募集。豊浜地区では、同婦人会のメンバー50人が委託され、手づくりのEMボカシで年間約10トンの生ごみを土に返した。また、定期的に開催されるEM勉強会でEMボカシやEM廃油石けんつくりを行っている。さらにEM生ごみ堆肥を使って豊浜公会堂前の花壇づくりを行い、道行く人たちの目を楽しませている。環境浄化から花を育てるまでになったEMエコ活動は、他の自治会にまで広がりを見せている。

花による幸福度の高い社会づくり
名桜大学教授・比嘉照夫氏

植物は、種の保存のために膨大なエネルギーを使って花を咲かせ、昆虫を呼び寄せている。このエネルギーが自然の芸術の極みともいえる「美」をかもし出し、花の美によって人間の感性が磨かれる。生態系を支えている「花」の特性を理解して、「花」を最大限に活かしたまちづくりを行うことが、美しい風格のある日本を創造する第一歩になる。また、21世紀は環境にやさしい花づくりは必修条件で、EMを活用することで可能になる。

生ごみを使った土づくりのポイントとして、@生ごみをEMできちんと発酵させる、Aよく土と混ぜる、B2週間以上おいて植え付けをする、ということがある。生ごみが腐敗の方向に向くと植えつけた植物に虫がつくことがあるので注意する。急いで植えつけたい場合は、根から離れたところにEM生ごみボカシ和えを入れて土と混ぜ、濃い目のEM活性液をかけておく。砂などと混ぜると良い。

咲き終わった花は小さく切ってEM活性液をかけるとすべて堆肥になる。花が終わったら、ボカシや鶏糞などの有機物を土と軽くまぜ、EM活性液をかければ、簡単に土づくりができる。年中花を絶やさない方法は、その地域の宿根草を植え、その間に1年草を植える。いろいろな花を植えて残った花の種を取れば、その地に適した自然体系的な花壇ができる。

[環境浄化事例]
プール清掃は結果まで確認できる優れたEM環境学習
環境学習ネットワーク代表・比嘉節子さん



EMプール清掃を実施している学校数
今年は、全国1019校の小中学校がEMによるプール清掃を行った。四国4県では昨年よりも17校増加して164校となり、プールから流されたEM処理水は61,500トンで、東京ドームの18分の1となる。EMを使って清掃を行った学校の割合では、都道府県別でみると徳島県が3位、香川県が5位、高知県が6位、愛媛県が9位で、四国全県がベスト10に入っている。来年には愛媛県松山市の100校近い小中学校が実施の予定で、実現すれば全国でもトップに近い実施数となる。EMによるプール掃除のメリットは、①プールの汚泥の悪臭がない、②作業の安全性、③清掃時間の短縮、④多様な生物の観察、⑤水道代の低減などがある。プール掃除をきっかけに、微生物の働きを学ぶ貴重な機会となっているので、多くの学校で取り入れてもらいたい。

綾川・府中湖大好き 
坂出市立府中小学校6年 遠藤弘輝君・池永亮君



学校近くの綾川にEM団子を投入
「府中エコプロジェクト〜地球救出大作戦〜」は、大気・水・緑化・ごみ・食料の5プロジェクトで構成され、5年生が自発性と自主性を発揮して行った環境学習。水と食料のグループでEMについての学習が行われた。EM活性液やEM団子、EMボカシをつくり、水質改善や土づくりを体験した。まとめの授業として児童全員で、学校の近くを流れる綾川にEM団子を投入した。今後も自分たちの住む地球環境に関心を持っていきたい。
[比嘉教授への質問と回答]
A.どのぐらいのEM団子を川に入れたら、キレイになりますか?
Q.汚れによっても違いますが、1uに1個。汚れがひどい場合は、3〜5個入れて様子を見て増したら良いです。
A.どうやったらEM利用を広めていけますか?
Q.あなた方が先生になって大人に伝えていくのが一番です。

EMを活用した久米池浄化の6年間の取り組み
高松市 春日保育園園長 野町文枝さん



長年EMで浄化をしている久米池
高松平野東にある久米池は、周囲約2km、貯水量35万トン、灌漑面積110haの大きなため池。6年前全国で初めてEMが投入された池として注目を集め、現在では水質が改善されて大量のエビやハゼなどが孵化し、透明度も増している。久米池水利組合の理解や地元の小中学校の先生や児童の参加、四国EM普及協会の協力の結果でもあり、また微生物の蘇生のスピードに合わせた全員の粘り強さの成果。これからは子どもたちを、自然に負荷をかけない生き方をする大人に育てていきたい。
[比嘉教授への質問と回答]
A.今後の水質維持にはどうすれば良いですか?
Q.エビが発生したのは、生態系が復活した証拠で、排水を流している人たちに協力してもらえれば、水質を維持することは可能。EM団子は今までの1/5程度に減らして良いが、地域の環境を守るイベントとしてEM団子の投入は継続してほしいです。

[農業事例]
土づくりにこだわるEM活用栽培グループ
三豊市 財田大地と語り合う会代表 多田弘美さん



加工品もつくっているボイセンベリー
平成16年に結成した同会は、農業を”いのちと語り合う営み”と考える農家15人が参加している。香川生協にお任せ5品500円野菜セットを週1回出荷することから始まり、現在では「道の駅」に出荷している。EMボカシやEM活性液、落ち葉などを利用した堆肥を活用し、メンバーそれぞれが得意な野菜づくりを行っている。最近では、無農薬無化学肥料のボイセンベリーや地元米「石の舞」が評判となっている。
[比嘉教授への質問と回答]
A.土を育てれば病害虫が少なくなると聞きますが、「シンクイムシ」など虫が発生しています。
Q.自然環境は刻々と変わるので、どんなに努力しても病害虫が発生する危険は避けられません。しかし、病害虫が出る前にEMスーパーセラCやEM7を使うのも効果的でしょう。農薬とは違いますので、微生物の密度を上げることに主眼を置いて徹底してEMを活用してください。
A.地域にある有機物を簡単に堆肥にする方法を教えてください。
Q.有機物に米ヌカとEM活性液をかけ、シートをかぶせて発酵させます。熟成したら、耕さずに作物を植えるのが一番簡単です。

EM活用有機JAS柑橘栽培
三豊市 吉田農園 吉田スエ子さん・吉田洋子さん



スエ子さんの息子が後継者。EM活性液をミカンに散布
自然農法を30年近く行っている同農園は、経営面積は60a、温州ミカン、レモン、ビワを栽培している。EM導入は平成3年。平成12年には全国でも珍しい果樹の有機JAS認定を取得する。自然農法の考え方を基にEMボカシやEM活性液、青草エキスを活用。木の基礎体力がついたためか、収量の増加が見られ、また甘みのあるミカンが収穫できている。
[比嘉教授への質問と回答]
A.青草液肥と青草エキスの違いは?
Q.EM活性液を使い腐敗と発酵との間の状態の有機肥料にしたのが青草液肥。これは、必ず作物の根元にまきます。青草エキスは唐辛子やハーブなどの材料を入れて嫌気発酵させたもので、薄めて作物全体にまくことができます。
A.セラミックスの使い方は?
Q.ミカンの木の根際にEM活性液などで溶かして刷り込むと良いでしょう。根元にセラミックスとEM7やEM活性液を散布すると相乗効果が期待できます。

(2009年11月21日)

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